
映画を観終わってから、子供たち(自分の)が小さかった時の無邪気な様子を思い出している自分がいます。
3歳までの子供、自我ができていない、満面の笑顔の無垢な写真。
大きくなった今とは全く違う生き物だ。。
そして、大人になった時、その頃の記憶はないのである。
私は、輪廻転生を信じてはいないけど、全く否定する根拠もないかも。
そんなことが頭の中をぐるぐる回っているのである。
娘を亡くした容子の行動、私はとても理解できる。
自分にも責任があると思える娘の交通事故死、普通の精神状態でいられる方が、
異常だ。娘が無になってほしくない。
娘を亡くした夫信樹の言動、こちらは素晴らしい。寛容で温かく、判断が正しい。
こんなだんなさんがいるだろうか?逆にこちらは現実にはいないと思う。
吾郎ちゃんは普通のだんなさんを演じたと言ってたけど、本当は信樹さんは究極のだんなさんだ。
犬のジローも重要な役どころ。突然いなくなって、犬までいなくなったらどれほど寂しいだろう
と思ってたがちゃんと理由がありました。ジローがもう一度現れた時は、返してあげてと思った私です。
加奈子の生まれ変わりの子供と容子、信樹の3人で砂浜に円を画きながら戯れるシーンが
一番好きです。ポケットから出てきた桜の花びらが舞うところが一番いいですね。
この幸せな時間があったからこそ、夫婦は常識的な判断ができ、再生できたと思う。
”もう、車にひかれないよ”という言葉にどれほど安堵したことでしょう。
映画のインタビューを読んだりすると、吾郎ちゃんと広末涼子さんはわりと似た境遇で俳優業を
やってきたのかなと思う。踊る大捜査線歳末スペシャルの共演時から・・
アイドルというレッテルをはられてたけど、気がついたら、いい俳優さんになったんだなあ。
と今回は多くの人が思ってくれたようです。
私も吾郎ちゃんの演技に大満足です。普通の人といいながら美しいですしね。
カメラアングルでは、なぜだか、芸能人格付け番組を思い出してしまった私。どちらがプロの監督が
撮ったのかというやつ、俯瞰で撮ったり、カメラがゆれてたり、この監督さんだと結構難しい問題
になるかもなんてね。私にはよくわからないけど、少し落ち着いてほしい気はした。
音楽も現代のベートーベンといわれてる人の作品、音楽が先にできていたとか、NHKの特集を見てたので
あんな苦しみの中からでてきた音楽だと思うとそらおそろしい気がする。でも映画を観ている間はそんな
ことは思わなかった。映画に溶け込んだり、アクセントになったりしていたと思う。
最後の最後に世にも奇妙な物語的になってしまうのだがこれに関してはどうだろうと思う。
映画の最初の頃ちらっと疑問に思ったことが解決はされるのだが、もうそんなことはすっかり
頭になかったところに突然はいりこんでくるので違和感はありあり、しかし映画というのはこういう
ひっかりがないと忘れ去られてしまうのかもと思う。