人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

言葉の解像度

2024年11月12日 | 徒然
 日曜朝、危機管理訓練なるものに参加した。
 消防署員の指導で消火器の扱い方や大きな地震の時の、昔とは違う大事な心得を習いとても勉強になった。

 大きな揺れが収まるまではガッシリしたテーブルなどの下に避難し、窓は絶対開けてはならないし外へ出るのも厳禁。
 次の余震までの間にブレーカーを落として家中のコンセントを外す。
 これは数時間後に通電した際の火災原因の6割が、家具に押されたりして曲がったコンセント口からの出火だからだ。
 ラジオなどで地震情報を得て大丈夫になったら常備した避難具を持って避難所へ移動し、単独行動は避ける。

 消火器を初めて使わせてもらったが簡単なのに驚くと同時に、古い消火器の危険性も知った。

 消火剤は劇薬なので消火時に吸い込み過ぎると内臓を損傷してしまうという。
 消火器の底部は古くなると噴射の圧で吹っ飛ぶので、持ち手の部分がその圧で逆に顔面を強打して死傷者が出ることもあるそうだ。
 ドラマで消火器を凶器として使うシーンは沢山見ているが、殺傷能力も半端ではないと知った。

 結論!10年を目処に交換すべし。

   <突然嚙みつく恐竜!>
 <普段はおとなしく草を食むかのような様子>

 小説『アイミタガイ』は各話独立した短編集ではなかった。
 パズルのように組み込まれた各章の希薄な連繋が最後の章でしっかりと繋がるのだ。
 若い世代の言葉の蓄積のなさもさりげなく表現されていて、若者への洞察力の深さと温かい目線に感銘を受けた。

 作者の言葉の密度(解像度)の高さには底知れない魅力がある。
 
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美浜ナビフェスタ「あなたもサンタクロース」終了

2024年11月05日 | 舞台
 一色さゆり:作『あなたもサンタクロース』は10分強の短い作品だが深いテーマを持っている。
 この作品を美浜朗読さくらの会が美浜町文化祭で上演した。

 誰もが日常的に慈しみを持って他者に接することが出来るなら平和は成ると私は信じている。
 皆がストレスまみれで痛みに耐えているなか「ありがとう」の一言で十分幸せなプレゼントになるのだから。
 サンタでなくともささやかな幸せを他者にささげることは出来る。

 しかしAT革命で世界中の他国文化との違いをシャワーのように浴びるようになった日本人は、その「違い」を受け止めるのが苦手だ。
 
 <観る人を幸せにした奇跡のハイタッチ♡>
 
 日本映画『アイミタガイ』(原作者:中条てい)の監督が“人生の解像度”という深い言葉を語っている。

 原作の短編集の一本目は「定刻の王」。
 ある年のクリスマス・シーズン、見知らぬ二人が偶発的に見知る仲になり不思議な絆が生まれる予感で終わる。
 人が繋がる事で人生の見え方の密度、すなわち解像度が上がると感じさせる佳作だ。

 各話独立した話のようだが、映画の監督は5つの短編を繋げて描き原作者を唸らせたという。
 敦賀にもクリスマス・シーズンには来るだろうか。
 
 「あなたもサンタクロース」という作品そのものも、それを朗読した生徒さん達との交流も、私の人生の解像度を確かに上げてくれたと実感している。
 12月・・・大好きなシーズンがやってくる。
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保守の習性

2024年10月29日 | 徒然
 10月27日は「文字・活字文化の日」だとは知らず、読書しない日になってしまった。

 その日午前中は選挙と大リーグ戦、午後はイベントに出かけて旧知の米農家S氏と再会♡今年は順調に収穫できたとのことでホッとした。
 帰宅したあと信州の親友から大量のDVDと獲れたて野菜が届き、夜早めにぬるま湯で内臓を温めて一旦就寝。
 深夜に選挙速報で辻氏(立民)優勢と知り安心して健やかに就寝続行・・・とにかく一日読書しないでも充実していたのだ。

