「立禅を始めてから排気活動をするようになりました。ちと恥ずかしいです、う、ふふふ。 」
2006年02月26日 16:53 [mixi]
昨年の初め頃からよく「排気」が出るようになり、はっきりとした原因がわからなかったのですが、本屋で何気なしに手にした本には、回答のようなものが書かれていました。集中して行うようになった立禅と関係しているようです。
尚、「排気」は、体調がある状態で、意識を体のある部位に向けるとよく出ることがわかってきました。
笠尾恭二［著］ 太極拳 血戦譜 という本のＰ２７０よりそれは書かれていますので、一部抜粋させていただきます。
－
先生
まず、病気のもとはストレスであると、現代生理学のストレス説を解説しています。
五郎 ストレス説？
先生
たとえば、ストレスが加わると交感神経が過度に興奮し、副腎皮質ホルモンなどが過剰分泌を起こします。その結果、自律神経がバランスを崩し、いろいろな症状となって現れるのです。慢性病とはほとんど「長期にわたる外界、あるいは内在する刺激が生み出したストレス反応の結果」なのです。
五郎 太極拳を練ると、それがどうなるのですか。
先生
「太極拳の練功は迷走神経の興奮として現れる」と述べています。
五郎 えっ、興奮として現れる？
先生
これは生理学的に表現しただけです。神経が活動することを「興奮する」といいます。迷走神経は交感神経に対しては抑制的にはたらくのです。ある長期練習者の班で調査をしたところ、練功中つぎのような現象が会員中に出現したと、データをあげています。
五郎
ははあん、データ好きの先生はこれが見せたくて、それでこの推手の本をひっぱりだしたのですね。
先生
そう。あくまでも太極拳の養命性を説明するためで、いまさら推手の話をするためではありませんよ。データはつぎのとおりです。
唾液分泌の増加 ７５％
皮膚発熱 ９２％
出汗 ６８％
あくび ７５％
腸鳴あるいは排気増加 ７０％
五郎
先生、最後の「排気」とはうまい表現ですね。要するにオ・ナ・ラのことですね。
先生
そうです。端的にいえば、１０人中７人に腸が鳴ったり、排気が増加するという現象がみられたということです。
五郎 練功中、先生も排気活動しますか、う、ふふふ。
先生
私はね、朝、排気してから練習するのです、う、ふふふ。
五郎
でも、練習中に他の人の排気音をお聞きになったことはありませんか、う、ふふふ。
先生 ありません！
五郎
音はしなくとも匂ったことはありませんか、う、ふふふ。
先生 ない！
五郎
オトコとオンナの排気音はどうちがいますか、う、ふふふ。
バシーッ、バシバシバシ、バシーッ！！
五郎 つう（痛）、つつつつ、つぅーっ！！
－太極拳は副交感神経型の武術－
先生 ひとことだけいう。まじめにやんなさい。
五郎
す、すみません。うっかり調子に乗ってしまいました。それでは先生、排気の前の「腸鳴」についてまじめにお聞きしますが、そんなことがあるのですか。
先生
朝、起き抜けで練習すると、なんとなく不活発だったお腹が柔軟に動いていき、気分よくなっていくということは、いつもあることです。これについてはね、顧留馨（こりゅうけい）も『太極拳術』（上海教育出版社、１９８２年）のなかで、「多年にわたる練功後の体内感覚」として、熱感とか指が腫れるような感じ、あるいは「動作の伸縮旋転にともなって腹腔内の気流がぐぐぐと音を出す」と述べています。
五郎
えっ、陳家太極拳の達人顧留馨までがそういうことをいっているとは興味深いです。
先生
しかも、わざわざ「そばで見ている人が聞き取れるほどだ」と注記しています。
五郎 排気音並みだなあ、それは。
先生
顧留馨は、さらに一歩進むと「蟻が這っているようなかゆい感覚、手指の指腹から外に向かって無数の針が発射されるような体内感覚」さらには「会陰（えいん）、湧泉（ゆうせん）などの経穴と下腹に震動や衝撃を感じた。あるときなどまるで蛇が走り回ったかのように全身をめぐる気流を感じたことがある」とのことです。
五郎 ホントでしょうか。
先生
達人顧留馨は科学的な研究者でもあります。ご本人がそう感じたということはほんとうの話でしょう。
五郎
しかし、いつも腹がぐうぐう、針がしゅっしゅっとは、やたらに忙しい体内感覚ですね。
先生
いや、これらの体内感覚はいつも感じるというわけではなくて、そう感じたことがあると受け止めるべきです。あくまでも修行の過程で体験した体内感覚ですよ。顧留馨によれば、じつはこのあとの段階というのがあったのです。
五郎 なあんだ、それを先にいってくださいよ。
先生
「気血が流動するこれらの生理的現象は修練の継続と深化によってしだいに消えていった。ただし、その後の練拳は体内がゆるゆるとやわらぎ、そして『空鬆円活の趣（くうしょうえんかつのおもむき）』をいちだんと感じるようになった」とのことです。
五郎 なんですか、その『空鬆円活の趣』って。
先生
ゆるやかでのびのびとした、何物にもとらわれない自在の境地ということでしょう。
五郎 ぼくも体内感覚が生じるようになるでしょうか。
先生
無理に求めることはありませんよ。朝からお腹がやわらかければ、それだけからだか若いのですから。顧留馨も「修行の過程でどんな体内感覚が生じるかは人によって異なる。むやみに追求すべきものではなく、自然の結果に耳を傾けよ」と注意を付け加えています。
五郎 はい、わかりました。
－
以上の内容により、排気について単なる不調ではなく、反対に養命作用から来ているということが判明し納得しました。
これで、周りへの説明も誤解なくできるものと思います。
著者の方と顧留馨様、誠にありがとうございます。
多謝。多謝。
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