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人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

『いくさと青春』終了

2025年07月08日 | 舞台
 気比史学会と歴史博物館共催の反戦の会が土曜日に終わり、日が経つごとに反省が押し寄せた。
 会全体の流れに対する反省なので今更どうしようもない。
 
 自身の朗読『いくさと青春』は違和感を覚えた個所をスルーしてしまった反省が残った。
 この事も含めて現時点の生き方の総決算だったわけで納得の結果だった。

 沢山の友人が聞きに来てくれたのが嬉しいし、史学会との出会いも大きな刺激を与えてくれた。

 <茜色が濃い!>

 梅雨前線は消えたが梅雨再開?という兆しも。
 日本の四季が少しでも痕跡を残してくれるのは好いが、地震が治まる気配がないのが不気味だ。
 故郷を去らねばならない住民たちの悔しさを思う。

 扇風機の風力 が微風から3にアップ。
 寝る時はアイスノン枕、キンカン、微風扇風機が勢揃い。
 
 朝一番の水道水がカルキ臭くて濁っている気さえする。
 酷暑の夏は水質も変える。
 
 20日は投票日、日本が変われるかどうかの節目の選挙だ。
 
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総決算としての言葉

2025年07月01日 | 舞台
 今読んでいる小説の一節に
 「言葉は不思議なものだ。時に武器より鋭く人を傷つけ、また時として枯葉のように風に舞いどこかへ消える」とあった。

 <オシャレなお茶所>

 平山画伯は
 「一枚の絵は、それまでの人生の生きざまの総決算」だと言った。

 ある僧侶は、禅の言葉「這裏(シャウ)」の意味について
 「一日24時間の“今、ここ” にどう取り組むか、それが”見えないノミとなって人格を刻む。その総決算の姿が今の私である“ 」と解説している。

 表現は人それぞれだが、要はそれまでの人生の総決算が今の作品や言葉として現れる、という事なのだと思う。
 
 5日に三世代にわたって推敲された作品を読む。 
 それは表現者として私の人生の総決算となる。

 聴いて下さる方々の戦争への入り口となれ、日記文学の傑作『いくさと青春』30分。
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反戦の集い

2025年06月10日 | 舞台
 梅雨入りしたそうな。
 庭仕事にノリ始めていたのでちょっと残念。

   <義姉が送ってくれたた札幌の日没>

 7月5日(土)の『いくさと青春』という30分の朗読作品の稽古で毎日苦しんでいる。
 その臨場感と作者の苦渋をどう表現すべきか悩み続け、答えを見つけたと思うと消えてしまう、そんな感じだ。

 40歳過ぎから書き始めたメモ書きの集積で箇条書きのようである事、作者が23歳で体験した戦争体験である事、出版したのが70歳過ぎの時である事・・・。
 読みの足場をどこに置くかで悩みこの数日でようやく答えが見つかった気はしているが、録音してみると結果に繋がっていない。

 多数派(国民)の無関心が全ての悪の要因となって国民に還って来ているという現代の記事を読んだが、まさに朗読の内容と一致している。
 つまり戦後80年を経てもこの国は変われていないという事なのだ。

 『いくさと青春』は生々しい体験文学として輝いている。
 その輝きをどう伝えるかを80年を経た今、試されている。
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法然院公演『浅茅が宿』終了

2025年05月20日 | 舞台
 屏風ではなくお庭を背景に会場を設定する、という主催者:古澤侑峯さんのアイデアが活きた。
 雨も止み、鮮(あざや)かな緑の中に佇(たたず)む法然院に迎えられた観客たちは、静謐な心地で会場へはいられたと思う。
 着席と同時に屛風代わりのお庭に「ほう」と嘆息され、非日常の世界へワープ。

 開幕直前まで諦めずに続いた各パートの変更作業を全てチームワークで乗り切った感があった。
 終演後は爽快だった。

 邦楽の歴史が積み上げてきた連繋プレーに便乗させていただいた形の私は、出だしで突然の鼻水に⁉くじけそうに・・・持ち直しはしたが最後までハラハラドキドキの緊張が続いた。
 それにしても楽しくて仕方がなかったのは不思議だ。

