





























酷暑が予想されたが、2019年5月25日(土)から2019年5月26日(日)にかけて、1日目は瑞牆山荘スタート、瑞牆山経由、みずがき山自然公園着として、2日目は小川山林道終点から破線ルートで信州峠、横尾山、飯盛山展望台を経由して、獅子岩まで歩く歩荷訓練を行うことにした。
計量化はあまり意識せず、テントはNEMO ANDIにフットプリントとウィンドシールドのテン泊フル装備とした。
全身着替え、行動食、雨具、予備電池、水1L、Garmin GPSmap62s等を入れたマウンテンハードウェア KOA 55Lは、10kg近くの重さになった。
暑いかなと思い、シュラフを省略して、寝具はシュラフカバーのみではあったが、流石に瑞牆山麓の早朝は寒かった。。。
1日目は、みずがき山自然公園でテン泊するだけなので、新宿駅をゆっくりスタートする。
新宿駅から鈍行で韮崎駅までアプローチした後、11:00韮崎駅発の山梨峡北交通バスに乗って、みずがき山荘に到着したのは、12:15頃になった。
瑞牆山は、今回で3回目となる。
瑞牆山荘から富士見平小屋までは、単調で斜度のゆるい登りが続く。3回目とはいえ、富士見平小屋手前の見晴台から臨む瑞牆山の全貌は、相変わらず迫力満点だった。
富士見平小屋で給水した後は、テンション高いまま、一気に瑞牆山頂を目指す。
途中、渋滞する場面もあったけど、1時間位で山頂に到着する。
天気は、どピーカンで暑かったけど、国師ヶ岳、金峰山、富士山、南アルプス、八ヶ岳の大パノラマはもう最高というしかない。
チラ見した富士見平小屋のテン場は、満員御礼の雰囲気だったこともあり、瑞牆山頂も人だらけ。
30分ほど景色を堪能し後、この日の幕営地であるみずがき山自然公園を目指して下山を開始する。
瑞牆山頂から不動滝までの区間で出会った登山者は、3組程度だったと思うが、不動滝はツアー引率の登山客で満杯だった。
そこかしこに荷物を置き、そこかしこで休憩を取っているので、ここも人だらけ。例えるなら、JR新宿駅のコンコースのような雰囲気なので、長居は無用と早々に通過することを決める。
不動滝を出発した後は、翌日の破線ルートのスタート地点となる小川山林道終点を確認してから、みずがき山自然公園に到着する。
先発隊のM店主とは、キャンプ場で合流し、缶ビールで乾杯する。
芝生広場と銘打っているだけあって、みずがき山自然公園は、ふかふかの地面、眺め最高のテン場であった。
テン泊料金は、1人1,500円と少し高めではあったけど、ロケーションは最高だし、トイレもキレイなので、その価値は十分といって良いと思う。
テント設営後は、M店主特性の豚しゃぶに舌鼓を打つ。
ちゃんと昆布で出汁を取って、豚ロース1枚1枚をしゃぶしゃぶする丁寧な豚しゃぶは、最高だった。
酒は、赤ワインを1L持参したけど、M店主はビール3L以上を装備しており、酒量でも完敗w
超絶ウマイ鍋をつまみながら宴会を続けていると、仕事が終わって駆けつけたN田氏が合流する。
翌日の破線ルートに備えて早めに就寝なんて野暮なことはせず、終了時刻が記憶にないほどに痛飲した後、テントに戻って深い眠りに落ちる。
寒くて目が覚めたのは、05:30頃だったと思う。
朝ごはんのサンドイッチまでM店主にゴチになり、酒も抜けきらないまま、テントを撤収して、スタート地点である小川山林道終点へ向かう。
水量の少なくない不動沢を渡渉して、沢沿いを西に向かって歩き始める。
踏み跡は、そこそこあって、人が通っているのは確認できる。
先人のGPSログを頼りに、地図、コンパス、GPSをフルに活用して、稜線の上を目指すも、なだらかな斜面を選好する悪いクセのためか、なかなか稜線に出られず、林道歩きを余儀なくされる。
ちゃんと立ち止まって位置確認すべきというのが、この時の反省点。
また、先人のGPSログを信じてはいけないというのも思い知った。
後日談になるが、N田氏いわく、ログをいじっている可能性があるといこと。実際、ログが通行不可能な鉄柵を通り抜けていたポイントが数ヶ所あり、判断に迷うこともあったので、N田氏の推測は間違っていないと思う。
倒木の多い斜面をショートカットしながらさ迷うこと約3時間、ようやく信州峠に到達する。
標高が低いこともあって、暑さはハンパない。移動距離というよりも、暑さで体力を消耗した感じではあるが、信州峠でリタイアはないだろうと覚悟を決めて、先へ進む。
