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幼稚絵NJU

幼稚絵NJU(MONJU NO CHEST) ブログ

2022年の考えまとめ

2022-12-31 10:54:11 | 日記
エルピス

初恋の悪魔

風よあらしよ




このドラマが今年では秀逸作だったような気がする。

思えばエルピスの主人公浅川は、疑問を持ちながら何も出来ずにいた。
そしてパンドラの箱をあけてしまったときに…様々な物を見たが。
浅川自身はパンドラの箱の中とは関係の無い、いちキャスターである。


そして最後には権力側の人間と取引をして、一応自分は良いことをしたと自分を納得させ
これからも人気キャスターとして生きていく。
善玉が好きだが悪玉も無いと生きていけないキャスターだ。斎藤がコントロール可能であれば、浅川がイキっても大丈夫だ。
もしかしたら浅川が斎藤を利用してキャスターの位置に居続けるのかもしれない。
とにかく双方でこれからも監視しあうのかもしれない。

拓郎達は、本当だったら消える人間なのだが生かされている。あの二人だと力としたら弱いからだろうか?


ちなみに脚本家渡辺あやさんがエルピスについて語った言葉で心に残った
ところをここでも貼ります。渡辺あやさんのインタビューが全部読みたい方は
検索して読んで下さいね。








生きづらい世の中だなと思いながら生きていた

「初恋の悪魔」の主人公鹿浜鈴之助は、しかし犯罪者に興味を持ち
それによって自分の生きる目標を形作っていた。
現在怪しいのは家の隣の男。その男は様々な女を家に招き入れる。どうにも怪しいと思いながら鈴之助は毎日ストーカーのように隣を見張っていた。一応警察官である。

「マーヤーのヴェールを剥ぎ取るんだ」
というかけ言葉で真実に近づこうとする。
✽マーヤーのヴェールとは、ショーペンハウアー著の「意志と表層としての世界」より。
思い込みや常識、願望によるまぼろし
のようなものらしい。
そういえば、こっちにも冤罪問題があった。
そして恋愛もあったが、それは恋愛以上の重要な出来事だった。

※「はぎとれ」じゃ無く、正確には「剥ぎ取るんだ」だったので直しました。
何回も説明している感じになるが、自分の脳内にある「マーヤーのヴェ―ル」
なので、そこをお間違い無いように。








風よあらしよ

これは、地上波でやったほうが良いのでは無いかという良作だった。キャストも皆主役クラスである。
この時代にこのドラマをやるというのも意味があった。だが、このドラマはエルピスと違いあまり希望が無い。
史実通りに主人公は終焉を迎えた。
伊藤野枝は、婦人解放運動家である。
平塚らいてうも同じで、彼女らは当時誰も言えなかった女性の尊重を守れという事を言い続けた。
フェミニズムの走りなのだが、男達からの非難は相当凄まじいもので怒号があがった。
だが大杉は尊重した。
しかし実際には伊藤野枝はあまりにも自由すぎて平塚らいてうから呆れられてしまったらしい。
大杉もだが、このふたりは主義者として華やかだし目立った。
このドラマでは駆け足気味にふたりの物語が進む。
そして最も重要なシーンは大杉と伊藤野枝が虐殺される直前に叫ぶ言葉である。結構長い時間を割いているように思った。
観た人にしか分からないが。


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ところで私はこの二人ともうひとり辻潤の存在を映画で知っており、特に辻潤に今回興味を持ち書籍まで買ってしまった。
そうしたら思っていたより面白い人間だった。
 戦争前に翻訳者として何冊か洋書を翻訳していた。
そして教師になり伊藤野枝をみつける。
彼は宮沢賢治も見つけるし、世の中に埋もれそうな才能を見つけ出す才能を持っていた。
さらに酒が好きで酒浸り。
数々の新聞の論説も書く(戦前にフランスに行って特派員にもなっている)
あと、ドラマでも映画でも悲劇の人としてしか出てこないが、女好きで女からも惚れられていた。
なので伊藤野枝から去られても文学少女だったような女性とずっと暮らしていたりしていた。
知れば知るほどあの時代に
なんてジタバタとしながら自由に生きていたんだろうと感動しました。
辻潤は発狂した
とウィキペディアでは書かれているけれど
「発狂?発狂のふりしていなんじゃないの?」
と友人に言われるほど破茶滅茶な人生を送っていた。
(同居していた女性は、「ふりじゃなくて辻潤はお酒の呑みすぎで頭が本当に変になったんです。酒ってキ□ガイ水ですから」と云っていた。
ふりというのは、現代語に訳しています。)
官憲から時々おかしいやつとして足を止められるが
「降参党ですよ〜」
と言うと
「なんだこいつ酔っ払いかよ」
という感じで最後まで逮捕拘留はされなかったようである。
 神近市子の記述から
伊藤野枝がいなくなって……
ほとんど下着姿で辻潤は市子(市子は刑期が終わり刑務所から出て所帯を持った)の家に
「酒をくれ」
と言いに行き
市子の家の子ども達にかこまれ
「おかしいおじさんが来た!」
と囃し立てられた事もあった。
その時は病気になっていない頃の辻潤です。
市子は子ども達を叱り
「辻さん可哀想に」
と涙ぐみ酒とつまみをあげたそうです。
しかし彼の書いた文筆の内容の数々は鋭い。
おかしいのは
「結婚は愚かな事だ!」
と言いきるところで…
経験でというのもあるだろうが、世の中にある結婚済みの男女の事も云っていたらしい。
大杉のように、貧乏な大衆を助ける気持ちは無かったのだろう。
何もかもをも文章で斬りまくっていた。

