bubbles-gotoさんの歌から8首。
018:格差
プラタナス枯れゆくままに格差社会カクサシャカイと落ち葉踏みしめ
026:コンビニ
コンビニの監視カメラが四方から映す男の倒れゆく様
027:既
みんなみんな既婚者になっていく夜だ 電気毛布の取説を読む
041:越
守られているだけじゃもう足りなくてフェンス越えればはじめての海
045:幕
幼子の背丈ほどある唇が唇求む銀幕の上
079:恥
母親をおふくろと呼ぶ恥ずかしさ未だ慣れずに次郎柿剥く
086:符
懲役を終えて行く手を阻まれる どこへ消えたか切符切る人
091:冬
溶液に腐食していく銅版画冬の木立の枝あたりから
題材が多岐にわたっていること。視点の面白さ。
言葉の扱い方。bubbles-gotoさんの歌、好きです。
18番。
うつむいて歩く秋。
格差社会がオノマトペになるなんて!
「立て看板がマンハッタンマンハッタンと音をたてる」
以来の衝撃(これはなんの小説だっけ?)。
27番。
独り寝の夜。ああ今日もほんっとに寒い。
86番。
数十年の隔絶ののち、意志の無いものに
行く手を阻まれるいらだたしさ。変容へのとまどい。
018:格差
プラタナス枯れゆくままに格差社会カクサシャカイと落ち葉踏みしめ
026:コンビニ
コンビニの監視カメラが四方から映す男の倒れゆく様
027:既
みんなみんな既婚者になっていく夜だ 電気毛布の取説を読む
041:越
守られているだけじゃもう足りなくてフェンス越えればはじめての海
045:幕
幼子の背丈ほどある唇が唇求む銀幕の上
079:恥
母親をおふくろと呼ぶ恥ずかしさ未だ慣れずに次郎柿剥く
086:符
懲役を終えて行く手を阻まれる どこへ消えたか切符切る人
091:冬
溶液に腐食していく銅版画冬の木立の枝あたりから
題材が多岐にわたっていること。視点の面白さ。
言葉の扱い方。bubbles-gotoさんの歌、好きです。
18番。
うつむいて歩く秋。
格差社会がオノマトペになるなんて!
「立て看板がマンハッタンマンハッタンと音をたてる」
以来の衝撃(これはなんの小説だっけ?)。
27番。
独り寝の夜。ああ今日もほんっとに寒い。
86番。
数十年の隔絶ののち、意志の無いものに
行く手を阻まれるいらだたしさ。変容へのとまどい。
8首選、ありがとうございます。題詠ブログには今年初めて参加しましたが、終わったあともこんなご褒美があるなんて、うれしいです。
実は今回、密かに「一人称と二人称を使わない」という自分内縛りを設けてまして、それが結果的には歌のバラエティにつながったのかも、と思いました。
そうやって「私」から遠く離れたところから歌を作ろうとしても、時折ひょいと「私」が顔を出しちゃうことがあって、027や079はそんな歌だったりします。だから、採っていただいたのが、ちょっと恥ずかしく案外うれしい。そんな気分です。
あと、車止めピローって、いいサイト名ですね。
でわでわ。
完走、お疲れ様でした
>「一人称と二人称を使わない」という自分内縛りを
なるほど!
人称で縛りを設けるなんて、考えたこともなかったです。
今度、自分もやってみようと思います。
今の自分の短歌の限界を少し押し広げることができるかも。
45番は、中国映画を最前列で見たときのことを思い出しました。
アップの場面ではもう何がなんだか(笑)
たくさんの素晴らしい歌を読ませていただいて、
こちらこそ本当にありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
(車止めピローは、短歌を詠みはじめた頃の拙作のフレーズからとりました)