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人間がどうして魚を食べるのか考えた事がある。それについて2日間考え続けた結果、特に答は出なかった。人間には知っているようで知らないことが山ほどある。それでも僕らは知っているふりをする。つまり、あるいはそれが生きるという事なんだろうか、そしてそれが僕が2日間考え続けた答なのだろうか。
*
「ドゥー・アゲイン」ほど退屈で興奮に満ちた場所はない。僕はカウンターに座って瓶ビールを飲みながら本を読んだ。本だったらなんでも良かった。ヘミングウェー、ディケンズ、オースター、ディック・ブルーナ・・・。どの本にも独自の世界があり、文字があったりなかったりした。
*
その当時、僕は夏の間のいわゆる帰省というやつで地元に戻ってきていた。働きながら一人暮らしを長く続けていると、時にいろいろなものが恋しくなる。大学を出て就職した後、最初の数年は帰省などただの面倒な儀式のようなものだと思っていた。しかし最近はいつの間にか故郷の事を頻繁に思い出すようになり、思い出すたびに胸が引っ掻いた後に塩を塗りたくったみたいに痛んだ。そして故郷の事を思い出すときには、あの街で最後の友達であるカラスの事も頭に浮かんだ。いつ誰が彼をカラスと呼び出したのかは今となっては全く分からないし、カラスと呼び続けたので本名の方はすっかり忘れてしまっていた。それで今でも彼は「カラス」だ。
人間がどうして魚を食べるのか考えた事がある。それについて2日間考え続けた結果、特に答は出なかった。人間には知っているようで知らないことが山ほどある。それでも僕らは知っているふりをする。つまり、あるいはそれが生きるという事なんだろうか、そしてそれが僕が2日間考え続けた答なのだろうか。
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「ドゥー・アゲイン」ほど退屈で興奮に満ちた場所はない。僕はカウンターに座って瓶ビールを飲みながら本を読んだ。本だったらなんでも良かった。ヘミングウェー、ディケンズ、オースター、ディック・ブルーナ・・・。どの本にも独自の世界があり、文字があったりなかったりした。
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その当時、僕は夏の間のいわゆる帰省というやつで地元に戻ってきていた。働きながら一人暮らしを長く続けていると、時にいろいろなものが恋しくなる。大学を出て就職した後、最初の数年は帰省などただの面倒な儀式のようなものだと思っていた。しかし最近はいつの間にか故郷の事を頻繁に思い出すようになり、思い出すたびに胸が引っ掻いた後に塩を塗りたくったみたいに痛んだ。そして故郷の事を思い出すときには、あの街で最後の友達であるカラスの事も頭に浮かんだ。いつ誰が彼をカラスと呼び出したのかは今となっては全く分からないし、カラスと呼び続けたので本名の方はすっかり忘れてしまっていた。それで今でも彼は「カラス」だ。