時刻表の使い方について、丁寧に紹介してきた当ブログも、この稿を
もちまして最終回となります。
今回は、これまでに書いたことを踏まえ、1泊2日の温泉旅行を計画
してみることにしましょう。
まず、どこの温泉に行くか。そこから始めましょう。
今回は、首都圏からも比較的近い群馬県の水上温泉に行きます。
次に、その水上温泉に行くには、何線に乗ればよいのかを探します。
時刻表のカラーページ(最初の方にあります)に、日本全国をいくつか
区切った地図がありますので、関東周辺の地図を使いましょう。
すると、東京から斜め左方向に目をやると、温泉マークあるいは色で
囲まれて「水上温泉」と出てくるはずです。
すぐに、JRの水上駅も見えるはずです。
そこを走る路線は、上越線という路線です。
どうやら、東京方面からですと大宮や高崎を通って行くのが一番近い
ようです。
群馬県までは高崎線を使い、そこから上越線に乗り換えます。
上越線と高崎線のダイヤがどこに掲載されているかは地図にあります
ので、その指示されたページをページを見ましょう。
(以下、今日現在の平日ダイヤを使用します)
この上越線のダイヤは高崎線と同じページに掲載されています。本来
上越線の起点(上越線の始まる駅)は群馬県の高崎ですが、上野から
書かれています。
つまり、上野から水上まで全てのダイヤを見ることができます。
その高崎線・上越線のダイヤが始まるページの左側に、駅名と小数点
つきの数字が出てきます。この数字は「営業キロ」でした。
(なお、高崎線の営業キロが3.6から始まっていることも解説済です)
そして、駅名は上から「上野」「尾久」「赤羽」ときて、一番下が「水上」
になります。
では、行きはどの列車に乗ろうか考えます。
とりあえず、行きは普通列車を使ってのんびりと行きましょう。
ざっと時刻表を見ると、高崎から先の本数がやけに少ないことが見て
取れると思います。おそらく、1時間に1本でしょう。
そのようなときは、高崎で待ちぼうけを食わないために、しっかり接続
している列車を選ぶのがコツです。
また、今回は宿のチェックインの関係もありますから、あまりにも早い
列車に乗るわけにはいきません(遅すぎてもいけません)。
そこで、今回は877Mという列車を選びます。
上野を12:44に出る列車ですね。
ダイヤの始まる1行上には、丸数字で5とありますので、5番線からの
発車となります。不安な方は、カラーページに上野駅構内の案内図が
ありますので、5番線がどこにあるか確認してください。
この列車のダイヤを見ると、尾久の発車が12:49、赤羽発車が12:54、
大宮到着が13:09、などとなり、終点の高崎には14:29に到着します。
さて、接続する上越線ですが、高崎のところでそのまま右側に進むと、
14:39という水上行き列車があります。(739Mです)
この列車で行くと、水上には15:42に到着します。
あと、せっかくなので上野駅でお昼ご飯を買って、高崎行きの車内で
食べることにしましょう。
上野駅には「弁」のマークがありますので、駅弁があります。
高崎線・上越線のダイヤの下側を見ると、上野駅内で販売されている
駅弁の種類や値段を見ることができます。
さて、水上に15:42に到着します。
水上温泉では、どこの宿に泊まりましょう?
そういう時には、時刻表の終わりにJRの協定旅館の案内があります
ので、値段や宿の特長などを見ながら、どの宿がよいか決めます。
もちろん、宿を決めたら予約することを忘れずに。
続いて、帰りの列車を調べてみましょう。
行きは普通列車の乗り継ぎで行きましたので、帰りは特急で帰ろうと
思います。
すると、チェックアウトの時間にちょうどいい頃に、特急「水上2号」が
あります。
マークを見ましょう。「全」と書かれていないイスとグリーン車の2つが
あるので、この特急は自由席・指定席・グリーン車が連結されます。
ここは、自由席に乗ることにしましょう。
さて、特急「水上2号」の水上発は11:02です。
この特急は、次の上牧は「レ」とあるので通過し、後閑・沼田・渋川の
順に停車します。そして、新前橋の到着は11:46となります。
この新前橋の発車時刻は、その列にありません。
その代わり、隣の列に向かって矢印がついていることが分かります。
これは、その新前橋駅で2つの列車を1つの列車に連結する、という
ことでした。
つまり、隣の列にある特急「草津2号」を連結して、新前橋駅を12:01に
発車します。
後は、ダイヤを見れば停車駅や時刻が分かると思います。
終点の上野には13:27、16番線に到着します。
さて、これで終わりではありません。
乗る列車が決まったら、運賃や料金を調べなくてはいけません。
ここでは、時刻表の巻末、JRの営業案内が役立ちます。
まず、運賃の計算をしましょう。なお、すぐ下に書いてある、時刻表の
特急料金案内からも運賃を調べることはできますが、ここではあくまで
営業キロから運賃を調べる方法を取ります。
水上駅の営業キロは、東京駅から164.1kmです。
従って、上野駅の営業キロが東京から3.6kmとあるので、160.5kmです。
単純に考えれば、この営業キロから運賃を考えればよいはずです。
ところが、運賃計算には特例があると以前に書きました。
実は、ここもそのうちの一つに該当します。