 結局辻氏が大差で勝ち、全国の選挙結果も取り敢えず納得の結果だった。
 しかし一千兆円越えの借金財政を未来世代に残さない政権運営には目も耳も(口も)放せない。

 <白馬からの花便り>

 資料本とは別に好きな歴史小説、榎本武揚(たけあき)が主役の『武揚伝』決定版を読み始めた。 
 幕府周りの人々が開国に向けて右往左往する様は興味深い。
 保守に凝り固まった江戸幕府の醜態が現代の保守派と同じなのも唸らせる。
 さかのぼること50年も前の松平定信の藩政改悪が尾を引いているところが、アベノミスクの失政に今も足を引っ張られているのとそっくりなのだ。

 ゴリゴリ保守のやる事は大昔から懐古主義で変わらないということがよく分かる。
 そして実はそれが、日本人の習性なのかも知れないのだ(悲)。

 ドジャースが三連勝し大リーグ世界一についに大手を賭けた。
 明日は市の集団検診と美浜の生徒さん発表会の劇場稽古。
 他にも些事が重なり好調の兆し。
 この勢いのまま大好きな冬に向けてエンジン全開!
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言葉と心のダイエット

2024年10月22日 | 徒然
 精神医療では、日々ささやかに感じた事をつづる“感情日記”を書くことは鬱や引き籠りに有効だという。  
 書くことで少しずつ感情が蓄積整理されてマインドレス(感情喪失)とは逆の穏やかなマインドフル状態を導き出すらしい。

 火曜毎のブログは私にとっての感情日記かも知れない。

 心に響いた事象を少しずつ書き貯めて火曜日に文章として練り、削ぎ落してゆく。
 私の場合マインドレスの反対で、心はいつも雑多な感情で溢れ集中の邪魔になっているから削ぎ落すという作業は常に必要なのだ。

 今週も早くもブログと向き合いいわば言葉のダイエット開始。

 <最近裏庭階段の常連になった野良ちゃん>

 今夜は幼馴染が遠方から泊まりに来てくれたので、昨日あちこち整理して掃除も頑張り何だか気持ち好い♡
 これも家のダイエット?

 残り少ない人生の集中力を高めたいと思う時、心のダイエットは大事かもしれない。
 
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世界は変われるか

2024年10月15日 | 舞台
 さすがに文化の秋は多忙気味。
 早朝から昼までは仕事の詰めをするが、ふと中断すると一気に集中力が落ちるのは歳のせい(泣)。
 ドッと疲れが出、マジで独りが怖くなるときもある。

 <Mr時広の新作は秋彩>
 
 先日鯖江で観た鼓童名誉団員の小島千絵子さんが参加した舞台は、小さな町の企画とは思えないプロフェッショナルなものでとても刺激的だった。
 殺陣集団サムライアーティストや能楽師、西洋音楽家たちが入り乱れてコラボするステージングは、年に一度ユニットを組むとは思えないアンサンブルだった。
 
 千絵子さんはその中の八百比丘尼役で、その思いの丈を太鼓の舞で表現していた。
 長年鍛え上げた狂いのない技術の美しさ・・・!堪能させてもらった。

 商業主義になり果てた五輪の運営形態を疑問視する世論の中、45年ぶりに五輪トップ(悪名高きバッハ会長)が交代する。
 それに合わせ日本の大企業もスポンサー契約を今年末で止める(個別の競技や選手育成支援には出資するという)。

 世界が徐々に様変わりし始め、ノーベル平和賞受賞の快挙の報が。
 だが長崎で被爆した人々への日本政府の冷遇が未だに続いているのを忘れてはならない。
 法整備だの条例だのを待たなくとも首相の一声で救える人々なのに歯痒い。

 問題だらけだが待ったなしの選挙戦が始まり、改革への重いバトンは国民一人一人に託された。
 今週も目が離せない事だらけだ。

 月がどんどん丸くなり、今年もあと三ヶ月となった。
 
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今週のトピックス

2024年10月08日 | 徒然
 古い韓国映画『世界で一番いとしい君へ』を観た。
 主役の早老症の子供を13歳の天才子役チョ・ソンモクが演じている。
 彼の素顔は整った柔和な男の子で、インタビューでの受け応えも実におっとりしていた♡
 
