<フィギュアスケート_GP_第4戦(フランス杯)..ショート・プログラム>
◆首位は浅田真央(56.9点)、2位はキミー・マイズナー(55.98点)
◆浅田真央、SP..首位に涙。
最終演技者である浅田真央の得点がはじき出され、順位が1位と知って顔が歪んだ。
首位に立った選手にしては思いがけない光景。たいがいの人は、何であれ勝てば官軍とばかりに喜ぶのが普通じゃない?
◆ついこの間までの真央ちゃんは、高難度のジャンプをクルクルと決め、まだあどけなさの残る顔に満面の笑顔を浮かべてインタビューに答えていた。真央ちゃんの安定した正確なジャンプに、ミスなんかしない・・・かのような印象を受けてしまった観衆は、いつしか、浅田真央・ミラクル真央などと囃す。
浅田真央にとって、日本国中のこの大きな大きな期待はどれほどの重圧だろうか。
ライバルのキム・ヨナやキャロライン・ジャンのような浅田真央と同様の天才少女も腕を上げ、追いつき追い越しそうな勢いだし・・。
◆2位でも満足そうなキミー・マイズナーと、1位でも不満足な浅田真央の違い・・。
その1..キミー・マイズナーは自国でも、"トップが当然"とは思われていないし、本人もそうは思っていない。(と思う) 彼女の2位は、自他共に期待通りと思っている位置なのだ。だから、期待にこたえられて良かったぁ・・なのだ。(と思う)
その2..浅田真央は女子では最高難度のトリプル・アクセルを飛べる人なのだ。それを飛ばないと、あるいは失敗したら期待はずれなのだということを自他共に知っている。
オリンピックの大一番で栄光の座を手にした荒川静香は、スケートカナダでトリプル・アクセルを飛ばなかった浅田真央について、『それは決して逃げじゃない。勝つための戦略だ』と強調した。その言葉はマスコミとその向こう側にいる観客の、大き過ぎる期待に対する牽制だ。(と思う)
その3..ノー・ミスの演技で歴代最高得点をはじき出したことのある浅田真央にとって、他人から受ける期待と同時に、自分自身への期待もまたとても大きい。(と思う)
今度こそ!と頑張った結果が思い通りでなかったら、誰よりも自分自身が失望した事だろう。
ノー・ミスでなかった時点で、彼女は泣きたい気分だったに違いない。
その4..しかし審査員の評価は、凹んでいた浅田真央の思いこみに反し、トップだった!
その瞬間、張り詰めていた気持ちが一瞬にして緩んだ・・。(に、違いない)
◆浅田真央さん...才能に溢れ、すべてをスケートに注ぎ込んで頑張っている17歳の女性だと思うから、勝って欲しいし優勝してくれると嬉しい。 ・・けど、失敗しても優勝しなくても、浅田真央さんの輝かしい実績は変わらないし、その才能も疑いようのない事実。
無心に滑っていた頃の真央ちゃんに戻り、ただただ日頃の練習のごとく穏やかな心で滑れたらいいですね。勝っても負けても、気持ちよく滑れたとニッコリ笑ってくれたら、みんなも喜んでくれると思うよ。練習に耐えてきたのだから、大会では楽しんで・・・。