東京山手線内の駅から101km~200kmの区間は、どの駅から乗っても
東京駅からの営業キロで計算することになっています。
従って、この場合使うべき営業キロは160.5ではなく、164.1です。
なお、いずれにしても使うべき運賃は、161km~180kmの2,940円です。
一方、特急料金は特急料金の表を使います。
ただし、今回は上野・赤羽…と反対方向に表が書いてあり、この場合は、
上野から水上までの特急料金をもって、水上から上野までの特急料金に
なります。
つまり、発駅を上野、着駅を水上とします。
すると、両軸の交わるところには、こう書かれているはずです。
2,940
2,190
上段の2,940は、先程求めた上野~水上間の運賃です。
下が特急料金で、これは通常期の指定席料金でした。
今回のように自由席に乗る場合、そこから510円引くことになります。
従って、行き・帰りの運賃は、それぞれこのようになります。
行き…運賃=2,940円
帰り…運賃=2,940円 料金=1,680円 (←2,190-510)
合計は7,560円となります。
もちろん、この他に弁当代や宿泊費などを持っていくことになります。
この他に、特急が籠原で普通列車を抜かすことや、「水上」号の自由席が
上野寄りにあることなど、この旅行をする上で、1冊の時刻表から分かる
情報はまだまだありますが、一つの旅行のプランがまとまったところで、
とりあえず終わりとします。
さて、これで時刻表の読み方の基礎は、全て説明しました。
書かれていることの大半が数字という、分厚い雑誌「時刻表」。
読み方さえ分かれば、その中にいろいろな情報を載ってあることが分かる
ことでしょう。
季節的に、新しいダイヤの載った時刻表が出ている頃です。
ぜひ皆さんも、時刻表という書物を読みこなしてはいかがでしょうか。
この記事は、白翼 天(くびき そら)がお送りしました。
半年にわたり、どうもありがとうございました。
*このブログの記事は4月に全消去しようと思います。
(しばらく更新予定はありませんが、そのまま保存します。 09.4.1)
もちまして最終回となります。
今回は、これまでに書いたことを踏まえ、1泊2日の温泉旅行を計画
してみることにしましょう。
まず、どこの温泉に行くか。そこから始めましょう。
今回は、首都圏からも比較的近い群馬県の水上温泉に行きます。
次に、その水上温泉に行くには、何線に乗ればよいのかを探します。
時刻表のカラーページ(最初の方にあります)に、日本全国をいくつか
区切った地図がありますので、関東周辺の地図を使いましょう。
すると、東京から斜め左方向に目をやると、温泉マークあるいは色で
囲まれて「水上温泉」と出てくるはずです。
すぐに、JRの水上駅も見えるはずです。
そこを走る路線は、上越線という路線です。
どうやら、東京方面からですと大宮や高崎を通って行くのが一番近い
ようです。
群馬県までは高崎線を使い、そこから上越線に乗り換えます。
上越線と高崎線のダイヤがどこに掲載されているかは地図にあります
ので、その指示されたページをページを見ましょう。
(以下、今日現在の平日ダイヤを使用します)
この上越線のダイヤは高崎線と同じページに掲載されています。本来
上越線の起点(上越線の始まる駅)は群馬県の高崎ですが、上野から
書かれています。
つまり、上野から水上まで全てのダイヤを見ることができます。
その高崎線・上越線のダイヤが始まるページの左側に、駅名と小数点
つきの数字が出てきます。この数字は「営業キロ」でした。
(なお、高崎線の営業キロが3.6から始まっていることも解説済です)
そして、駅名は上から「上野」「尾久」「赤羽」ときて、一番下が「水上」
になります。
では、行きはどの列車に乗ろうか考えます。
とりあえず、行きは普通列車を使ってのんびりと行きましょう。
ざっと時刻表を見ると、高崎から先の本数がやけに少ないことが見て
取れると思います。おそらく、1時間に1本でしょう。
そのようなときは、高崎で待ちぼうけを食わないために、しっかり接続
している列車を選ぶのがコツです。
また、今回は宿のチェックインの関係もありますから、あまりにも早い
列車に乗るわけにはいきません(遅すぎてもいけません)。
そこで、今回は877Mという列車を選びます。
上野を12:44に出る列車ですね。
ダイヤの始まる1行上には、丸数字で5とありますので、5番線からの
発車となります。不安な方は、カラーページに上野駅構内の案内図が
ありますので、5番線がどこにあるか確認してください。
この列車のダイヤを見ると、尾久の発車が12:49、赤羽発車が12:54、
大宮到着が13:09、などとなり、終点の高崎には14:29に到着します。
さて、接続する上越線ですが、高崎のところでそのまま右側に進むと、
14:39という水上行き列車があります。(739Mです)
この列車で行くと、水上には15:42に到着します。
あと、せっかくなので上野駅でお昼ご飯を買って、高崎行きの車内で
食べることにしましょう。
上野駅には「弁」のマークがありますので、駅弁があります。
高崎線・上越線のダイヤの下側を見ると、上野駅内で販売されている
駅弁の種類や値段を見ることができます。
さて、水上に15:42に到着します。
水上温泉では、どこの宿に泊まりましょう?
