今治 あれや、これ

気の向くままに・・・

奪われた日常

2005-04-19 13:22:17 | Weblog
[愛媛新聞」 地 軸 2005.04.19(火)より
「お母さんは出産でお母さんになる。じゃあお父さんは? そんな疑問から話が進むのは、今治出身の絵本作家・長野ヒデ子さんの「おとうさんがおとうさんになった日」(童心社)だ 三番目の子の誕生を、今か今かと待つ場面。思い浮かべる答えの一つが初めての入浴だ。「もみじみたいな ちいさなてで、しっかりと しがみついてきたんだ…まもってやらなくちゃ、とおもったよ」。父親はこう語り、「おとうさんになった日って、なんだかふしぎなちからがわいてくるんだ」とかみしめる世の父親にはうなずきたくなる描写だろう。首がすわり、湯船のなかで話しかければニーッと笑顔を返してくれるようになって…。おなかを痛めることも授乳することもない分、入浴は絆(きずな)を実感できるかけがえのない時間だ。 きのう開かれた奈良市の女児誘拐殺人事件の初公判。検察の調書を通じ、女児の父親も「お風呂に入るのが長女と触れ合い、成長を確かめる大切な時間だった」と述べた。被告はまさにその風呂で女児の命を奪い、大切な時間も無残に断ち切った そんな被害者や遺族をどこまで踏みにじるのか。供述調書で被告は「望むことをやれたので満足している」と理不尽な言い分を並べ「更生の自信はない」と言い切った。性犯罪者の再犯防止に右往左往する社会をあざ笑うかのように 事件は子どもたちの日常をむしばんだ。身近な安全を脅かすのをこれ以上許してはいけない。社会は犯罪者の心の奥底にある澱(よど)みに迫らねばならない。」 新聞のコラムに目が留まったので私の反省のうえにこの文を借用しました。