 その後の彼は俳優への道を選ばなかったようで、23歳の現在消息は不明だ。
 周囲の誘導に惑わされず独自の人生を歩んでいるかと思うと胸がザワつくようで嬉しい。

 新聞記事によれば
 「世界銀行などからの融資(現在の価格で6兆円・1990年に完済)で日本は戦後復興を果たした。
 そのお返しに戦後賠償の意味を込めて非軍事分野の支援ODA(金・技術者派遣・人材育成など様々)をアジア諸国に行ってきた。」

 これがJICA理事長:故・緒方貞子氏のいう信頼と友好を育んできたはずだった。

 記事は続く
 「ところが昨年、防衛装備品を無償提供するOSAが始まり、既に近隣アジア諸国に軍事品が提供され始めた。
 日本国憲法の平和主義は変質を余儀なくされる方向へ舵を切ったのか。長年築いてきたはずの信頼と友好を袖にしてしまうOSAは筋が違うだろう。」

 迷走する日本外交。
 <日本最北端のレーダー基地>

 台湾制作の日本未公開映画『ゼロデイ』は、一方的に宣戦布告され中国軍の上陸を目前にした台湾国民の七日間を描いている。
 ハッキングによる情報操作や個人の思惑が錯綜して起こる(日本人には)想定外の現代戦争の恐ろしさと大混乱。
 台湾語の予告編?しか見ていないが、のんびり外交の日本など三日も持たないだろうと思わせるリアルさだ。
 なにものも命の代償や賠償には到底なり得ないが、2022年まで中国をODAが支えてきた事が全くの無に帰する恐怖を覚えた。

 構築するには何十年もかかる信頼と友好は、かくも簡単に壊れるのか。
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諦めないとう選択

2024年10月01日 | 徒然
 日曜日に、一つの展示会『緒方貞子さんの軌跡』と一本の映画を観た。

 展示会は簡潔に緒方さんの越し方を表示していてとても好かった。
 「自国だけの平和はありえない。世界はつながっているのだから」という彼女の言葉がグローバル世界を見事に表現していた。
 緒方さんは沢山の名言を残されたが躊躇せず選び、躊躇せず行動に移して「人間の安全保障」を実践した諦めない人だった。(2019年没)

 『ソニータ』はサンダンス映画祭(R・レッドフォードが映画で演じた役名サンダンスに因んだ映画祭)の
ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門でグランプリと観客賞をダブル受賞した。
 アフガニスタンの現状(制昨年は2015年)と過酷な慣習をラップに託して力強く歌うソニータの物語。
 彼女は、細い糸だけれどしっかり繋がっている連帯の力でアフガニスタンを脱出し、アメリカの音楽スクールに奨学生として渡米する。
 今彼女がどうしているかは分からないが、少なくともソニータは諦めない選択の連続の末に、自由と新たな人生をゲットしたのだ。

 <無性に食べたくなる札幌のラーメン>
 北海道で150年にわたり原野を切り拓いてきた屯田兵とその子孫たち・・・今も助け合い和合する姿に感銘を受けた。
 特に義姉夫婦と兄弟家族の、諦めずに努力し続ける日常に圧倒された。
 

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他人行儀な風景

2024年09月24日 | 徒然
 北海道並みに秋めいて涼しくなった。
 でっかい冷風扇が二台、あちこちで居心地悪そうにしている。

 たった二週間だが次兄夫婦と共に過ごした旅から帰宅して以来、一人である事に違和感が付いて回っている。
 夜中にお手洗いに立つ時もソーッと行動しようとしている自分に苦笑する。

 誰も居ないことに「変だ」を感じるのだ。

 <強烈な印象だった宗谷岬に立つ間宮林蔵>

 <北海道中、角を曲がれば必ずそこにあるセイコーマート>
 ノサップ岬界隈にも宗谷岬界隈にも無論それは在った。

 準備万端で明日から講師仕事を始める。
 全ては時の流れに乗って進んでゆくはずだ。

 それでも自分が自分の事を他人のように模索している瞬間がいまだにある。

 二週間の非日常世界・・・消えてほしくないような、緊張感の緩い日常に戻りたいような・・・。

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ギャップに負けそう

2024年09月18日 | 徒然
 日本最北端の地:宗谷岬への旅が終わり、昨深夜13日振りに帰宅。
 人生の底知れぬ深さを学ぶ長い旅だった。
 
 台風並みの強風に立っていられず、四つん這いで宗谷岬のモニュメントにたどりついた。

 敦賀も涼しいやなどと油断して帰宅したら、玄関の戸を開けた途端むあっとした空気に襲われ息が止まるかと思った。
 ゲンナリして今日は日中動けず、夕方からようやく始動。
 
