わんこ問題 愛犬の身になって考えてみよう

間違った風説風評で愛犬たちが泣いています。白衣を着た妖怪の治療でも被害を受けています。ご自分の頭で考えてみましょう。

避妊去勢手術の弊害!いろんな後遺症! その1 米国獣医学論文をまとめて翻訳紹介

2011-03-28 08:38:47 | ペット
 卵巣や睾丸を切除する避妊・去勢手術で犬はいろんな後遺症になる。そのことを日本の獣医は国民に隠している。愛犬家をだまして避妊・去勢手術で儲けている。
 最大の被害者は何の穢れもない愛犬たちだ。飼い主は金銭を騙し取られるだけですむが、犬は健康を害したり、麻酔死で命さえ奪われることがある。犬の最大の天敵の仕業だ。白衣を着た妖怪の悪行だ。

 2007年にアメリカで犬の避妊・去勢手術の弊害に関する獣医学の学術論文がネット上にも公表されている。
避妊・去勢手術をした犬に関する専門的な学術論文50編以上を調査研究して避妊・去勢による後遺症の発生のリスクを統計的に推計した論文だ。
ニュージャージー州立Rutgers大学で調査研究した成果だ。
詳細な学術論文だ。その主要部をブログ「愛犬問題」で既に翻訳して紹介した。
 今回は、その翻訳文だけをまとめて紹介する。



 Long-Term Health Risks and Benefits Associated with Spay / Neuter in Dogs
 犬の避妊・去勢による健康上のリスクと利点 ・・長期観点から統計調査・・
Laura J. Sanborn, M.S.        May 14, 2007


 大意
 
 獣医も愛犬家も犬に避妊・去勢手術をすべきかどうかについては深く考えるべきである。
従来の考えでは、幼少期の犬に避妊・去勢手術をすると、リスクよりもメリットのほうが大きいと言い伝えられてきた。
避妊・去勢の可否に関する相反する証拠が蓄積された現在でも、従来の考えが今なお支配的である。

 獣医学の学術論文50編以上を調査して、この論文で避妊・去勢手術が犬の健康に与える影響を明らかにした。
犬は避妊・去勢手術により、骨肉腫、血管肉腫、甲状腺機能低下症、その他いろんな疾病を誘発するという調査結果は誰も否定することができない。

 犬の避妊・去勢の是非について、犬の健康と幸福の観点からは考えてないのは獣医も愛犬家も無責任である。

ニュージャージー州立Rutgers大学 准教授 獣医学Chair(部門総括教授)

Larry S. Katz PhD(博士)
              



 概要 



去勢のメリット

1 睾丸ガンで死ぬ犬はごくわずかだが、そのリスクをなくする。 
2 ガンではない前立腺疾病の発病を低減する(ガンは去勢しても防止できない)。
3 肛門ろう菅症、肛門周辺フィステルのリスクを低減する。

去勢のデメリット

1 1才未満で去勢手術をすると、骨のガンである骨肉腫のリスクが著しく増大する。
2 心臓の血管肉腫のリスクが増大する。
3 甲状腺機能低下症のリスクが、去勢しなかった場合に比較して、3倍になる。
4 加齢性認識機能障害のリスクが増大する。(つまり、早くぼける。)
5 肥満のリスクが3倍に増大する。
6 前立腺ガンのリスクが4倍になる。
7 尿路ガンのリスクが2倍になる。
8 体形奇形のリスクが増大する。
9 ワクチンに対する拒絶反応(副作用)が増大する。



卵巣切除のメリット
  メス犬の避妊手術後の状況はオス犬の場合よりも複雑になる。

1 2才半以前に避妊手術をすると、乳腺腫瘍のリスクが大きく低減する。
2 子宮蓄膿症のリスクがほとんどなくなる。
3 肛門周辺フィステルのリスクが低減する。
4 子宮や頚および卵巣のガンのリスクが低減する。

卵巣切除のデメリット

1 1才未満で卵巣を切除すると、骨のガンである骨肉腫のリスクが著しく増大する。
2 脾臓と心臓の血管肉腫のリスクが増大する。
3 甲状腺機能低下症のリスクが増大する。
4 肥満のリスクが増大する。
5 尿失禁をするようになる。
6 尿管の感染症が頻繁に再発するようになる。
7 外陰部の皮膚炎や膣の皮膚炎、膣炎のリスクが増大する。
特に、思春期前に避妊手術をした犬に多発。
8 尿路腫瘍のリスクが増大する。
9 体形の奇形のリスクが増大する。
10 ワクチンに対する拒絶反応(副作用)のリスクが増大する。



避妊・去勢手術の後遺症の各論

甲状腺機能低下症

卵巣切除・去勢手術をした犬は、手術をしてない犬に比べて甲状腺機能低下症になるリスクが3倍になるという因果関係が明らかになった。
研究者たちは、その因果関係を提示している。
卵巣切除・去勢が甲状腺機能低下症に温和な直接的な影響を与えると言うことよりも、もっと重要なことは、卵巣切除・去勢と甲状腺機能低下症が共に性ホルモンの分泌に影響を与えることである。その性ホルモンは免疫システムに関与している。
マウスの去勢が自己免疫性甲状腺炎を悪化させると言う事実は、犬の卵巣切除・去勢と甲状腺機能低下症の因果関係の証明に役立つだろう。
犬の甲状腺低下症は肥満、無気力、脱毛、および、生殖機能の異常をもたらす。
 