 そんなこんなで今回も写真を撮る余裕はなくデータ待ち。

 <帰宅したら満開の野バラが迎えてくれた♡>

 明くる日から次の仕事と掃除洗濯に大忙しの毎日だが、何をやっても楽しさが残っていて苦ではないのも不思議といえば不思議だ。
 
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法然院公演まであと4日

2025年05月13日 | 舞台
 一気に慌ただしくなる前の一人自主稽古の日々が終わる。

 明後日木曜に宝塚の家元宅に合流し、あくる日早朝には法然院視察、そして午後からは宝塚に戻って通しリハーサル。
 公演時間に合わせての体調管理がなかなか難しい。
 特に食事の支度が面倒になってしまい、おかずはほぼすべてマーケット頼み。
 玄米と具沢山の味噌汁以外は惨憺たる状況だ。
 別件の仕事準備や私的な連絡への対応もあり、山籠もりしたい気分だがそうもいかない。

 殊にこのブログが11月には打ち切られることになり、今後はFBに乗り換えてゆくことになったりして、
のんびり考えていた私はHP管理のYちゃんにいきなりお尻を叩かれアタフタしている。
 
 今年前半は人生の転換期と覚悟していたが、夏以降落ち着くのかキリキリ舞いするのか予想がつかない。

 <長兄が送ってくれた富士山を背景にした鯉のぼり! 
 こんな風に、ゆーらりゆらりと世間を泳ぐ自分になれたらよいなぁ・・・♡
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法然院公演まで後10日

2025年05月06日 | 舞台
 上田秋成の短編集『雨月物語』の作品達に共通するテーマは、約束。
 破られた約束は人の心を揺さぶり、やがて作者独自の怖しいドラマが展開してゆく。

 「日常から生まれるのは喜劇だが、非日常から生まれるドラマは悲劇になり得る」という言葉を時折思い出す。

 雨月物語の最初の作品『白峰(しらみね)』は、実在の元天皇:崇徳院が息子を天皇にという想いを果たせないまま呪詛の怪物になってゆく話だ。
 いわば自分自身に課した約束に裏切られ狂ってゆく怖い話だが、主人公が西行法師であるところが上田秋成の凄いところ。

 いずれレパートリーにしたくて、朗読台本として手をつけ始めている。

  <あのポピーは雨風に散ってしまったが、しぶとく満開を保つツツジに癒されている>
 北海道はいま桜が満開だそうだ♡

 今朝明け方に森の中を歩く自分を空から眺める不思議な夢を見た。
 まるで鳥にでもなったかのような清々しい気分・・・飢えて獲物を探しているのではなく、ただ鳥になって浮遊しながら森を歩く自分自身を眺めている・・・。

 幸運が身を包むような希望の中で目が覚めた。
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朗読さくらの会第4回発表会終了

2025年04月22日 | 舞台
 前日のリハーサルは舞台機構のアクシデントで担当業者を呼ぶ騒ぎとなり、客席中央から舞台効果を見るリハーサルはほぼ出来なかった。
 しかも私は裏方に専念せざるを得ない状況だったので、本番中も裏方席を離れられなかった(泣)。

 しかし生徒さんたちは元気!
 彼らの朗読は最後の数回の稽古で飛躍的に上達していたので安心してはいたが、その通りの舞台を見せてくれたのだ。 
 稽古日数が足りないなか自宅での自習が並大抵ではなかったのだろう、凄い頑張りだったと感心している。

 おかげでお客様の反応は「すごく楽しかったぁ!」ばかり。
 皆さん興奮しながら「素敵な朗読舞台!」と口々に話していたので、やれやれとホッとしたのが正直なところ。

 お客様が楽しんで下さるのが一番大事だが生徒さん達も「朗読は楽しい♡」と感じてくれたようで有り難い結果となった。

 アンケートに「音響のボリュームが大きすぎて語りが時々聞こえないことがあって残念だった」が8割もあったのには反省しきり。
 客席中央で音やマイクからの声のバランスをしっかり確認しなかったのが悔やまれる。
 
 帰宅して疲れがドッと出、早寝するあまり逆に眠れず二日経った今日も3時に起きてしまった。
 ここまで体がもったのは、時おり美味しい差し入れをして下さったTさんやMさんのお陰だと感謝している。

