◆◇◆《LOVERS/十面埋伏》..すべてはここから始まった！ ・・ その頃の感動
ハリウッドしか興味のなかった私が、当時映画館を賑わしていた《LOVERS/十面埋伏》に出会ったのは2004年8月。かなり映画好きで暇さえあれば映画を観ていたが、しかしハリウッド映画やフランス映画を見慣れてしまうと、その洒落た風景やユーモアや資金力の差を感じてしまうので、映画館で観るのは洋画と決まっていた。 
それが！...この《LOVERS/十面埋伏》でひっくり返った。なんという色、景色、音楽、俳優！あらら..中国映画ってこんなに素敵だったの？知らなかった・・。感動させてくれるじゃないのよぉ！
どれどれ、調べてみましょうよ・・と。
■景色..ウクライナでロケしたんだって..竹林ってあっちにもあるのね。それに、あの美しい紅葉から一夜にしてあたり一面の銀世界に・・。（驚かない、私は新潟の雪ん子だい！）その時チャン・イーモウ監督は大ショックだったらしい。雪の中の撮影・・メイキングを観ると、大変そうなようすが。
■監督..チャン・イーモウ監督..北京オリンピックの開会式を演出したことは記憶に新しい。あらゆる感覚が並はずれて研ぎ澄まされているのだろう。張藝謀/チャン・イーの名を知ってから、この監督のビデオを借りまくって観た。 《初恋のきた道》, 《あの子を探して》, 《活きる》, 《紅いコーリャン》, 《HERO/英雄》..いやはや凄い監督だったんだ。人の心に強く訴える何かがある。高倉健さまの《千里走単騎》、《満城尽帯黄金甲》と続くけれど、 《初恋のきた道》, 《あの子を探して》, 《活きる》などの素朴な映画が好きだな・・。
■音楽..梅林茂..この映画の後は毎日毎日このサントラが我が家に流れていたっけ..。
■衣装..ワダエミ..こんなに凝った衣装をよくもまぁ！俳優陣がこの衣装でますます美しく見えた。
■出演者..アニタ・ムイさんの急逝は予期せぬ事態だった。それでも監督は代役を立てようとせず...。おかげでその部分のストーリーが欠落している。レビュアーのつっこみの多くはここに・・。
チャン・ツィイー..凄い、舞踊アクション！匂い立つような美しさが。。。
アンディ・ラウ..名前も知らんかった・・。後でわかったけど、凄い役者だったのね。
金城武..あのころは、かろうじて名前と顔くらいは。。。 《不夜城》上映の頃、女の子たちが興奮してその名を口にしていた俳優だ。・・ヘぇッ！誰だって？何をやる人？・・映画館にしばらく通った。情報もかき集めた。・・・そして・・エンドレス。今に至っても止まりません！知れば知るほど興味と親近感がつのる。
言語..彼の場合、生まれて初めて覚えた言語は母親の母国語の台湾語。次に父親の母国語の日本語。日本人学校に通い、アメリカンスクールに通い・・・。ご両親の教育方針は正解！すべて役にたっているもの。”どれも完璧ではない”と本人は言うが・・。
日本語のドラマや映画や記者会見での金城武の言葉に、時々、確かにそのように感じることがある。彼のお父さんが、昔使っていたであろうなつかしい日本語が飛び出すことも。中国語と言っても日本語同様、東北弁・鹿児島弁・大阪弁等があるように多彩で、完璧に話せるようになるのは難しい。意味さえ理解出来ないかもしれないし、発音も出来ないだろうと思うのだ。..（ちなみに、東京で生まれ育った我が息子たちは、実家（新潟）のおじいちゃん、おばあちゃんの言葉が解らないと訴えた。）
《レッドクリフ》の撮影が終わらないうちに、《K-２０ 怪人二十面相・伝》の撮影が行われていたのだから、日本語の台詞と広東語の台詞が金城武の頭の中を駆け巡っていたわけだ。これは、”普通”なことではない。”金城武の台詞がどうの・・”と言われると、あのさぁ！と、つい一説ブチ上げたくなってくる私なのだ。東京生まれの俳優に、福島県人と全く同じ様に福島弁の台詞を話せと言われても非常に難しいと思いませんかと。
◆チャン・ツィイー.. デビュー作《初恋のきた道》ではたっぷり泣かされた。