しかし。

そのふざけすぎた態度のせいか、真面目な主義者からも遠巻きにされ…時には酔って突然長丁場泊まるので迷惑がって友達達からも徐々に嫌厭された。
だが数少ない知り合いは、彼を愛していた。
彼独自の哲学に感心する者もいた。


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そういう事を知り、今年は収穫の年だったなぁと思った……

誰か辻潤をこそ、今度主人公にして下さい。

追記

私が選んだ物は
大きな力、周りのものによって自分の生き方が変えられそうになった時
アイデンティティが危ない時、人はどういう態度をとり
どういう考えをするかを提示してくれたドラマだった。
「初恋の悪魔」の鈴之助は、大多数と違うという事でどう生きるか心の奥で悩んでいた。
ちなみに辻潤もショーペンハウアーが大好きです。
ドラマそして書物で心が救われる事もあります。
辻潤はWikipediaだけだと不幸な人間なのですが、彼が断筆の時まさに戦争中だった。
何も異議申し立てを言ってはいけない。そして男達は赤紙がくると近所の人々から
「よしお国のためにがんばってこい(立派に死んで来い)」
とはっぱをかけられる。そんな時代に彼は漂流の旅に出た。
何もかもを否定した辻潤は、そうして生きた。
死に際のみを切り取られると可哀そうなのだが、彼は彼なりに闘い
亡くなったのでその人生は豊だったと思いました。

※別のサイトの自分の記事から添付しました。画像等はペースト出来なかったので、
何かごめんなさい。
皆さん、それぞれの良い年をお迎え下さい。


4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (sakurako62)
2022-12-31 11:25:35
おはよう☀️😃❗ございます🙇

今年ありがとうございます🙇

来年も素敵な楽しい😆💕✨1年になりますように〰️☺️(⌒‐⌒)

良いお年をお迎え下さいね〰️☺️🌸

      🌸さこ
返信する
さこさんへ (幼稚絵NJU)
2022-12-31 11:40:45
さこさん、コメントありがとうございます🙇‍♀️

gooブログでお世話になりました🤗

さこさんにとっても素敵な年になると良いですね。
一番は平穏無事な日々です。

来年も宜しくお願い致します。
良いお年を♪(´▽`)
返信する
今年を振り返る、、 (kiyasume)
2022-12-31 16:57:54
そうですね、、
私は幼稚絵NJUさんから、、
「花よあらしよ」
を教えられて、観た事が、、、

一番の収穫でしたよ・・・・・。
私も野枝の、最後の言葉が、、
心に残って居ます。

あの時代に女性解放運動をする事は、、
可也困難な事であったと思います。

大杉栄と共に伊藤野枝が信奉したアナキズム
とは、他人の支配を受けない、受けなくても
やって行けると言う思想なんだろう。

権力階級の資力や支配がどれほど大きくとも、
人間の生きる権利を奪う事は出来ない。
助け合って生きて行く。困った時はお互い様。

相互扶助の輪を拡げて行くと行政は要らなくなる。
要するにアナキズムとは、自助と共助の思想なの
だろうか?。公助をあてにしない、だから無政府主義者と呼ばれるのだろうか?と思いました、、

少し立場は違いますが、、
ジョン・レノンとオノ・ヨーコも似た様な、、
カップルでしたね・・・・・・・。

また最近出てきたweb3の思想などに通ずるもの
を感じます。。。

今度は辻潤に付いてのドラマが見たいです、、

来年も宜しくお願い致します.....。
返信する
Kiyasumeさんへ (幼稚絵NJU)
2022-12-31 18:26:06
こんばんはkiyasumeさん
コメントありがとうございます😊
確かにあのドラマの脚本家は、そう言いたかったのだと思います。

しかしその後
戦争に突入して隣組制度が出来、
確かに助け合いはありましたけれど
監視しあうという目的も含まれ、大衆のやる助け合いの中にも、力関係による様々な思惑が働いて完全に公平、幸福なものなんて望めないと私は思います。

大杉のやろうとしているアナーキズムは、国境をなくす事なので、確かにジョン・レノンの「イマジン」と同じですね。政府からはレッドパージされるでしょう。

野枝の事を辻潤は、後々まで「あの野生児を愛していた」という事を言っています。
野枝はカリスマ性のある大杉栄に会ってしまって
ノックアウト的に好きになってしまったのでしょう。本能的に。
しかし大杉栄と出会わず、辻潤と最後までずっといれば
お互いに苦労はしても幸せに生き続けたのかもしれない
と考える私がいます。
ふたりで漂流しながら本を読み、世の中を観察する
貴重な表現者としての人生
であっても良かったのではないかと…思います…

世の中の流れを個人が変えるなんて事は途方もない難しい事で、夢です。
それを感じていた辻潤は自分の内面の飛翔を考えました。
私はそんな辻潤にシンパシーを感じました。

kiyasumeさん、今年はgooブログでお世話になりました。来年もよろしくお願いします。
♪(´▽`)
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