 骨肉腫(骨の癌)

 いろんな犬種の犬が骨肉腫になるリスク要因について調査研究したところ、避妊・去勢手術をした犬は雄雌共に、してない犬に比較して、骨肉腫に罹病するリスクが2倍になることが明らかになった。

 犬種の一つであるロットワイラーが骨肉腫になるリスクが比較的に高いことはすでに研究されていた。
同一犬種について歴代の犬を遡及的に調査研究した結果、若い時に避妊・去勢手術をした犬は骨肉腫になるリスクが高いことが明らかになった。言い換えると、年齢が増えてから避妊・去勢手術をした犬は、その加齢が増えるにつれてそのリスクが低下する。

 1歳未満で避妊・去勢をしたロットワイラーは、してない犬に比較して、雄で3,8倍、雌で3,1倍の比率で骨肉腫に罹病しやすい。実際、1歳未満で避妊・去勢したロットワイラーは、骨肉腫に罹病するリスクが、雄で28,4%、雌で25,1%であった。

 この結果は、いろんな犬種で早期に避妊・去勢した犬の研究結果とも一致している。即ち、不妊手術をした時の犬の年齢は骨肉腫の発病の恐れを評価するファクターとして扱えるという利点をもたらした研究結果と一致する。
 これらの二つの研究で明らかになった結果を結びつけると、1歳未満で避妊・去勢をした犬は、骨肉腫のリスクが著しく増加するという論理的な結論に到達する。

 性ホルモンは骨の構造の形成とその大きさの保持に関与していることは周知のことである。その上に、今回の研究で明らかになったことは、性ホルモンの影響を受ける時間と骨肉腫のリスクとの間には反比例の関係があるということである。

 犬種のサイズが大きいほど、特に体重が大きいほど骨肉腫になるリスクは増加する。
骨肉腫は中型犬種、大型犬種、超大型犬種では一般的な死因である。
骨肉腫はゴールデン・レトリバーの場合、三番目に最も一般的な死因であり、さらに大きな犬種では、もっと普通の死亡原因である。

 骨肉腫は発病後の経過が悪いことや多くの犬種で予後の悪さが頻繁に起こっていることを考慮すると、中型犬種、大型犬種、および、超大型犬種は幼犬時に避妊去勢をすると骨肉腫になって死亡するリスクが著しく増加する。

 前立腺癌

一般の人が入手できる犬の避妊・去勢に関する情報の多くは、不妊手術をすると、雄犬は前立腺癌になるリスクが減るとか無くなると(証拠もなく)言い張っている情報だ。

人間の前立腺癌が男性ホルモンのテストステロンと関係があることを考慮すると、その言い分は納得し難い説とはいえない。
しかし、犬の場合、前立腺癌に関する証拠は、その言い分を支持してない。
実際、最も強力な証拠はまさしく正反対のことを示している。

 犬の不妊手術に関する免疫学的研究では長年いくつかの相反する研究結果が報告されている。つまり、去勢手術をした犬は前立腺癌が増えると言う研究と、逆に、低下するという研究がある。これらの研究を正しく評価するのはきわめて難しい。
この文章は相反する研究結果があることを部分的に説明しているに過ぎない。

 ごく最近、犬の世代を遡って調査した研究成果が二つ報告されている。その一つは、ヨーロッパで、もう一つは、アメリカで発表されている。この二つの研究で、去勢した雄犬は、してない犬よりも、前立腺癌になるリスクが4倍も高くなることが明らかになった。
 これらの結果に基づいて、研究者たちは去勢手術と前立腺癌の発症との間には因果関係があると提示している。
不妊手術が犬の前立腺癌の発症を引き起こすことはないが、発生した腫瘍の進行に関与していることを示している。この研究で、犬の前立腺癌のほとんどは精管内に発生し、ウロトロピン由来の癌であることがわかった。
 
 去勢手術をしてない普通の犬に前立腺癌の発生が比較的に少ないことは睾丸ホルモンが前立腺癌の発生を事実上防止していることを示している。または、前立腺の環境を変えることによって癌が発生しないように間接的に影響を与えているかも知れない。 
この問題は将来を見通した上で正しいものの見方で判断すべきである。人の場合と違い、犬の前立腺癌は滅多にないことだからである。

 犬の検死の調査結果で明らかになった犬の前立腺癌の発生率は0,6%以下と少ないことを考慮すると、不妊手術をすべきかどうかを決める時に、不妊手術を前立腺癌のリスク要因として重く考慮すべきかどうかの判断は難しい。
犬種の一つであるブーヴィエデフランドルについて、不妊手術は前立腺癌のリスクを増加するという証拠があるに過ぎない。
データはきわめて少ないが、我々は他の犬種についても関心を持っている。



文字数制限をオーバーしたので、つづきここをクリック。
 肥満、ワクチンの副作用、精巣腫瘍、血管肉腫・癌、尿失禁の記述がある。
 

       (翻訳者 : ブログ「わんこ問題」管理人Paroowner)

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