誓球の空 to the victory

目指せ甲子園、願いは一つ全国制覇
頑張れ創価

涙の数だけ強くなれる。

2010年07月24日 | 随想 誓球の空 

2010年7月22日14時02分、ホームベースを挟んで試合終了の挨拶が終わり
5月半ばから始まった新たな創価伝説は、その第一ステージを終えた。

第92回全国高校野球選手権大会 西東京大会/
準々決勝

創価 3 - 15 早稲田実 (7回コールド)


選手たちは、本当に一生懸命に頑張った。 ナイスファイトだった。
そして、指導者も一生懸命に指揮を執った。

でも・・・ 野球の試合ってのは勝負だから
いくら頑張ったからといって、結果が全て良くなるわけではない。
勝負事ってのは、時として残酷で厳しいものでもある。

誰が、どうのこうのという事ではないが・・・

人が競う競技には、一生懸命に頑張っても結果としてミスが起こり、
そのミスが積み重なることもあるし、
準備万端で試合に臨んでも、得てして想定外のことも起こりうる。

そして今日、大会前から不安視されていた一つの懸念が顕在化し
結果として起こった三つのミスが、たまたま悪い方向に重なってしまった。

大会前から不安視されてた懸念とは内野の守備
結果としての三つのミスとは、先発投手の異変と代打の起用と
投手交代のタイミングではなかっただろうか?

内野守備の懸念は、選手名簿と出場選手の背番号を見比べれば分かる。
それは・・・ けっして大きな背番号の選手を使うなという意味ではなく
直前になって調子を上げて来た選手を使うなということでもない。

ここ2年の創価は、内野陣の背番号のアンバランスが続いていた。
昨年はファーストに7番、セカンドに16番、サードに5番、ショートに3番
今年はファーストに16番、セカンドに17番、サードに4番、ショートに6番

内野のポジションは、バッテリーを除けば四つある。
その四つのうち、背番号とポジションが一致してるのは昨年も今年も一つだけ
3年前に甲子園に行った選手たちの背中には、
西東京大会の時から、レギュラー番号の3番・4番・5番・6番が付いていた。

内野守備には、拘りのある片桐監督が悩みぬいてこうなんだから
監督にとっては無念だろうが・・・ 
理想とするチーム作りが、大会に間に合わなかったことが分かる。

こう言った不安を抱えたままでは、エラーが出ても苦笑いするしかない。
誰がどうのこうの?というわけではないが
熱いハートだけで、激戦区の西東京を勝ち抜くことは厳しい。

その内野守備の懸念に加えて、試合中には結果として三つのミスが重なった。
その一つ目は、先発投手の異変だろう。
マウンドに上がった先発田中のウォーミングアップを見てビックリした。
全くもってストライクコースに行かないし、
キャッチャー野倉が構えたミットにボールが来ない。

なにかが・・・ おかしい?
早実という、ビックネームに怖気づいたとは思いたくないが、
そうでなければ、神宮球場の大観衆が影響しているとしか考えられない。

大変申し訳ないが・・・ これくらいでビビっていたら
とてもじゃないが、甲子園のマウンドに立つことは出来ない。

ブルペンでのウォーミングアップ中に、その兆候は表れてなかったのか?
きっと、表れていたはずだと思う。
でも残念だが・・・ 誰もその異変を
異変だと感じ取ることが出来てなかったのだろう。
結果だけで捉えて恐縮だが、それが一つ目のミスだったと思う。

二つ目のミスは、代打の起用を選択しなかったことだろう。
私見だが、代打起用のチャンスは3度あったと思う。
いずれも6回裏だが、最初は一死から小松が歩いて打者深澤の場面
次は二死1塁から打者安藤の場面、そして二死12塁から打者鈴木の場面

5回裏に二死13塁のチャンスを逃した後だけに、ここは勝負どころだった。
4点差で迎えた6回裏、相手投手がくれた二つの四球は願ってもないチャンス
しかも、打線は下位に向かう。
確率的にみても、願ってもない仕掛けどころだったのではなかろうか?

だが、ちょっと残念だったのは
攻撃の前にベンチの横に出て、バットを振ってる選手はいなかった。
「俺が打つ」との強い思いで、監督の目を見た選手はいなかったのか?

控えの選手には、レギュラーの世話から声援までいろいろ役割がある。
それでもあえて・・・ 私見で恐縮なのだが
次の場面、次の次の場面を見据え、自主的に動ける選手がいてもいいと思う。
監督にオレを使えと、顔や目でアピールする選手がいてもいいと思う。
そんな選手がいるチームは、間違いなく強いし選手の層も厚いはずだ。

(注) スタンドの高いところで観戦してたので、バットを振ってた選手が
  自分に見えてなかっただけだとしたら、申し訳ないがご容赦願いたい。

勝負事には、リスクは付き物である。
ましてやこの回は、相手のミスで転がり込んで来たチャンスだった。

攻める創価打線は、16番・20番・17番の背番号が順に打席に入る。
ベンチには、強打が自慢の10番を付けた新井と9番を付けた日野川がいた。
三塁コーチャーズボックスには、3番を付けたキャプテンの三成がいた。
結果だけで捉えて恐縮だが、それが二つ目のミスだったと思う。

三つ目のミスは、投手交代の時期というかタイミングのズレを挙げたい。
これは二つ目のミスに連動している。

2イニング続けてチャンスを逸した。
普通に考えれば流れは相手方に行った。そう見るべきではなかっただろうか?