 どうにかならんかこの猛残暑!
 北海道とのギャップが大きすぎて立ち直れない(泣)

 
 今夜の大きな満々月にやっと救われた。
 が明日もギリまで起きられまい。
 
 やる事満載の夜は更けてゆく・・・。

 

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佳き日

2024年09月03日 | 徒然
 気比さん祭りが霧雨の中始まり、二日目の今日は町内をお神輿で練り歩いた。
  <安置所での太鼓と神宮本殿前の大人神輿と子供神輿>
 

 私は膝の辛さを心配したのでいつでも抜けられるよう平服で「声だけの参加」だったが、楽しさが勝って最後まで声を張り上げ続けたのは自分でも意外だった。

 正午前に終わって豪華なお弁当まで頂き自宅で熱いシャワーを浴びた後、ゆっくり一人酒を(少々)堪能。
 木曜に神輿から霊抜きして頂くまでの間、明日は神輿安置所の番人をする、。
 朝9時から4時間!エアコンの無い安置所なので勿論人間扇風機の出番だ。(バッチリ充電済み!)
 
 木曜からは20度前後の最北の地に暫しワ-プ♡
 パソコンは持たず本のみ、ドラマ鑑賞も無し。
 退屈を克服するか、新しい日常に目覚めるか・・・うとうと眠ってばかりいる日々になるのか・・・ま、それもまた好し。
  
 地震多発の国なのに地質学の専門教員は絶滅危惧種だという。
 私の精神の恩師は、中学校の地質学専門家:伊藤先生だった。

 本を読まない政治家ばかりでは政(まつりごと)への希望は先細るばかり。
 本来想像力で切り拓いてゆくのが国ではないのか。

 パリ・パラオリンピックで日本ラグビーが金を取った今日は、汗まみれの佳き日であった。

 では、中秋の名月までお別れです♡
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つれづれな台風前夜

2024年08月27日 | 徒然
 詩人:新川和江さんが亡くなった。
 「私を束ねないで」の朗誦は私の一人ライヴの定番だった。
 森羅万象の中の命の重さ・・・あの時代に女の立場を詩に託して謳いあげた美しさと強さに詠むたび心が震える。 
 著作権料のことで頂いた細やかなお葉書は今も大事な宝物だ。

 「大臣も兵卒もない無階級の蛙はいつも歌うばかりで素晴らしいじゃないか」
 そう言っていた蛙好きの詩人:草野新平は、真の民主主義者だったのかも知れない。
 彼の通夜の晩、一匹の大きなガマガエルが現れて皆を驚かせたという。

 米大統領候補ハリスが言う「民主主義」がトランプの強引な一国主義とは違うことを祈っている。
 バイデン勢力の票を取り込むには一緒に登壇することも必要なのだろうが、本来の民主主義を切望する有権者が離れるのではないかと危惧している。

 「プラスチックの原料って石油なんですよ!意外にこれ知られてないんですけど」と環境相時代にラジオ番組で周知の事実を喜々として語ったという馬鹿丸出しの小泉進次郎。
 以後お飾り平党員に徹してきたのに今回はひとっ飛びに首相に担ぎ出されそうだ。

 党が危機に陥るたびにトップの「顔」を替えて延命するのは、自民党のお家芸だという。
 進次郎氏が若くイケメンでアホだから、古株たちは軽くて担ぎやすかろう。
 
 朝ドラのテーマソングじゃないけれど♪誰がなろうと知らねえや!って気分だが、その一ヶ月後に衆院選をやるとしたら、あまりにも国民を甘くみている(怒)
 台風も心配だが、風前の灯の三権民主主義が総裁選のお祭り騒ぎで吹き飛びそうだ。

