東銀座ワンゲルクラブ

奥多摩を中心に活動するワンゲルクラブの華麗なる活動記録。

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奥多摩・愛宕神社・・・ありえないような長大な階段のナゾを解明します。

2011-12-09 12:14:30 | 日記

(1)はじめに・・・奥多摩 ナゾの階段

奥多摩三山のひとつ、奥多摩・大岳山には、御岳山から登るルー
トと、奥多摩駅から登るルートがあります。

 奥多摩駅から登ると、登山口に、信じられないような長大な階段
があります。東銀座ワンゲル倶楽部は御岳から登ったので、この階
段を下りて奥多摩駅に出たのですが、逆ルートだと、いきなり、こ
の階段を登るところでした。

 Y女子部長は、
 「この階段を最初に登ることになっていたら、私、もうここで帰
りますというところでした」
 と苦笑します。


 私たちは、この階段のてっぺんにたどりついて、下り始めたのが、
もう日没のころになっていました。そのため、ご覧のように、真っ暗
な風景になっています。
 急なうえに暗いこともあって、手すりを頼りに下るところです。

 大岳山のガイドブックや案内を見ても「ありえないような階段」
「180段もの急峻な階段」「謎の階段」という表現が出てきます。
 そこで、東銀座ワンゲル倶楽部として、この「謎の階段」の意味
を探りました。

(2)人を寄せ付けない階段
 とにかく、人を寄せ付けない階段です。
 この階段を登り切ると、愛宕神社があります。
 しかし、いったいだれが、180段の階段を登って神社に参拝
するのでしょうか。
 
 現地で、ワンゲルの部員の間では、
 「こんな階段、いったい、だれが使うんだろう」
 「階段の意味がないのではないだろうか」
 「無駄な公共事業だ」
 という声が出ました。
 
 しかし、この声は、罰当たりな声だったのです。
 実際のところ、この階段は、
「清澄な神社に参る覚悟のない者 来るべからず」
「この階段を登る覚悟のある者のみ来るべし」
 --という意味を込めて作った階段だったのです。


(3)愛宕神社と階段
 奥多摩・愛宕神社のあるあたりは「愛宕山」という名前がついて
います。あの階段は、愛宕神社への参拝路であるとともに、愛宕山
への登山路ということにもなります。

 愛宕神社は全国にありますが、本家は京都の愛宕神社です。
 江戸幕府を開いた徳川家康が、京都からご神体を分けてもらい、
江戸に愛宕神社を開きました。これがいまの東京・港区にある愛宕
神社です。
 奥多摩・愛宕神社は、そのまた分家です。

 日本を作ったイザナギ、イザナミは、たくさんの子供を作りまし
た。最後の子供が火の神です。イザナミはこの火の神を産んだため
下半身を焼かれて死んでしまいます。

 それほど激しい火の神なのですが、その分、逆に、火事を防ぐた
めにご利益の高い神様ということになります。
 京都の愛宕神社は、この火の神を祀っています。

 家康は、江戸の町を築くにあたり、江戸を火事から守るために、
いちばん強力な火の神様を持ってきたわけです。

 ここで、階段が登場します。
 京都の愛宕神社は、京都の北方、小高い山の上にあります。
 火の神、しかも、イザナギ、イザナミの子供ということで、緑深
く、清澄な空気の場所に祀らなければならない。そうなると、人が
あまり来ない山の上になります。
そうすると、その参拝の道として、階段が必需品になるわけです。

 しかも、日本は神道と仏教が密接にいりまじっていますので、
この愛宕山の山域は、修験者、山伏の修行の場ともなりました。
 修行にあたって、長大で急な階段は、絶好のトレーニングの場と
なるわけです。

(4)東京の愛宕神社
 東京の愛宕神社は、新橋の繁華街の近くにあります。
 鉄道唱歌の「汽笛一声 新橋を」の歌詞に、新橋駅を出た汽車が
しばらく行くと、「愛宕の山に 霧かかる」という場所に来ます。
 これが家康の開いた愛宕神社です。
 
