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ここにおまえは棲んでいたのだ、そして快楽のたくらみを練っていたのだ、
むこうの山の永遠に美しい崖の下に。
しかし今ではだれかに祝福してさえもらえぬもののように、
おまえの夢のような棲家は、おまえとおなじほどに寂しい!
ここには大きな雑草が、寂れたホールへの道をふさぎ、
大きく放たれたままの入り口へさえ行けない。
この世ではなんと虚しく快楽が降り注ぐことか、という
新たな思いが胸に湧き立つ。
この世の喜びは「時」の激しい渦のなかでやがて微塵に消えてしまう。
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原典+注です~
XXIII.
Here didst thou dwell, here schemes of pleasure plan.
Beneath yon mountain’s ever beauteous brow;
But now, as if a thing unblest by man,
Thy fairy dwelling is as lone as thou!
Here giant weeds a passage scarce allow
To halls deserted, portals gaping wide;
Fresh lessons to the thinking bosom, how
Vain are the pleasaunces on earth supplied;
Swept into wrecks anon by Time’s ungentle tide.
brow:がけっぷち.
ever:いつまでも, いつも変わらず;永久に
scheme:((しばしば~s))(…しようという)陰謀, たくらみ((to do))
unblest:神の恵みを受けない, 祝福されない./のろわれた;不幸な, みじめな
passage:道路;水路;通路
portal:((通例~s))((文))(宮殿などの堂々とした)表玄関, 入り口, 正門.
pleasaunces:[U][C](世俗的な)快楽, 道楽, 娯楽, (肉体的)快楽, 放縦
anon:((古))やがて, ほどなく;((文))そのうちまた.