 寒暖を繰り返しているうちに桜が終わり、はんなりした春をすっ飛ばして北陸にも夏が来そうだ。
 今週末はまた寒くなる予報だが、昼は酷暑でも夜肌寒い真夏ならG君の夜間活動もなく熟睡できるのになぁ・・・。
 などと睡眠不足の頭でボーっと考えている暇もなく久々の出演舞台の準備に追われている。

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マジック

2025年04月15日 | 舞台
 マスク氏は元々トランプを激しく非難し続けてきた人だ。
 それが掌(てのひら)を返すように参政してビックリ。
 世界の専門家の中には「営利目的に違いない。稼げるだけ稼いだら政権内部から飛び出して激烈な内部告発をするだろう」という見方が選挙時からあった。
 その予想通りに「マスク氏は後僅かで政治の世界から身を引きたいそうだ」とトランプがSNSで発言した。

 芥川龍之介の『ももたろう』で幕が開く朗読さくらの会第4回発表会は今週末の20日(日)。
 毎日が芥川の大きな世界観の山をにじり登る稽古の連続だ。

 目先の利益の為に変わり身するマスク・マジックではなく、稚拙でいいから誠実なハート・マジックを演じて欲しいと生徒さん達には願っている。

 大人たちが利権闘争に翻弄され子供たちへの注意を削いでいる内に、病魔たちはあらゆる耐性を獲得していた。
 その脅威に苦しむ供たちに、ささやかでも夢を感じてもらいたい。
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なぎの会公演『不断草』終了

2025年04月08日 | 舞台
 長い稽古の日々が報われた本番だった。
 私は殆ど力仕事の役に立たず、大声を出しながら指さし確認のみという情けない老いぼれ状態だったが、
会議しかできないような空間で出来る限りの手は尽くしたので後悔はない。

 マイクは敢えて無くして良かったと思っている。
 その分声を出そうと努力してくれた事が、伝えたいというエネルギーを生んだ。
 客席の場所にもよるのだが端にいた私には聞こえていたので由としなければならないだろう。

 音出しにプロを頼んだのも大正解だった。
 四方に配置したスーピーカーから、生声とのバランスを取った音楽が効果的に流れた。

 「心地よい時間だった」という感想が圧倒的に多かったが慢心してはいない。

 <会場を飾った生け花>
 もう一つ当日見事に開花した桜と牡丹の鉢活けもあったのだが撮りそこなった(残念)。 
 お客様の為にひと月育てた不断草の鉢や種を用意し、お帰りになるまでを細々とした企画でおもてなししたのも会員達だった。

 二週間後には美浜の朗読さくらの会の発表会がある。
 こちらは休憩をはさんで1時間50分の大ホール公演だから裏方としては今から緊張が走る。
 様々課題を抱えたまま、走れない・重い物持てない・大声のみ、の演出は眠れぬ夜を過ごしている。
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漂うように

2025年04月01日 | 舞台
 早朝いつもの時間にお向かいのお父さんが雨戸を開ける。
 その音を聞くと、彼の1日が今日も平穏に始まるんだなぁと幸せな気分になる。

 細菌性結膜炎だった。
 眼科で診療を受け「大丈夫、三日で治ります」と太鼓判を押された。
 言われた通り一日五回の点眼薬だけでアッサリ治ってしまった。
 私も言ってみたい「大丈夫、本番は上手くいきます」
  
 <4、5、6月がきれいに揃ってリニューアル>

 4月1日…朝ドラは新しくなり、物価も上がっていた。
 様々リニューアルしたが私は変わらず倦怠感の中に居る。
 4月20日の生徒さんたちの発表会が終わるまでは我慢我慢。

 脳疲労に陥らないよう先延ばしに出来る事は今は考えないことに決めた。
 自分の生真面目さを封印することに挑戦中、といったところか。
 石橋を叩く癖を忘れ、しばらく漂うように生きてみよう。