 頼りない野党ではあるが自民党を勝たせるよりマシに思える今日この頃・・・か。
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ことばは百薬の長

2024年08月20日 | 徒然
 メダルの数で関心を集めているかのような報道の中、寒々しい思いをしている方も多かったと思う。
 リオ五輪(2016年)から結成された難民選手団に初めて銅メダリスト(女子ボクシング)が出た。
 難民代表同士(パレスチナ対イラン)が対戦後に称え合う姿もあった。

 どちらもあまり表には出なかった。

 福島原発のデブリ取り出しは今回も数グラム、残るは880トン。
 釣り竿のような取り出し機の先に小さなひっかき装置が付いているだけだから今後の研究用作業らしい。
 つまり廃炉への展望は皆無ということだ。

 にも拘わらず政府の再稼働・新設方針は加速している。

 <何気に集うタマネギとニンニクとセミ>
 背景の裏庭を時折トンボや名を知らない小鳥やカラスが通り過ぎる。
 そして夜は秋虫の大合唱!
 これで気温が低ければ風情を感じるところだが「暑さ寒さも彼岸まで」にはまだ一月以上・・・暑さは居座り続けている。

 大切に思いながら疎遠になっていた知人が若くして亡くなった。 
 彼は17歳の手記にこう書いたそうだ。

 「幼いころ、チューブに繋がれた自分の姿が痛々しくて嫌だった。
 少年のころ、人の役に立つ人間になりたいと思った でもまったく動かない体・・・
 そんな時「君の頑張っている姿に励まされるよ」と言ってくれた人がいた。
 そうなんだ!前向きに生きる姿で人を励ますことができる。自分に自信が持てるようになった。」

 家族が彼の為に多方面に働きかけて行動し、彼は寝たきりのまま学びのシステムと師を得た。
 人を励まし続けて逝った43年の密な人生だった。

 読み終わった短編小説の最後に心を突く言葉があった。
 「物理的にやることが詰まった日常は、悲しみを遠ざけるには有効だけど、その分、とても大事なものを覆い隠す。
 現代人はそうして何年、何十年でも生きていけてしまう。」

 ここ数年は特に物理的な日常に覆われてきた自分に、気づかされた。
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主流は日本の竹だった

2024年08月13日 | 徒然
 パリ五輪の棒高跳びでスウェーデン選手が二位に30センチもの大差をつけて連覇を果たした。
 記録は6m25cm世界新記録。

 親友の元スポーツ記者(元棒高跳び選手)によると、
 「太平洋戦争開戦で米国選手たちは軽くてよく撓(しな)る日本の竹を入手できず、撓らない金属(スチール)ポールを代用した。
 そして戦後まもなく画期的なグラスファイバーポールが開発され1956年のメルボルン大会に使用する選手が現れた。

 それでも曲がらないスチールポールを使い続けた米国選手ブラッグは1960年のローマ大会を制覇。
 翌年、大学生がブラッグの世界記録をグラスポールで超えた。

 ここからグラスポール時代が始まり開発も進み、ウクライナの鳥人ブブカ選手は世界記録を35回も塗り替えて6m14cmの世界記録を残した。」

 今年百年を迎える甲子園球場も戦争で屋根を供出させられ、暑さ対策に既成のドーム球場を使うことも検討されたが球児たちの夢の舞台はあくまでも甲子園球場。
 秋の開幕も考慮しつつ今夏の開幕式では各スピーチも短く、進行にも色々工夫がされている。

 大人たちが起こす戦争という大禍が生む功罪。
 超えてゆくのは若者達。

 
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人生のリセットボタン

2024年08月06日 | 徒然
 宅急便が届く。
 玉ねぎの皮むきみたいで包装紙剥がしが果てしない。
 あっちのテープを取りこっちの封を切り・・・中身は何なんだぁ?!

