【陸上】早稲田の駅伝主将・山口智規が関東インカレ1万mで「最低限」の3位も「気持ちを見せることはできた」
◇第104回関東学生陸上競技対校選手権大会(8日、相模原ギオンスタジアム)
関東地区の大学生ナンバーワンを決める関東学生陸上競技対校選手権大会、通称、関東インカレが、5月8日から11日まで4日間に渡って開催。1日目に行われた男子1部10000mは、山梨学院大学のジェームス・ムトゥク選手(4年)が優勝しました。2位に城西大学のヴィクター・キムタイ選手(4年)、日本選手トップの3位には早稲田大学の山口智規選手(4年)が入りました。
スタート直後から積極的にレースを進めたのが山口選手でした。
「調子が良かったのでスローペースになるのはもったいない、ハイペースになったらいいなと思ったんですけど、最初の100mで誰も出ないのを察したので、腹をくくって"行ってやれ"と思って、行きました」
先頭に立ってペースを上げると、600mからは単独で飛び出し入りの1000mを2分42秒とハイペースで通過しました。1700m過ぎにムトゥク選手に先頭を譲ったものの、序盤から先頭集団がバラついてレースは進みました。
レースは2000m過ぎからムトゥク選手が独走し、4000mではキムタイ選手が2位に上がります。
「ムトゥク選手が一気にペースアップしたところに対応できなかった。ヴィクター選手にも一気に上げられて、そこから対応ができなかった。そこは課題。これから修正していかなければならないと思っています」と、山口選手は、留学生のペースの切り替えに対応できず、反省点を口にしていました。
それでも、単独走になってからも淡々とペースを刻み、他の日本選手を寄せ付けず3位でフィニッシュ。記録は28分37秒82でした。
「スタートリストを見た時に最低限3着に入らないといけないと思いました。優勝を狙っていたので、最低限の走りになってしまったんですけど、駅伝主将を任された身で、気持ちを見せることはできたので良かったなと思います」と、山口選手はレースを振り返りました。
今季、早稲田大学の駅伝主将を務める山口選手は、2月、3月の2カ月間、単身でオーストラリアに遠征してトレーニングを積みました。帰国後、パワーアップした姿をお披露目するはずが、4月中はケガや体調不良に苦しみました。
「駅伝主将になって、今までの四年生の偉大さを感じた。この伝統あるチームの駅伝主将ということでプレッシャーを感じ、なかなか4月はうまくいかなかった」と言うように 4月12日の日本選手権10000mはアキレス腱に痛みがあり回避。4月25日のワールドユニバーシティゲームズの10000m日本代表選考レースは、風邪を引いた影響もあって11位に終わっています。
4月のレースが不本意に終わり、この大会に向けてはハードな練習を積んできました。
「先週は強化に当ててかなり練習をしたので、ハイペースのペース走の練習をするイメージで臨もうと思いましたが、甘くはなかった」と振り返ります。 「100%準備できたわけではなかった」と言いながらも、チームを牽引する立場として結果を残しました。
関東インカレでは2年時が5000mで3位、3年時が5000mで4位に入っており、これで3年連続の入賞、2年ぶりの表彰台となりました。
山口選手は最終日の5000mにも出場予定です。注目のスーパールーキー鈴木琉胤選手、今季好調の山口竣平選手(2年)と共にレースに臨みます。
「早稲田も三枚揃えていますし、他大学もかなり5000mには力を入れてきていると思う。駅伝の前哨戦というわけではないですけど、早稲田の存在感を前半シーズンから出していければなって思います」と意気込んでいました。