 京都の愛宕神社と同じく、小高い場所に作られています。まあ、
東京のことですから、山というほどの標高はありませんが、周囲よ
り高い所に神社があり、ちゃんと階段があります。
 やはり、清澄な場所に、祀ってあるわけです。
 そして、その周辺を、愛宕山と名付けました。愛宕神社と愛宕山
はセットなんですね。
 そういえば、かつて、NHKは、この近くにあって、愛宕山に電
波塔がありました。

(5)奥多摩の愛宕神社
 家康が開いた東京の愛宕神社は、江戸時代を通じて、東日本の各
地に、愛宕神社を広げていきました。なにしろ、神君・家康公の神
社ですから、各地で、こぞって同じ神社を作ったようです。

 奥多摩の愛宕神社も、そのひとつです。

 奥多摩は深い山の中なので、高い場所、清澄な空気にめぐまれ、
愛宕神社を作るには、絶好の環境です。
 そこで、奥多摩の集落(現在の奥多摩町)の裏山を造営の場所と
定め、神社を作って愛宕神社とし、その山域を愛宕山と呼ぶように
しました。
 
 奥多摩ですから、裏山といっても、かなり標高の高い山になりま
す。その上に神社を作ったのですから、階段も、当然のように、高
く長大なものとなります。
 
(6)そして180段の階段
 階段を作ってみると、180段を超す段数、しかも、大変な急こ
う配の階段という、神域を守るには、まことにふさわしい階段にな
りました。
 あの階段は、そんなわけで、イザナギ、イザナミから生まれた火
の神を祀り、最大の敬意を払うために作った階段なのです。
 
 たしかに、あの階段を登り切るには、
「登ります」という覚悟と、それなりの体力がいります。
浮世の人間には、ちょっと、登ろうという気になれません。
覚悟のない者は来るべからずーーというのが、あの階段に込めら
れた意味なのです。


 かつては、この奥多摩・愛宕神社で、山伏や修験者が、階段を
上り下りし、修行に励んだのかもしれませんね。

(結び)
 奥多摩・愛宕山、愛宕神社の階段を無駄な公共事業などと呼ぶと、
火の神のバチが当たるところでした。
 現在、奥多摩の愛宕神社は、無人となっており、近隣の神社の宮
司さんが管理をしているということです。

 愛宕神社にお参りをしたいのは、実はお年寄りに多いのです。
お年寄りは、神様を敬う心はあるけれど、体力がなくて、
とても、あの階段は登れません。そういう方のために、実は、愛宕
山は、階段の反対側の斜面に車が通れるような道が整備され、参拝
したい方は、車ででも登れます。

 しかし、大岳山に登ろうという登山者は、車なんか使わないで、
ちゃんと階段を使おうということになります。
 その意味では、いまは、登山者の覚悟を試す階段になっているの
かもしれませんね。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (アイガーカウンター)
2011-12-09 14:48:44
写真がひときわ真っ暗です。奥多摩アイガー北壁の階段はそれにしても登山客しかのぼらないのであれば、やり過ぎだったのでは?
段数 (幹事長)
2011-12-13 15:05:53
登っていないのでよくわからないのですが、180段でそんなにすごいのですか。
私の登ったところでは、鳳来寺が1425段(本堂まで? 奥の院までなら+α)、金刀比羅宮は奥社までで1368段、伊香保の石段街は約360段ということです。ちなみに日本一長い石段は熊本県釈迦院の3333段、次が山形県羽黒山の2446段、木製の階段では長崎県島原市の舞台ふれあいロードが8888段だそうです。
Unknown (アイガーカウンター再び)
2011-12-13 18:25:47
幹事長のコメントは段数を誇る、さしずめ経済成長論者みたいなもんじゃなかろうか。ここですごいといっているのは傾斜角度と一段ずつの幅の狭さ。上る覚悟を求めた造り手の意気込みと思えますが、いかが。
空気 (隊長)
2011-12-14 01:11:23
 180段というのは、確かに、段数だけ
みれば、もっとすごい階段があるかもしれません。
 しかし、あの階段は、何もない山肌に屹立
するさまが、一種、荒涼たる雰囲気を作り
だしているわけです。
 金比羅さんなどは、階段の両側に土産物屋
さんがあったりするわけですが、奥多摩・
愛宕の階段は、もののみごとに、なにもありま
せん。
 階段にいると、階段からいつ転がり落ちるか
分からないという、そんな感じです。
 階段が生み出す「空気」の問題ですね。

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