この時期になると井上陽水の少年時代が聴きたくなる。こんな暑い夏は早く終わったらいいと思いながらも、無意識の内に夏が終わりに向かう寂しさを感じ、同時に子どもの頃の夏の思い出が断片的に蘇ったりして、それが「少年時代」のあの何ともいえない哀愁漂うメロディを追い求めさせるのだろう。
人にはそれぞれ好きな歌や、特に好きというわけではないがその季節になると何となく聴きたくなる歌があると思う。私の場合は、夏が近づく頃には松田聖子の夏のジュエリーが、夏が終わりに向かうとこの少年時代が、秋が深まる頃には松任谷由実の木枯らしのダイアリーが等々、といった感じになっている。
季節ではないが、そのシーンによって聴きたくなる歌もあり、渋滞時には前にも書いた今井美樹の幸せになりたいが、夜の空港なら今井優子のエアポートが、昼の空港なら松田聖子の時間旅行が等々、とこちらもある程度決まってしまっている。
空港といえば、昔からベタなドラマなどは、最後に主人公がアメリカへ旅立って終わったりしているように、別れの場所というイメージもあり、それ故、空港に対して特に思い入れが強い人も多いせいか、先の2曲の他に、八神純子の夜間飛行や角松敏生のモノレールなど良い曲が多い。ちなみに私は、エアポート、時間旅行、夜間飛行の3曲を勝手に空港3名曲と呼び、若い頃、大事な場面でよく活用させてもらったものである(笑)。
ところで、「時間旅行」は、松田聖子の最も売れたアルバムSUPREME(松田聖子の中では私の一番好きなアルバムでもある)の中の曲であることから、結構万人受けしており、私と意見が一致するところなのであるが、「夏のジュエリー」があまり好まれていないのが私にはわからない。松田聖子自身もアルバムThe 9th Wave自体をあまり好んでいないのか、コンサートなどでもこのアルバムから選曲したがらないふしがある。私の中では、SUPREMEに入っている「螢の草原」や「雨のコニー・アイランド」などより、夏のジュエリーの方がよほど良いと思うのだが、歌詞が詩的表現に走り過ぎてわかりにくいから、あまり共感を得られないのだろうか。