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困難な時期

2025年03月26日 | 舞台
 美浜朗読さくらの会も本番が近づいてきたが、演出周りのスタッフ不足で力のない私はてんてこ舞いしている。
 おまけにズルズル体調不調をひきづっている内に本格的な風邪に捕まった。
 しかし私の辞書には休むという言葉はない・・・なんて粋がっている場合でもないか・・・。

 このところ干支占いまで徐々に不穏な表現になっていて今朝のは最悪。
 「困難が一気に襲来する。いい加減さを改めて真面目に転換せよ」

 真面目なのが災いしてるんだけど困難が一気に、というのは正に図星だ。
 それにしてもこんなに酷い占いは初めてだし思わず狼狽えてしまった。

 取り敢えず本日は休養の日としたが今度は昨日から赤くなっていた左目が悪化し目が見えないほど目ヤニだらけに。
 ウィルス性らしいが、何かの祟りかしらん。

 日本は何処も人材不足、私も人不足のうえに老化も抱え、喘いで生きてゆくことになるのだろう。
 全てはこれまでの私の生き方の結果と受け止めて前を向こう。

 「肩の力を抜いて乗り越えろ」という声が聞こえる、本番は待ってくれない。
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本番間近

2025年03月18日 | 舞台
 命が喜ぶ舞台を創りたいといつも念じている。
 付和雷同せず参加者みんなで相和して創る舞台。

 敦賀朗読なぎの会の山本周五郎作品と、美浜朗読さくらの会の芥川龍之介作品。
 どちらも生徒さんたちの公演だ。
 ㏋のスケジュール更新も出来、準備は整いつつある。

 稽古現場は熱がこもってきて気を緩める間がなく、脳疲労はピーク。
 本番直前の仕事も入ってジタバタしているうえに右膝も不安定だ。

 雑事が片付かず追い詰められていると感じるのは希望への扉が開かれる前兆だと思うことにしている。
 乗り越えると決めればよいだけ、という声がするのだ。

 バタバタだが諸々進展があった今日、久しぶりに早瀬浦を買いに御用達酒店へ。
 仏壇前に飾っただけでホッコリと癒される。

 早朝ゴミ当番に行こうと玄関を開けたら、牡丹雪がハラハラと舞い地面が真っ白だった。
 そろそろまた冷えてきた、明日も早朝から深夜まで稽古が待っている。
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古巣にて

2025年01月28日 | 舞台
 俳優人生のスタートから師としてお世話になった亡き舞台照明家:日高勝彦氏を偲ぶ会に先週参加した。
 <富士山、煙の競演?>
 インフルエンザの猛威と、会場の乾電池のアトリエ(稽古場)がそう広くはないせいで、皆さんマスク着用だったから誰が誰だか分からない。
 それでなくともコロナ以来東京の舞台から遠ざかってきた私は、目が合うと「知り合いかな!?」と見つめ合うこと暫し。
 どうも知り合いらしいと互いに感じる方もいらしたがお名前までは出てこず、笑顔で軽く頭を下げる挨拶を繰り返した。

 日高さんの愛弟子:葛生君と、敦賀市民劇『熊谷ホテル物語』で見事なピン(細い照り)を出してくれたご子息の日高勝郎さんが、私を見つけ飛んできてくれたのが嬉しかった。

 日高さんが生前愛した珈琲店のご亭主が、やさしい味の温かいコーヒーを皆さんにサービスしていた。
 日高さんご愛飲と思うのも加わって美味しい~♡(ホッコリ)

 時折マスクを取って談笑なさる方もあり、TVで拝見した演出家や綺麗な女優さんなどもいらして華やぐ。

 故人の写真も沢山あったがボロボロになった台本が何冊か机にあったので読んでみた。
 照明のキュー(きっかけ)出しがほとんど無いのに驚いた。
 その少ない鉛筆書きを見て、俳優たちとの信頼関係があればこれで十分なんだなぁと感じいった。

 会場を貸してくださった劇団乾電池代表:江本明氏は毎日ご近所の子供たちに読み聞かせ朗読をなさっていて「今朝もやってたんだよ。」と葛生君が教えてくれた。
 昔東京で活躍し今は敦賀在住の演出家:家高さんが到着して柄本さんと再会した時は、みな微笑ましくて笑い声をあげた。
 白髪が目立つ二人の再会は月日の重さと暖かさを漂わせ、私がFO(静かに去る)するまで肩を抱き合うように語り続けていた。

