にゃむにゃも通信

フーフとぬいさん達の日々のくらし

霧の中で

2016-10-26 18:54:45 | 不思議な話
初めて道の駅 おりつめに行った時の事





その日は三戸から階上へ抜け

南郷へ向かう時には

すでに一面霧の中で

まだナビ子が来る前だったので

勘と時々見える表示板を頼りに

車を走らせた





まだ日が落ちる前で明るい筈なのに

道路と前を走る車以外 何も見えず

初めて走る街中も

どこを走っているのか

皆目 見当もつかず

それでも何とかたどり着いた




スタンプをついて

お土産を選んでいるうちに

辺りは暗くなり

せっかくだから温泉にでもと

検討してみたが

ETCを付けてない頃で

高速道路は高いし 4号線まで

出るには遠回り

九戸から葛巻へ抜けるのが早いと

どこか通りかかった所で

入る事に決めた



割と近い所で温泉ではないが

町営の入浴施設を見つけ

ゆっくり温まってから

家路を急いだ



走り始めた時は

何台か前を走っていた車も

一台 また一台と曲がって行き

ついにワシらの車だけが

真っ暗な霧の中を走っている





そう言えばさぁ

霧の中って魔物がいるって

よく言うよね~




何の気なしに言ってしまったが

霊の話じゃないし 大丈夫か

ワンワンも

何事もないようだし・・・・




やがて葛巻へ抜ける手前で霧も晴れ

前を向きながら

さっきのお風呂は良かったね~と

話し始めた所

隣から聞き覚えの無い声が・・・



え?




慌てて運転席に向いたが

そこにいるのはワンワンだけ

明らかにその声は

ワンワンが発しているが

ワンワンの声ではない




だ、誰?



ワンワンは不思議そうに

オレだけどと笑うが

連れ添って早20年にもなるのだ

明らかにその声は別人の声だ






それから三日間

ワンワンの中に誰かが居座り続け

三日目の夜 晩ごはんの後

突然 ワンワンが

「俺の中の誰かが死にたいって」と

おかしくなった為

急いでいつものお寺に駆け込んだ





あれほどヒドイ目に遭ったのに

当のワンワンは

あの三日間の記憶が無いと言う








(|| ゜Д゜)














コメント
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