じみへん

じみ~なネタを絵日記で描くのもいいやんねぇ。
もうほとんどライフワークになってるし

最後のお別れ

2008-11-18 15:26:10 | Weblog
チーメイトが亡くなりました。

子宮ガンが転移して2年間、ほんとにしつこいガンと戦って戦って、

とうとう力尽きてしまいました。

でもいつも明るく前向きで、チームに復帰することずっと望んでました。

今年の夏休み、スーパーで出会った彼女はとても明るく、

「先生に宣告されちゃったから無理言って退院させてもらってん。
今からお盆休みに家族で旅行できるとこ探すつもり。
もうチームにはもどられへんから、ユニフォームも近くの人に預けますね」

頭を棍棒で殴られたようなショックで、帽子とマスクの間から見える彼女の笑顔を見ているだけで言葉が出てこなかった。

その後家族旅行ができたかも聞けず連絡が取れなくなり、

最後のメールは「アドレス変わりました。うつのもなかなかです」

と、彼女がうってるの?というような内容でした。

その2週間後、彼女は亡くなり彼女を偲んで多くの人が最後のお別れに行きました。

大好きなバレーボールのユニフォーム、私たちチームメイトが折った千羽鶴、

子ども達との思い出の品々が飾られ、正面にいつもの笑顔の彼女の姿が…

その場の全員が泣いています。

41歳、若い元気な彼女の子宮、肺、脳、骨、次々にガンが蝕んでいきました。

残された小学生の子ども達はきっと最後まで明るいお母さんしか知らないのでしょう。

発表会の舞台にでもいるような感じで前に座っています。

彼女が最後のお別れに呼ぶかのように、たまたま電話して訃報を知った人、

土曜だったから仕事が休みだった人、偶然土曜参観でそのままクラスごとお別れに来た子ども達、

悲しみの列が続き、名残惜しくて焼香が終わっても帰ることができません。

一人一人が花を1本ずつ持って彼女の棺に入れ、最後のお別れをします。

泣きながら彼女の名前を呼ぶ声がだんだん近くなっていきます。

私も震える手で花を一輪彼女の胸元に置いて彼女を見ました。

よく眠っているように横たわって…と表現されますが、彼女は少し口を開いて

なぜか真っ白な歯が出ていました。そして閉じたまぶたに普段しないシャドーが塗られ、

赤い口紅も彼女らしくなく、別人が納められているようで、

はっきり彼女が亡くなったことが実感できました。

もう、彼女は逝ってしまい、ここにあるのは単に亡骸でしかない。

私は年をとり、彼女は永遠に若いまま思い出の中でいつづける。

火葬場へ向かう車の中、彼女の残した子ども達に彼女の面影を見つけ、涙があふれた。
コメント
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