every word is just a cliche

聴いた音とか観た映画についての雑文です。
全部決まりきった常套句。

Weird And Radical Parties

2009-11-26 | Party


今最も成功しているレーベルは?

留まることを知らない右肩下がりのパッケージ販売不振に個人で完結できるデータ配信の普及などによって、レーベル不要論まで飛び出す昨今に改めて上記の問いを問うとすれば、筆者はWARP Recordsの名を上げるだろう。

経済的な成功と音楽性。ふたつのバランスと"Weird and Radical project"というコンセプトを一貫として感じさせる確かなレーベル・ブランドがその理由だ。

WARPのロゴが入っているだけで、それがたとえ名も知らぬアーティストであろうとも一聴の価値があると思わせるのだ。

3年~5年という短い間であったり、アーティスト個人レーベルのような規模であれば他にもそういうレーベルの名を挙げられる。
しかし、20年近くの間ほんのワンシーズン前のタイトルでさえ傷みだすテクノシーンで、築地の職人並みの鋭い選定眼をもったDJたちを唸らしてきたのだ。

WARPがなければ、Aphex TwinもPrefuse 73もFlying Lotusも今のようなステージに立てていなかっただろう。

発掘し、その才能を伸ばすというレーベルが担うべき役割をまっとうに果たしているレーベル。それがWARPだ。


そのWARPの設立20周年のパーティが世界各地で催された。
ここ日本ではelectraglideの4年ぶりの開催という形で過日11月22日に幕張メッセで催された。


結論から言うと、今年最高のパーティにだったと思う。
AutecherやPlaid、Squarepusherといった看板どころではなく、あえてHudson MohwakesやFlying Lotus、Battles、!!!といったこれからのWARPを支えるであろう新世代を中心としたラインナップや当日の会場の仕切り(特にトイレの足りなさ)に非難の声が多いのも事実だ。






しかし、常に挑戦していくのがWARPの姿勢だし、事実パフォーマンスはどれも素晴らしかったので、ポストJ Dilla以降の新しいビートを切り開いていくような音とミニマル以降のバンド演奏によるダイナミズムなど、WARPの方向性を提示した今回のラインナップは大成功だったと思う。

LFOとAndy Wetherallは確かな仕事をしていたし(WetheallのDJ、最高!!!! あんだけ踊ったのは久しぶりだ)。

ただあまりにも明確なコンセプトが伺えるラインナップとタイムテーブルなので、人の動きが集中してしまった。

それが多くの非難が寄せられた会場環境の悪さにも繋がってくるのだろう。

飲食店の行列はオペレーションに関しては、手馴れていて導線も考えられていると思ったので、単純にお客さんが集中しただけだろう。

トイレは……確かに深刻な事態も招きかねない状況だった。
数が足りないといわれるけれど、フードコートの奥に仮設トイレなかった? そこに辿りつくまで、かなりの人ごみを掻き分けなくてはならなかったけれど。

因みにこれは男目線での意見。
女性はもっと大変だった思うのですが、今までこれを解決できてたのって初期Taico Clubだけで、それも解決できたのは"思っている以上にお客さんがこなかった"という主催者側としては一番避けたい理由だと見受けられるので、これは自衛しかないでしょうねぇ。



茶の湯の世界で卒意という言葉がある(…らしい、最近知った)。
自分なりの理解でこの考え方を紹介すると、田中フミヤの言うように「レコードがフロアに選ばれていく」のであれば、ロクでもないレコードが掛かったら、それはDJだけでなくフロア―つまりはひとりひとりのお客さんもそれを選んだ結果なのだ。
勿論、最終決定するのはDJだし、DJが読み取れてなかったと言う場合もある。
が、ライヴというのは空気感だから、そのライヴがよくなかったと感じたら、その空気を良くする努力は客側でも出来るのだ。




Twitterで不平をつぶやいていた人とメインステージの床で横になっていた人たちが同じ人たちだとは思わない。
けれど、床に横たわることで人の動きを阻害して全体の混雑を招いた……っていう発想もあっていい。


……イベント全体の総括的な内容になっちゃったなぁ。
それと読み返したら、BEATINCの人間の文とも読めなくない?
まぁ、あそことは色々あったけれど(詳細は秘密!)。

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