6月28日より毎日新聞にて始まった小塚選手のコラム第4回です。
第1回は→こちら
第2回は→こちら
第3回は→こちら
アスリート交差点:氷の炎=フィギュアスケート・小塚崇彦
毎日新聞 2013年11月01日 東京朝刊

(カットは直筆)
◇冷静に、強い思いで挑む
今季のグランプリ(GP)シリーズ初戦、スケートアメリカは6位と不本意な結果に終わり、各種目の上位6人・組が進出するGPファイナル(福岡)に出場することは、ほぼなくなった。悔しいが、成ることは成る、成らないことは成らない。そこは割り切って前に進んでいくしかない。バンクーバー五輪を控えた4年前のシーズンは体が動いていなくて、どうしようという気持ちだった。だが、今は体が動いている。土台はあるのだから、あとは練習で細かな感覚を微調整することに力を注ぎたい。とにかく氷の上で練習だ。
今回、特に悪かったフリーの演技を振り返ってみると、ジャンプの軸が安定せず、全部コントロール外にいってしまった。冒頭に予定していた4回転トーループの基礎点は10・30点。それがすっぽ抜けて2回転になってしまい、要素点で10点近く出遅れた。後半の3回転ルッツ−3回転トーループも、あんなに回転不足で下りてきたら、点数なんてないようなものだ。そういったところでジャンプの基礎点を逃してしまったので、敗因は明確だ。ジャンプの軸が外れると、そのたびに引き戻す力が必要となり、余分に体力を消耗する。だがそれでも、今回は後半から力尽きてバラバラになることもなく、なんとか最後までジャンプを着氷することができたのは唯一の救いだろう。
もう1歩、2歩、いや私の場合は2歩と言ったら1歩になってしまいがちなので、もう2歩、3歩前に進みたい。自分を信じ、練習で着実に前進できれば、五輪行きが懸かる決戦の舞台、全日本選手権で今まで経験してきたことを最大限に発揮できると思う。元来、周囲のことをあまり気にせず演技に集中してきたタイプだが、もっとも、五輪シーズンでこれだけ周囲に言われ続ければ、他人を意識していないというのはウソになる。だが、感情的になってしまえば、そこで負けだ。冷静に、それでいて強い気持ちを持って五輪に挑み続けたい。高い温度でしんしんと燃える青い炎。そう、このコラムのタイトル「氷の炎」のように。
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アスリート交差点:氷の炎=フィギュアスケート・小塚崇彦
毎日新聞 2013年11月01日 東京朝刊

(カットは直筆)
◇冷静に、強い思いで挑む
今季のグランプリ(GP)シリーズ初戦、スケートアメリカは6位と不本意な結果に終わり、各種目の上位6人・組が進出するGPファイナル(福岡)に出場することは、ほぼなくなった。悔しいが、成ることは成る、成らないことは成らない。そこは割り切って前に進んでいくしかない。バンクーバー五輪を控えた4年前のシーズンは体が動いていなくて、どうしようという気持ちだった。だが、今は体が動いている。土台はあるのだから、あとは練習で細かな感覚を微調整することに力を注ぎたい。とにかく氷の上で練習だ。
今回、特に悪かったフリーの演技を振り返ってみると、ジャンプの軸が安定せず、全部コントロール外にいってしまった。冒頭に予定していた4回転トーループの基礎点は10・30点。それがすっぽ抜けて2回転になってしまい、要素点で10点近く出遅れた。後半の3回転ルッツ−3回転トーループも、あんなに回転不足で下りてきたら、点数なんてないようなものだ。そういったところでジャンプの基礎点を逃してしまったので、敗因は明確だ。ジャンプの軸が外れると、そのたびに引き戻す力が必要となり、余分に体力を消耗する。だがそれでも、今回は後半から力尽きてバラバラになることもなく、なんとか最後までジャンプを着氷することができたのは唯一の救いだろう。
もう1歩、2歩、いや私の場合は2歩と言ったら1歩になってしまいがちなので、もう2歩、3歩前に進みたい。自分を信じ、練習で着実に前進できれば、五輪行きが懸かる決戦の舞台、全日本選手権で今まで経験してきたことを最大限に発揮できると思う。元来、周囲のことをあまり気にせず演技に集中してきたタイプだが、もっとも、五輪シーズンでこれだけ周囲に言われ続ければ、他人を意識していないというのはウソになる。だが、感情的になってしまえば、そこで負けだ。冷静に、それでいて強い気持ちを持って五輪に挑み続けたい。高い温度でしんしんと燃える青い炎。そう、このコラムのタイトル「氷の炎」のように。
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