民主党の目玉政策は子ども手当てであり、これが欲しくて投票した人も多い。何がなんでもやり通さなければ、次の参院選挙で勝ち目がないので、経済対策よりも子ども手当ての実施を優先させている。経済が持ち直しているのは、麻生政権が行ったエコポイントとエコ減税によるものが大きいのだから、皮肉なものである。民主党が最優先でやるべきことは、景気対策と雇用対策であって、マニフェストに掲げたことの実現はその後でもいいはずであり、子ども手当てをもらっても、父親が失業してしまっては子育てどころではないではないと思うのだが、そういった声は、民主党の中から出てこないのだろうか。
選挙中鳩山さんは、「財源はあるんです」と連呼していたが、経費節減ぐらいで何兆円もの金額を捻出することが出来ないことぐらい、おおかた予想がついていた(「明日は総選挙」の稿でも書いた)。それなのに国民は民主党を大勝させ、衆愚政治の王道を進んだのである。子ども手当ての完全実施が出来なかったとしても、ある程度の受忍義務は負わなければならないだろう。
今、民主党は、子ども手当てのために住民税の扶養控除の廃止や特定扶養控除の縮減などを言い出している。しかし、前者は選挙中ホームページやテレビで明確に否定したことであり、後者はマニフェストで否定していたことである。やらないと名言したことは絶対にやるべきではないし、そんなことをすれば、今後二度と政権は取れなくなり、何のために政権交代を実現させたのかわからなくなってしまう。
確かに、住民税の扶養控除の廃止をしたとしても配偶者控除の廃止を取りやめれば、増税額のつじつまは合うかもしれない。ならば、住民税の扶養控除の廃止は、配偶者控除廃止の取りやめ(先送りではなく取りやめの決定)が必須条件であり、国民にもきちんと説明する必要があるというものである。
実現可能な案を提案できないのに、反対することしか能のない党と連立したことにより、対米関係がぎくしゃくしている上、偽装献金問題で現内閣の雲行きが怪しい。総理の退陣を望む声もあるようだが、これ以上、日本の国際的地位の低下を招くような愚行は避けて欲しい。その意味では、この臨時国会で鳩山総理を追及しなかったことは正解だと思っている。
私は、必要悪というものを認めている。安っぽい正義感だけでは、政治的にも経済的にもアメリカやロシアという極悪な国家と渡り合ってはいけない。同じように考えている者たちも多いはずなのだが、表立って必要悪を口に出せばすぐに袋叩きに合ってしまう。政治、経済から学校、家庭に至るまで、必要悪のない世界などないはずなのに。