そういう時には、時刻表の終わりにJRの協定旅館の案内があります
ので、値段や宿の特長などを見ながら、どの宿がよいか決めます。
もちろん、宿を決めたら予約することを忘れずに。
続いて、帰りの列車を調べてみましょう。
行きは普通列車の乗り継ぎで行きましたので、帰りは特急で帰ろうと
思います。
すると、チェックアウトの時間にちょうどいい頃に、特急「水上2号」が
あります。
マークを見ましょう。「全」と書かれていないイスとグリーン車の2つが
あるので、この特急は自由席・指定席・グリーン車が連結されます。
ここは、自由席に乗ることにしましょう。
さて、特急「水上2号」の水上発は11:02です。
この特急は、次の上牧は「レ」とあるので通過し、後閑・沼田・渋川の
順に停車します。そして、新前橋の到着は11:46となります。
この新前橋の発車時刻は、その列にありません。
その代わり、隣の列に向かって矢印がついていることが分かります。
これは、その新前橋駅で2つの列車を1つの列車に連結する、という
ことでした。
つまり、隣の列にある特急「草津2号」を連結して、新前橋駅を12:01に
発車します。
後は、ダイヤを見れば停車駅や時刻が分かると思います。
終点の上野には13:27、16番線に到着します。
さて、これで終わりではありません。
乗る列車が決まったら、運賃や料金を調べなくてはいけません。
ここでは、時刻表の巻末、JRの営業案内が役立ちます。
まず、運賃の計算をしましょう。なお、すぐ下に書いてある、時刻表の
特急料金案内からも運賃を調べることはできますが、ここではあくまで
営業キロから運賃を調べる方法を取ります。
水上駅の営業キロは、東京駅から164.1kmです。
従って、上野駅の営業キロが東京から3.6kmとあるので、160.5kmです。
単純に考えれば、この営業キロから運賃を考えればよいはずです。
ところが、運賃計算には特例があると以前に書きました。
実は、ここもそのうちの一つに該当します。
東京山手線内の駅から101km~200kmの区間は、どの駅から乗っても
東京駅からの営業キロで計算することになっています。
従って、この場合使うべき営業キロは160.5ではなく、164.1です。
なお、いずれにしても使うべき運賃は、161km~180kmの2,940円です。
一方、特急料金は特急料金の表を使います。
ただし、今回は上野・赤羽…と反対方向に表が書いてあり、この場合は、
上野から水上までの特急料金をもって、水上から上野までの特急料金に
なります。
つまり、発駅を上野、着駅を水上とします。
すると、両軸の交わるところには、こう書かれているはずです。
2,940
2,190
上段の2,940は、先程求めた上野~水上間の運賃です。
下が特急料金で、これは通常期の指定席料金でした。
今回のように自由席に乗る場合、そこから510円引くことになります。
従って、行き・帰りの運賃は、それぞれこのようになります。
行き…運賃=2,940円
帰り…運賃=2,940円 料金=1,680円 (←2,190-510)
合計は7,560円となります。
もちろん、この他に弁当代や宿泊費などを持っていくことになります。
この他に、特急が籠原で普通列車を抜かすことや、「水上」号の自由席が
上野寄りにあることなど、この旅行をする上で、1冊の時刻表から分かる
情報はまだまだありますが、一つの旅行のプランがまとまったところで、
とりあえず終わりとします。
さて、これで時刻表の読み方の基礎は、全て説明しました。
書かれていることの大半が数字という、分厚い雑誌「時刻表」。
読み方さえ分かれば、その中にいろいろな情報を載ってあることが分かる
ことでしょう。
季節的に、新しいダイヤの載った時刻表が出ている頃です。
ぜひ皆さんも、時刻表という書物を読みこなしてはいかがでしょうか。
この記事は、白翼 天(くびき そら)がお送りしました。
半年にわたり、どうもありがとうございました。
(しばらく更新予定はありませんが、そのまま保存します。 09.4.1)