
◆◇◆G・Wの気になるニュース、RCII の成績をようやく見っけ!!
■MovieWalker_5/4更新→ G.W..1位『名探偵コナン』 2位『レッドクリフ PartII~』
..インパクトが強かったアノ映画を押さえて、2位を維持!頑張れ! RCII!
..わぉ~!..口コミ TOPに→ ■観客動員数300万人突破!
...三国志ブームが始まる少し前、時代劇専門チャンネルの深夜番組で、昔NHKで放送された人形劇"三国志"が再放送された。息子たちと夢中で観たあの番組は、初回より更に深みが増してずっと面白かった。人形劇が高じて吉川英治の三国志を読み、羅貫中(中国語・教科書版)を手に入れ、所によっては斜め読みしながら孫子の兵法も読んだ。その上、中国のTVドラマ版《三国演義》全84集をWebで発見(有料1集;1h/200)し、"第1集_桃園の三結義"から毎晩、夜な夜な三国志をダウンロードしては観まくった。"77集/秋風五丈原”で唐国強演じる諸葛孔明が亡くなり、"死せる孔明、仲達を走らす"の段あたりで意気消沈し、喪に服したい気分だった..。
中国人民に最も愛される羅貫中の"三国演義".. 三国志とは、晋の陳寿が魏・蜀・呉の三国の歴史を記述した歴史書のことだ。それをもとに、芝居や講談で尾ひれが付き大きくふくらんだ。後にそれらを集大成して纏めたのが羅貫中であり、"三国演義"(中国)、"三国志演義"(日本)と呼ばれた。また、中国の王朝が前王朝を記述したものを正史と呼び、司馬遷が記述した”史書”以来、24もあるのだとか。。。
もともとがこれだけの種類有るのだから、世界中で翻訳されている三国志と言われるものが、一致しているなど考えられない。書き手・読み手の幾多の三国志が存在するだろう。中国・日本では三国志を知らない人はいないなどと言うが、私の周りに三国志の英傑の名が言えて人物の説明もできる人がいるだろうか..。漫画や、ゲームの三国志は知っているけどとか、諸葛孔明・関羽くらいは知っているけど..なのだ。
ハリウッドを熟知するジョン・ウー監督のことだから、その辺は良しとして、困ったことに、熱烈な"三国志"ファンを自負するマニアックな人がまた無数に居り、そのファンの脳には、漫画やアニメや小説やTVドラマで培った三国志の多様なイメージが出来上がってしまっている。超マニアックな三国志ファンの確固たるイメージと、たまたま手にして夢中になったものから得た狭義のイメージ、そしてアジアンチックな中国歴史絵巻に初めて触れる世界の映画ファン。。これらの多種多様な映画ファンの相反する"期待"を同時に解決するのは不可能に近い..。
≪レッドクリフ≫で諸葛孔明を演じた金城武は、中華プレスのインタビューに答えてこう言った。『千人の三国志ファンがいれば、千人の諸葛孔明がいる。僕は出来るだけみんなの期待に添いたいとも思うし、監督のイメージする諸葛孔明も相談しながら演じなければならない』と。また、大阪の試写会の舞台挨拶で彼は『(映画がヒットして)単純に、嬉しい!..自分がと言うより監督の苦労を知っているので、監督のために嬉しいという方が大きい』と。・・ジョン・ウー監督が映画を通して世界に訴えたかった精神の在りようが、彼の言葉の中に見えた。
≪レッドクリフ≫ part1の試写会..大スクリーンに映し出された三国志/赤壁の戦いの序章は、素晴らしかった。小説を読み、中国の歴史を照らし、中国TV版"三国演義"84集をすべて観たが、私はこのジョン・ウー版≪レッド・クリフ≫が一番好きだ。映画を作った人達の 祈りがハッキリと見えるからだ。あの時代の人間模様を、愛を込めて描こうとしていると感じたし、読んでも想像だに出来なかった八卦の陣などが、これだけビジュアル化されれば溜飲が下がるというもの。
それに描かれる男たちのカッコイイ事と言ったら!曹操の登場など、あまりに素晴らしくて涙ぐんでしまった。”演義”によれば、小男で不細工な人だったそうだが、それがわかっていればそれでいいと思う。チャン・フォンイーがカッコイイからといって、歴史を壊したことになっただろうか?..また、金城武が諸葛孔明のイメージじゃないと言うむきもあるが、霞を食べて生きる仙人風の孔明像から、冗談を言い自然から学ぶ優秀な若き諸葛孔明を誕生させたことは、掘り出し物だとさえ思う。
小説と違うとか、歴史を歪曲したとか、イメージが違うとか言う人もいるが、問題ではない。
前述のとおり、数え切れないほどの三国志が存在し、最も人気の羅貫中の"三国演義"にも創作がたんまり入っているのだ。1800年前の歴史をドキュメントすることなど無理だし、千人の三国志のイメージをすべて網羅することなど無理なのだ。羅貫中の小説をドラマ化した中国のTV版《三国演義》で描かれた"赤壁の戦い"など、三顧の礼から数えれば13集(=13時間)に及ぶが、それでもすべてでは無いのだ。
≪レッドクリフ≫は、三国志を熟知している人も、その名さえ知らない人も楽しめるように工夫された娯楽映画だ。ジョン・ウー監督は、撮影の最中からインタビューの都度そう名言していた。ジョン・ウーの《レッドクリフ》を観た方々がどんな風に感じられたのか興味があって、Yahooや映画サイトのレビューを覗くと、誰々が出てこないの、誰がイメージに合わないのとちっぽけな理由で、最低の評価をつけたりしているのを見ると残念でならない。(・・と言うより、レビュー荒らしと見られる作為的な★ゲリラ集団がいるんだ・・と感じとれる..)
本当に三国志が好きな人は、映画化されただけでも、まずはウキウキワクワクとときめいたはずだ。映画のストーリーを追いながら、持っている知識の中でどの段を描いているかが分かるし、ここは創作だね・・の部分ではクスリと笑ってしまう。分かる事自体が快感である。イメージと合わないからといってすべて否定してしまう極端な人が、こんなに多いとは思えない・・。..中国大陸の大自然は? 岩代太郎の壮大な音楽は? 国際的なスターの演技は? alanの澄んだ歌声は? 映画に込められたメッセージ性は何も感じられない? 娯楽映画を楽しめなければ、時間もお金ももったいないと思うのよ。
映画館に行くと、身体的に無理をしながらも≪レッドクリフ≫を見に来られた方を見かける..
三国志ファンのどうしても観たい!という必至な姿だろうと見た..。ハリウッドでも巨匠と呼ばれるジョン・ウー監督が、100億円の巨額な製作費を掛け、アジアの巨星を結集し、アジアのメンツに掛けてハリウッドに殴り込みをかけた娯楽映画なのだ。アジア人として三国志ファンとして、こんな嬉しいことはない!世界中の人に、大スクリーンで楽しんで欲しい映画だ。
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