Paradise_B diary

CGやPCに関する日記

借り暮らしのアリエッティ(ジブリアニメ)の感想

2011年12月17日 | アニメ
ドラクエ4もう少しなのに全然やる気起きない…

アリエッティがテレビでやっていたので見ました。

 作画というのか、画面は美しくて透明感とボリュームがあってとても良かったと思います。
最初のシーンの草の描き方が宮崎駿さんよりも塗った感じの形のはっきりしない感じの描き方でした。
あと、水とかの液体が全体的にねっとりとした感じでした。

 細かく気になったところは、今は他に同じ種族がいるのかも分からない、昔でも他に二家族しかいなかった割に、相当な工房と、それを必要とするコミュニティが存在していなければいけないほど、小人用の家具が充実していて家もしっかり作られていたことです。
本当に3家族位しかいなかったら後から出てきた男の小人のような原始的な生活が限界でしょう。
 それと、非常におかしいと思ったのは人間たちは和風ではないですが典型的な日本風の生活様式、アリエッティたちは完全に北欧風の異空間、後から来た男の小人はコオロギの脚を持ち歩いて食う原始人。これは違和感があり過ぎます。世界観がバラバラすぎる。

 あと、非常に細かくなりますが、糸巻きのエレベーターが、親父が登ったあと、親父が石を引き上げただけなのに糸巻きに糸が巻きついていたこと、カラスが暴れた部屋で羽を片付けずに羽の上に寝転がったように見えるところなどが気になりました。
 細かいようですが、このような違和感は宮崎駿さんの映画では感じないんですよね。

 キャラクターですが、ゲド戦記にも言えることですが悪役(今回は家政婦)が全く愛せないことです。ゲドの時の兵士みたいなのは胸糞悪いくらいのクソでしたし、今回も正直精神が異常なのではないか?と思うような人間です。宮崎駿さんの悪役はみんなどこと無く憎めない人たちです。ナウシカのクロトワ、ラピュタのムスカ、千と千尋の湯婆々など、結構皆に好かれているでしょう。
 そして、アリエッティの母親がウザ過ぎる。ウザい部分と人格者部分がちぐはぐ過ぎて一人の人格として成立していないように見えます。それと、見た目もこの両親を足してアリエッティが生まれるとはとても思えない。魔女の宅急便やとなりのトトロのような納得の行く親子ではなかったです。(メイだけは異質だったかな?)
 あと、CMのときから思ってましたが男の口だけアップにして「怖がらないで~」は気持ち悪すぎる。

 ストーリーはなんか飛び飛びな感じでハァ?って感じだったかな?昔から人に見られないようにしていたはずなのに、初めて借りにでて人に見られて砂糖を返しに行ったり単独で会いに行ったりいきなりそんなにならないだろって感じ、そこに至るまでの心情の変化が飛びすぎてます。
 それに少年も、初めて会ってなにも分からない種族の相手にいきなり「滅び行く種族なんだよ。」とか言わないだろ…
 猫も、直前までアリエッティを食おうとしていたのになんでいきなり分かり合ってんだよって感じでした。
 家政婦は自分の主人である少年を閉じ込めたり、家主の女性に無断でねずみの駆除業者を呼んだり、「普通に家主と話をすれば済む話なのに、なんで自分の立場が危うくなるようなことまでやって小人を捕まえることに執着してんだよ。」という感じで正直精神異常者にしか見えませんでした。

 総合的に見て、非常に内容の薄い映画でしたね。ナウシカを見た後の感動や、ラピュタを見た後の喪失感、千と千尋を見た後の満足感と寂しさのようなものもありません。いかに宮崎駿さんの映画が多くの内容を詰め込んでいるのかが分かりますね。
 正直、今回のアリエッティはテレビのシリーズアニメの第一話の「追い出されたアリエッティの大冒険がこれからはじまるよ。」っていうストーリーのプロローグの30分位の内容程度を見せられた感じです。

 個人的にこの映画の気に入った部分ですが、カマドウマ、ゴキブリ、ダンゴムシという、一般的には忌み嫌われているような昆虫を親しみやすく登場させたことです。この監督さんは虫が大好きなんではないでしょうか?アリエッティの母親を捕まえた時もビンにラップを張って空気穴を開けるというやり方は子供の頃によく虫取りをやった人間の発想です。
 この人はファーブル昆虫記なんかをアニメシリーズでやったら良いもの作りそうな感じ。自然描写も美しいですし…
 ただ、角砂糖にたかってるアリを払ってたシーンですが、あのサイズではまずアリの力にはかなわないし、かまれたら骨折は免れないと思いますけどね…