 <いつまでも忘れません>

 会場は下北沢駅の近く。
 「本多劇場を目指すべし」と教えられていたのだが、右も左も分からない上に工事中の所が多くて戸惑った。
 東京駅も新宿・渋谷周辺もいまだに工事中が多い。

 敦賀を出発する時は「東京かぁ、疲れるだろうな・・・」と危惧していたが結果はその逆だった。
 日高氏を同志として愛し、舞台を愛してやまない人たちとの触れ合いの中で、心から癒された一日になった。 
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原始の力

2024年12月24日 | 舞台
 鼓童公演『山踏(やまふみ)』を京都で観た。
 世代交代が完了した今年の鼓童は力強くサービス精神も旺盛になっていた。

 最初の演目終了までの10分間は入場お断りとのことだったが会場を間違えたと知った私は焦った。
 本当の会場は京都駅からかなり遠いらしい。
 で、慌ててタクシーに乗り「飛ばして!」と叫んだ。

 しかしその運転手が凄かった。
 信号のない脇道や後続車の前をすれすれ横入(よこはい)りして走り、開場3分前に会場まん前の交差点で下してくれたのだ。
 
 5千円近い代金だったからさすがに「お釣りは要らない」とは言えず、チップは百円(冷静な私)。
 京都芸術大学内の劇場:春秋座二階席の最前列ド真ん中の席は思った通り見晴らしの効く好い席で、3秒前に着席できた!。
 
 <この日は満月だった>

 拍手の仕方やタイミングは人それぞれ。
 余韻を聴かずに叩く「拍手の為の拍手」が多いのは、参加型のお客さんが多数になったという事か。
 舞台へ自分の感動を伝えたい想いがフライング拍手に繋がっている。

 私は余韻を楽しみたい派だが右隣りが子供(中国の若い家族連れ)だったから笑顔で我慢した次第。

 そのうちその子も静かに舞台を見守り始めた。
 笑いや拍手を織り交ぜた賑やかな観客席が、武芸の陰陽の力で静かに抑え込まれてゆく。
 
 肚(はら)に響く打音が演者の体力の極限を超えたと感じた時、懐かしい原始の記憶が波濤(はとう)のように蘇(よみがえ)る。
 その軽やかともいえる奇跡的変化を何度も体感した舞台だった。

 今日はイヴ。
 こんな日にも戦禍のやまぬ彼の地に、あの原始の響きを届けたい。
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美浜ナビフェスタ「あなたもサンタクロース」終了

2024年11月05日 | 舞台
 一色さゆり:作『あなたもサンタクロース』は10分強の短い作品だが深いテーマを持っている。
 この作品を美浜朗読さくらの会が美浜町文化祭で上演した。

 誰もが日常的に慈しみを持って他者に接することが出来るなら平和は成ると私は信じている。
 皆がストレスまみれで痛みに耐えているなか「ありがとう」の一言で十分幸せなプレゼントになるのだから。
 サンタでなくともささやかな幸せを他者にささげることは出来る。

 しかしAT革命で世界中の他国文化との違いをシャワーのように浴びるようになった日本人は、その「違い」を受け止めるのが苦手だ。
 
 <観る人を幸せにした奇跡のハイタッチ♡>
 
 日本映画『アイミタガイ』(原作者:中条てい)の監督が“人生の解像度”という深い言葉を語っている。

 原作の短編集の一本目は「定刻の王」。
 ある年のクリスマス・シーズン、見知らぬ二人が偶発的に見知る仲になり不思議な絆が生まれる予感で終わる。
 人が繋がる事で人生の見え方の密度、すなわち解像度が上がると感じさせる佳作だ。

 各話独立した話のようだが、映画の監督は5つの短編を繋げて描き原作者を唸らせたという。
 敦賀にもクリスマス・シーズンには来るだろうか。
 
 「あなたもサンタクロース」という作品そのものも、それを朗読した生徒さん達との交流も、私の人生の解像度を確かに上げてくれたと実感している。
 12月・・・大好きなシーズンがやってくる。
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