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高所でのガスライターの使用に関する考察

2012年09月24日 | 火器

P1080449 木曽駒ケ岳の山頂直下での出来事だが、2日目の朝、持参したライター2つが全く着火せず、自分のバーナーを点火するために、相棒のバーナーの火を借りるというトホホな状況になってしまった。

 状況は、早朝の6時、高度は2800m。

 外気温は5度程度でテン場はバーナーの火が吹き消されるほどの強風下にあった。

 また運悪く、弱い雨が降っていた。

 手元には、補充式のターボライターとチャッカマン。

 このいずれのライターも全く役に立たなかった。

 強風の為かと思いきや、風防あるいは手で風を遮っても、ライターが点火する事は一度もなかった。

 結局は、相棒のEPI(OD缶)のバーナーに付属している点火装置でEPIを点火、そのEPIから僕のバーナーに火をもらって、事なきを得た。

 僕のバーナーは、スーパーで買える程度の一般的なCB缶を使っている。

 この無名メーカーのCB缶の中身は、多分、ブタンだ。

 イソブタンではなく、単なるブタンだ。

 ライターと同じガスを使っているにもかかわらず、一度着火すれば問題無く燃え続けた。

 EPIのOD缶は、多分、イソブタンだ。

 当たり前だが、EPIも一度着火すれば問題無く燃え続けた。

 なぜガスライターは点火しなかったのか、山用ライターについて考察してみた。

 国立医薬品食品衛星研究所のサイトによれば、沸点、引火点、発火点は、次の通り。

       沸点/引火点/発火点/使用器具 

 ブタン…0.5/60/365/ライター、CB 

 イソブタン…12/引火性ガス/460/OD<o:p></o:p>

  つまり、ブタンガスを使っているライターとCB缶は、5度の気温下であっても十分な種火があれば発火すると言うことだ。

 ちなみに、発火点というのは種火なしで自然発火する温度の事。

 だから、CB缶でもOD缶でも家庭で保管する分には、全く問題ない。

 これら数値からも明らかだが、僕のバーナー(CB缶仕様)も一度点火した後は問題なく燃え続けた。

 ならば、なぜライターは不調だったのか。

 これは、(圧電と言う発火方法では無く)種火の大きさに問題があったと考える。

 簡単に言えば、発火するには種火が小さ過ぎたと言う事だ。

 EPIの点火装置も圧電による発火ではあるが、イソブタンの沸点は-12度と低いため、小さな種火でも着火しやすいのだと思う。

 そもそも沸点が高い普通のブタンガスについては、気温が低い中で着火するには、大きな種火が必要で、ライターの圧電による火花では火力が足りなかったのだと思う。

 では、どうするか。

1. ライター本体を体温で暖める

  ライターをポケットに入れて、ライターに充填されているブタンガスを沸点より高い温度に保つ。

 これにより、小さな種火でも着火しやすくなる。

2. マッチあるいはフリント式ライターを使う

         風さえなければ、マッチが一番確実と思う。

 ただ、燃えかすが出るのが難だろう。

 フリント式ライターは今回使っていないので実際に着火するか分からないが、風には弱い。

 風に強いのは、やはりターボ・ライターになる。

3. 高所用のターボ・ライターを使う

  人柱になる覚悟を決めて、ウェンガー社製のクラヴァ(写真)を購入した。

 以下は、ウェンガー社のサイトから引用した。

(引用開始)

Clava(クラヴァ):特徴的な形状のクラヴァは、大き目の燃料タンクと手に馴染みやすいラバー加工のケースに加え、便利なカラビナ付きストラップを備えています。 

着火口とガス注入口は、強風時にも着火しやすい防風デザインで、さらにシーリングの付いた蓋で密閉しているため防水設計で、悪天候時でもすぐに火を灯すことができます。 

また、高度約2,500mの酸素が薄い場所でも着火実績を誇るため、山登りの際のアイテムとしてお勧めです。

(引用終わり)

 このライターのうたい文句通りに高所で使えるかは、使ってみないと分からない。

 だから、人柱を覚悟で購入した。

 直販サイトで購入、8.400円だった。送料は、無料。

 防水性を高めていると言えばそうなのかもしれないが、正直、スクリュー・キャップは面倒だなと言うのが手に取ったファースト・インプレッション。

 点火部分は目視では見えない構造になっているので、どの程度の種火が飛んでいるかは分からない。

 よーく見たら点火部分が見えた(写真)。

 構造を見る限り、普通の圧電式のライターと大きく変わらない。高所でちゃんとつくのか?

 まあ、いい。これにフカシロ社のイム・コロナ(下写真)のガスを充てんした。

 このガスを選んだ基準は、値段。

 ダンヒルと言ったプレミアムライターにも使えるガスなので、純度が高いと言うことらしい。

 純度が高いと圧が下がらないので、最後の最後までガスを使い切れるというのが特徴らしい。

 なので、燃えやすさは関係ない。 

 さて、どうなるか。

 あとは、神のみぞ知る。

イム・コロナ im corona ガスライター 専用ガスボンベ(レフィル) イム・コロナ im corona ガスライター 専用ガスボンベ(レフィル)
価格:(税込)
発売日:

P1080455

P1080452

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