 出た~、夏の甘味詰め合わせ!!
 <お気持ち届きました♡感謝>

 扇風機の風が生ぬるくて息苦しい。
 日中は図書館へ避暑も考えるが・・・そこまでチャリで行くのが煩わしくて・・・行かない。
 で、マーケットを散策・・・完璧に暑さに気力を削がれている私。

 でも気持ちだけ元気で、7人で戦う柔道混合団体での韓国銅メダル確定シーンには心から感動した。

 韓国66キロ級メダリストのアン・バウル(30歳)選手は、予選も含めて延長戦が続き何10分も闘う大健闘を連日続けていた。
 その末に敗者復活団体戦でドイツの73キロ級ワンドケイに長―い延長戦を経て敗退。
 この時点で二人ともヘロッヘロの汗みどろだった。

 しかしこの団体戦の勝敗者数が3対3と並んだので、直ぐに代表戦のルーレットが回った・・・ら、なんと汗まみれの二人がまたしても対戦することに。
 会場は「あんまりだ!」という同情でどよめいた・・・が、戦わねばならぬ。

 二人は汗を拭く間もなく延長戦に突入し判断力の限界も超えたかという頃、ドイツ選手が三つ目の指導(=反則負け)を受け、アン選手が勝利!!

 韓国が銅メダルを獲得した瞬間だった。
 この奇跡のような大逆転に会場は「ブラボー」の嵐。

 SNSとやらで物議をかもしている柔道混合団体(日本vsフランス)決勝戦での代表戦ルーレットも劇的だった。
 フランスの英雄リネールに勝てるかもとの期待もこの韓国戦がもたらした儚い期待だった。

 人種など関係なく素直に全力で戦い、素直に傷つき、素直に喜ぶ選手たち。
 
 純粋に全人生を賭ける選手たちを観ている自分を、もう一人の自分が見ている。・・・で、あんたの今はどやねん?と。
 万策尽きて最後の望みに賭けルーレットを回す時、私はリセットボタンを探している気がする・・・情けない。

 今日は原爆記念日。
 
 広島県知事:湯崎英彦氏のスピーチが絶品だった。
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頭に蓋を被せないで

2024年07月30日 | 徒然
 風のない日は湿気の中で脳がヒートアップしてくるので仕事を一旦止めてチャリ散歩に行く。
 近くに4軒あるマーケットを梯子して涼しい店内をゆっくり散策し、目も頭も元気を取り戻して帰ってくるのだ。
 <で、生ビールが美味い♡>

 仏下院選挙で勝利した左派連合の公約に「生活必需品価格凍結」というのがあった。
 必需品項目は国ごとに違うだろうが、こういう具体的な項目が公約の一つになるところが我が国では少ない気がする。
 <ゼミの抜け殻>

 「普段は見えない医療・介護・配達・ごみ収集などに携わる人々の苦労と有り難さにベランダから拍手を送る市民の姿はグロテクスだった」
という哲学者の書いた記事を見た。
 コロナ禍で起きた現象の事で、団地に住む人々が拍手する姿は、これまで彼らの存在に気づかなかった鈍感さの裏返しにもとれて不気味と言えば不気味だ。

 水俣病、ハンセン氏病訴訟など公害においても同じことが言えるのかも知れない。
 耳目をふさがれ情報を得られない国民のせいで少数派の位置に置かれ続け、多数派の私たちは一致団結して⁉よく分からない事に蓋をしてきたのだ。
 分からないなら「分からない」と声を上げ応援してほしいと被害者の方たちは訴え続けていたのに。

 『水俣病を知っていますか』の著者:たかみね・たかし元新聞記者は、「海に流せば有害物質は希釈されるはず」という企業や環境省側の言い訳に
技術者も科学者も根拠ある回答を探さなかった責任がある、と言う。

 しかし、目隠しされ考えなくて済む状態に「楽」を感じている私たちこそが最大の加害者なのだ。

 暑苦しい話題ばかりになり眼も疲れた。
 <三本立て続けに現れた飛行機雲>

 オリンピックでの号泣シーンはダイレクトに選手の長年の苦労を伝えていた。
 その号泣した選手があまりに強いため、辛い減量に耐え階級を下げて代表権を獲得し、ついに金メダルをつかんだ選手もいる。

 ギアチェンジして、真っすぐに悲喜が交錯するスポーツ文化の世界に圧倒されたい。
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