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時刻表使いになろう!

時刻表の読み方、使い方を教えます。読めると、案外楽しいですよ。

3 列車番号――列車につけられた名前

2008-10-30 17:01:27 | 時刻表の読み方
今回は、「列車番号」について説明します。

「列車番号」とは、簡単に言うと、一つひとつの列車につけられている
名前で、数字とアルファベットだけで表わされます。
この「列車番号」は、時刻表の各ページの最上段に書かれていることが
多く、よく見ないと通り過ぎてしまうようなものです。実際、列車に
乗るだけであれば、この列車番号を使うことはまずありません。

同じように、列車の名前を表すものとして「列車名」があります。
列車名の例としては、「のぞみ29号」や「かいじ101号」などがあり、
愛称と号数で表示されています。
こちらが、駅で実際に目にする列車の名前になります。

ところが、上に挙げた列車にも、列車番号はついています。
「のぞみ29号」の場合、その列車番号は1029Aです。
つまり「のぞみ29号」には、もう一つ、1029Aという別の名前がついて
いるのです。
それどころか、愛称のついていない普通列車にも、この列車番号が
ついています。列車名のない列車はあっても、列車番号のない列車は
ありません。

この列車番号は、鉄道会社側が列車を呼ぶ時に使うものなのです。
正確に言うと、一般には列車名で案内しますが、列車の運行状況など
内部的な情報を伝えるときには、必ず列車番号を使います。
例えば、上野駅で「8:42の山手線外回りが…」という言い方はせず、
「827Gが…」と列車番号でその列車を特定するのです。
運転士や乗務員などの持っている業務用の書類にも、この列車番号が
書かれています。

識別不可能な、名無しの列車を走らせるわけにはいきません。
列車番号は、鉄道会社にとってなくてはならないものなのです。

さて、ここからは列車番号の読み方について説明します。
列車番号は、識別を簡単にするために、ある一定の法則でつけられて
います。

基本的に、数字3~4字+アルファベット1字の形で表わされます。
ここでまず、大原則があります。
アルファベットの直前の数字で、上りか下りかを判断できます。

 一の位…偶数=上り 奇数=下り

次に、その一の位と、十の位については…

 00~19…特急専用
 20~99…普通列車が主に使う番号

になっています。特急列車の列車名で「51号」とかあったら、51も特急の
列車番号になりえますが、01や03などの番号が普通列車につくことは、
まずありません。

次に、百の位以上については、このようになっています。

 01-- ~ 09-- …普通列車(必ず0が消されて3ケタになります)
 10-- ~ 50-- …特急列車(定期列車)
 60-- ~ 70-- …季節列車(最近はこの言い方をしない)
 80-- ~ 90-- …臨時列車

最後に、アルファベットですが、この2つだけで十分です。

 M…電車
 D…気動車

ちなみに、JRでアルファベットのない列車番号を見たら、それは客車
(寝台列車のように、機関車を連結して走る)です。

このようにして、列車番号は作られているのです。
実際に、高崎線を走る2本の列車で確認してみましょう。

 3005M…上野12:00発・特急草津5号(30+19以下の数字+M)
 945M…上野18:08発・普通(09+20以上の数字+M)

ただし、この列車番号にはいくつかの例外があります。
例えば、東京周辺の山手線・中央線などの路線では、運転本数が多く
なってしまうため、このようなつけ方になっています。

 千の位・百の位=始発駅を出た時間(4~24)
 十の位・一の位=使っている車両(運用番号)
 アルファベット=所属電車区

その他、新幹線や各私鉄線など、先程書いた原則とは大きく異なった
列車番号がつけられています。

もちろん、日本中全ての列車に別々の列車番号が与えられるわけでは
ありません。例えば、945Mは高崎線のほかに、東海道線にもあります。
近接したところで同じ番号が使われることになりますが、同じ駅に同じ
列車番号が2本なければ、ちゃんと識別ができたことになります。

最後に。
この先、このブログで時刻表を説明するときに、列車番号で示すことも
ありますので、ご了承ください。


この記事は、白翼 天(くびき そら)がお送りしました。
毎週木曜日に更新しています。