この辺りから、食欲減退と疲れと暑さによる気力低下を感じ始める。
顕著なのは、大幅なペースダウン。ぜんぜん登れない。
自作トレイルミックス、せんべいは、喉を通らずダメだったけど、アップルパイ3個は、無理やり完食できた。
甘くてすっぱいリンゴが食べやすかったのかもしれない。
食べてからしばらくすると、不思議と気力は戻り、少しだけペースアップして横尾山に到着する。
横尾山までは、踏み跡が明瞭な登山道が続いたけど、その先は、トレースの薄い登山道に戻る感じだった。
抜け感バッチリの稜線は、とても良い。歩く気力も自然と高まる。
小川山林道終点をスタートしてから約7時間30分、無事に飯盛山展望台に到着する。
少し長めに休みつつ、M店主に入電して、合流ポイントを確認する。予定通り、平沢峠の駐車場にいるというので、駐車場を目指して下山する。
展望台から平沢峠までは30分の下りではあったけど、とにかく暑い。
平沢峠では、M店主とN田氏がビール片手にお出迎え。
冷たいビールは、超絶ウマく、五臓六腑にまさにしみわたる感じ。
荷物を車に積んで、N田氏運転の車で北杜市運営の「たかねの湯」に向かう。
「たかねの湯」は、施設は古かったけど、水風呂があって必要十分な感じ。湯量が豊富で、贅沢な入浴タイムを過ごす。
お風呂を出た後は、中央高速のPAに寄りつつ、事故渋滞に巻き込まれつつ、新宿駅に到着したのは、21時半頃だったと思う。
新宿駅でM店主とN田氏にお礼を言って別れた後、帰路についた。
以下、2日間の実測タイム。
1日目
12:25 瑞牆山荘発
12:39 富士見平林道交差
12:51 富士見平林道終点
12:55 富士見平湧水着
小休止
12:55 富士見平湧水発
13:00 富士見平小屋
13:13 小川山・瑞牆山分岐
13:17 天鳥川出合
13:50 大ヤスリ岩
14:01 弘法岩黒森分岐
14:02 瑞牆山着
小休止
14:35 瑞牆山発
14:37 弘法岩黒森分岐
15:22 不動滝
15:58 小川山林道終点
16:04 小川山林道芝生広場分岐
16:18 みずがき山自然公園着
2日目
06:35 みずがき山自然公園発
06:39 小川山林道芝生広場分岐
06:43 小川山林道終点着
小休止
07:02 小川山林道終点発
09:54 信州峠(横尾山登山口)着
小休止
10:02 信州峠(横尾山登山口)発
10:38 カヤトの原
11:18 横尾山着
小休止
11:25 横尾山発
11:51 豆腐岩
11:56 木賊ノ頭
12:08 木賊ノ大ダル
12:37 槍着
小休止
12:41 槍発
12:52 三ツ沢ノ大ダル(二ツ山峠)
13:15 三ツ沢ノ頭
13:36 十文字峠
14:09 飯盛山展望台着
小休止
14:23 飯盛山展望台発
14:35 平沢山
14:50 宮司の滝分岐
14:58 平沢峠着
2日目の破線ルートは、暑さとの戦いだった。
道迷いしたため、余計に歩くし、気持ちも落ち着かない。
しっかりと地図とにらめっこして、現在地確認を怠らない注意が必要だろう。
富士見平小屋から平沢峠までは、水は2L必要だと思う。不動沢で給水も可能だけど、真水なので消毒液携行が良いかも。
行動食は、少し工夫が必要。暑さでバテバテの中、「何を食べるか」ではなく、「何を食べられるか」が大事だと思う。
新しく投入したマウンテンマゾヒストIVは、靴擦れゼロではあったけど、クイックシューの靴紐はかなりイマイチだった。
気づくと緩んでいるので、プラの留め具が不良品なのかもしれないけど、マラソン用の靴紐に交換して対応することにしたい。
ほぼサポート隊に徹して頂いたM店主とN田氏には、感謝しかない。
サポート隊のおかげで、極上のテントライフを過ごし、快適かつ時短な移動で帰京することができた。
M店主とN田氏、ありがとうございました!
10kg近い荷物を担いで破線ルートを踏破できたことを素直に喜びつつ、日々のランニングのトレーニングの大切さを実感している。
精神的に気弱になっても、一歩踏み出せる体力があることが大事なんだろうなと思う。
ほぼ遭難と思える状況の中、下山できる体力は残しておかないと冷静になれないし、判断も鈍るだろう。
獣臭の濃い山中、登山は立派なスポーツであることを改めて実感した。
2日間の総平面移動距離は32.97km、累積上昇距離は2331mになった。
ツライ山行だったけど、振り返ると不思議とまた行きたくなる。
次は、もう少し長い距離を歩いてみたい。