相手に行きかけた流れを、もう一度こちらに引き寄せ
残された終盤の3イニングに総てを賭けるとしたら
7回頭から安藤に代わってピッチャー川村・・・ だったのではなかろうか?
百歩譲って無死2塁からでも、ピッチャー川村のコールが欲しかった。

川村が投げられないのだったら・・・ それはそれで仕方ない。
でも結果として、打者一巡の猛攻を受けた後
敗戦処理的な場面で使うのは、私的にはタイミングを逸している。

ゲームには流れがあり、その流れは試合中行ったり来たりしている。
ピンチの後にチャンスあり、チャンスの後にピンチありとは
まさにその例えではなかろうか?

川村が強打の早実クリーンナップを、気迫で打ち取ったのも結果論だが
スタンドの応援団は、川村のピッチングを食い入るように見つめ、
あらん限りの声援を送った。

絶対に押さえてくれると信じ祈った。
スタンドの心は・・・ その時、間違いなくグラウンドと一つになっていた。

投げられない投手を、無理して投げさす必要はない。
でも、投げられる投手を出し惜しみする必要もない。
結果だけで捉えて恐縮だが、それが三つ目のミスだったと思う。

高い目標を掲げて臨んだだけに、結果はとても残念なものであった。
懸念やミスなんて、なければないでそれに越したことはない。
一生懸命に頑張ってのことだから・・・ その辛さは、はかり知れない。

今夏、若い監督はエースナンバーを背負った1年生投手の
並外れた重圧というものを知った。
そして、元エースと呼ばれた男のプライドというものを見た。

滅多に泣くことのない、鍛えられた男たちが流す涙は胸を打つ。
それが悔し涙だから、
思わず熱いものがこみ上げてくる。
でも・・・ 次は嬉し涙であってほしい。

負けて学ぶものがある。
負けた時こそ、真価が問われている。
批判からは何も生まれない。それは良く分かっている。

みんなが強い創価を待っている。
愚直で爽やかな新チームを待っている。

古い歌で恐縮だが、岡本真夜が歌う「 TOMORROW 」という歌の一節に、
♪ 涙の数だけ強くなれるよ。ってフレーズがある。

鍛えの8月、汗と涙を思いっきり東大和グラウンドにしみ込ませてほしい。
今秋、強くなった男たちがその証明をしてくれる。
そう信じてやまない。

頑張れ創価

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4 コメント

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Unknown (孔明)
2010-07-24 22:40:34
いつもいつも的確なお話、ありがとうございます。
確かに5、6回のチャンスをものにしていれば終盤に川村投入で一気にひっくり返せたかもしれません。
今回だけに限らず、片桐監督は代打策と継投策はかなり後手だと感じます。もちろん結果だけで判断することはできませんが、もう少し思い切った作戦を取ってほしいという気持ちはあります。新チームも豊富な投手陣で勝負することになるでしょう。打ち込まれてから代えるのではなく、早目早目の積極的な采配を期待したいです。
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新チームに期待してます。 (誓球の空)
2010-07-25 14:27:14
孔明さま

コメントをいただき、ありがとうございます。
新チームに期待したいですね。
また、もっともっと戦略的な采配にも期待してます。
新チームの投手力は、ベンチ入りしてなかった選手にも良い投手がいるので期待出来ます。
その他のポジションや打線は、今夏ベンチ入りの2年生が少なかったことから推察すれば
全部員にレギュラーのチャンス有り、ではないでしょうか。
層が厚いワクワクするようなチームが出来ると良いですね。
返信する
Unknown (孔明)
2010-07-25 15:25:21
確かに新チームの投手陣は期待できそうですね。野手に関しては、ここ数年どうしても線の細さが気になります。もちろん体が大きければいいわけではありませんが、早実戦で鋭い長打を放った藤田君、五反君、野倉君はいずれも小柄ながガッシリした体格でした。身長を伸ばすのは難しいですが、腕回りや胸板を厚くすることは努力次第でどうにでもできます。時間は短いですが、まずはしっかり身体づくりをするのが大事だと思います。どうしてもパワー不足だと感じますので。
返信する
Unknown (誓球の空)
2010-07-26 20:43:28
体格的にみれば、1年生はけっこう大型の選手が揃ってるとみました。
2年生は大人しいタイプの選手が多いようにみえましたが、
彼らなら、負けじ魂でやってくれるでしょう。
確かに今はパワー不足かもしれませんが、素材は一球品ですから・・・
期待しましょう。
返信する

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