誓球の空 to the victory

目指せ甲子園、願いは一つ全国制覇
頑張れ創価

2011年 春季東京都高校野球大会 3回戦

2011年04月08日 | 誓球の空 2011 

[写真] 7番サード鷹家、満塁ホームランを放ち華麗にホットコーナーを守る。

2011年04月08日(金) 12:56‐15:05 曇り 強風 江戸川区球場

      1  2  3   4  5  6   7  8  9    計
実践学園  0  0  2   0  0  0   4  0  0  =  6

創価    5  0  0   0  0  0   0  0  0  =  5
[ 投 手 ] 小松

[ 本塁打 ] 鷹家(1裏/左/4点)
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ]

1番(中)河村②→(7表/右)渡邊③→(9裏/打)馬込③、2番(遊)鈴木②、3番(投)小松③、4番(左)井上③、
5番(二)柿沼③、6番(中)春原③、7番(三)鷹家③→(9裏/走)平向③、8番(捕)篠原③、9番(一)安藤③

試合の流れというものは、9回の攻防を繰り返す中で二転三転するものだと思っていたが、
創価に向いて流れていたのは・・・ 2回裏無死1塁までで
それ以降はリードしてたものの、流れは終始実践ペースだったと言ってもいいだろう。

今日の東京は朝から厚い雲に覆われ、南からの8メートルの風が猛威を奮っていた。
東京湾に近い江戸川区球場は、ライト方面からレフト方面に強風が吹き抜け
その風がグラウンドの砂を巻き上げ、何度も試合が中断したにも拘わらず
グラウンドへの散水はホースではなく、如雨露を使ってのお慰め程度
両チームともに条件は同じだが・・・ もうちょっと何とかしてほしかった。

第一試合が長引き、試合が始まったのは13時ちょっと前
対戦相手は好投手三竹君を擁し、昨夏西東京制した早実を寸前まで追い詰めた実践学園だ。
7年前の秋のこともあるし、なんとかリベンジを果たしてほしかったのだが・・・


 
[写真左] 強風で砂塵が舞う江戸川区球場、再三中断があり両チームの選手は大変であった。
[写真右] 力投するエース小松、勝負どころの変化球は切れてたのだが・・・

初回、後攻めの創価のマウンドにはエースナンバーの小松
先頭打者を歩かすと、初球に犠打を決められ、いきなりピンチを招く
3番の当りは痛烈だったがサード鷹家の正面、グラブをはじかれたが胸に当て落として二死 
4番の当りは緩い当りの3塁線、逆シングルで巧く捌くが送球がそれてしまい内野安打
記録は内野安打だったが、焦らずに普通に投げてれば楽にアウトだった。

ここまで小松は、変化球が決まらず苦しいピッチングが続く。
5番にも上手くミートされる。
金属音にヒヤッとしたが、打球はセカンド柿沼の真正面に飛び辛うじてピンチをしのいだ。

その裏の創価は簡単に1番2番が倒れたが、3番小松と4番井上が四球を選び二死12塁
5番柿沼は打ち辛そうなスイングだったがファールで粘りタイミングを図る。

そして、ツースリーから内よりのボールを巻き込むように叩くと、
打球は3塁線抜けファールグラウンドを転々
1点先制してなおも二死23塁から6番春原も歩いて二死満塁

7番鷹家は山をはっていたかもしれない。
この回3四球で、押し出しを避けたい相手投手は必ず初球はストレートでくると・・・
初球だった。鋭く振り抜いた打球はレフト後方に高々と舞い上がる。
打球は若干風に流された感もあるが、流された先にはフェンスが弧を描いており好都合
相手レフトが注し出すグラブの先にポトリと落ちた。

グランドスラムで4点追加、ド派手な点の取り方だが・・・
ここまでは、創価がぐっと流れを引き寄せていた。

 
[写真左] 先制打を放ったセカンド柿沼、堅実な守備で再三のピンチを守り切る。
[写真右] 満塁ホームランを放ち迎えられる7番鷹家

小松は2回も一死からヒットを打たれたものの、どんどん強気で攻めてくる。
5点先制も功を奏してか、初回は決まらなかった変化球がビシビシ決まりだした。

ところが・・・ 2回の裏、この流れが一変してしまう。
先頭の9番安藤が初球を鋭く叩いてライト前に運んで無死1塁から
1番河村は、セオリーどおりに最初から犠打の構え
1球みた2球目にバンドをするが、これが少し強すぎ相手投手のやや右に転がる。

さらに河村は犠打の後のスタートが遅れてしまい・・・ 1-6-3と渡って併殺
俊足の河村だけに、フライでも上げない限り犠打ゲッツーは無いと思ってたが
打球の強さ、転がった位置、スタートの遅れと三つも重なってはどうしようもない。
2番鈴木もショートゴロに倒れ、結果この回は三者凡退となってしまった。

なんとなく・・・ 悪い予感というか胸騒ぎがしたが、その答えは直ぐに出てしまった。
3回小松は簡単に二死を取るが、相手3番の打球は相手ながらアッパレ
もの凄い弾丸ライナーが左中間の最深部にあっという間に飛び込むホームランとなった。
さらに4番に初球をセンター前にクリーンヒットされ二死1塁
5番は初回と同じような当りだったが、セカンドがベースに寄っており12塁間を抜ける。

そして・・・ 流れが変わってしまったことを、しっかりと確認することになった。
おそらくライト河村は、3塁へ走られるのを阻止しようと思ったのだろう。
猛然と突っ込んで来ながら捕球態勢に入るが、
打球はイレギュラーもしてないのに、グラブに触れることもなく
誰もいない外野グラウンドに抜けて行った。

2点目が入って、なおも二死3塁
この後、6番をショートゴロに打ち取りこの回は2点で凌いだものの
実践のクリーンナップは、けっして大振りせずコンパクトなスイングでミートが上手い。
強気のストレート一辺倒の勝負は要注意だろう。
特に右打ちに徹してる5番には、3番4番が出て打席が回って来るだけに細心の注意が必要だ。
どうやら流れは、完璧に相手に行ってしまったようだ。

この2点に気を良くしたか、相手の三竹投手が完全に立ち直った。
3回裏と4回裏の創価は三者凡退、5回一死から1番河村が三遊間の最深部に転がす。
送球が高かったのでショートの失策とランプはついたが、
河村の足が先だったように見えたので、内野安打でもおかしくはなかった。

河村は、おそらく3回表の汚名返上に燃えていたのだろう。
リードはいつもの歩幅だったのかもしれないが下半身の余分な力が抜けてなかった。
そこをついた相手投手の巧みな牽制、タイミング的には微妙だったが逆をつかれたことは間違いなく
無情にも1塁塁審の右手が上がってしまった。

牽制アウト、いつもの近藤監督だったら、おそらくここで選手交代となるのだろうが
俊足のトップバッターとして、守備範囲の広い外野手として
公式戦の緊張感と厳しさを経験させたかったのだろう、代えることはなかった。
気持ちは理解できるが、結果的にはこれが敗戦につながる守りのミスへと流れていく。

そして向かえた7回表、相手は1番から始まる好打順
1番はセカンドゴロに打ち取るが、2番が三遊間への内野安打で出ると
小松はホームランを打たれた3番との勝負を避け、ストレートの四球で歩かせ一死12塁
4番は渾身の変化球を振らせて空振りの三振で二死12塁

次は右打ちの5番、ここで小松の強気が裏目に出てしまった。
ストレートを鋭く振り抜くと、打球はセカンドの頭上を超え右中間を抜けていく。

もし、仮に・・・ 仮にライト河村に元気があったら、
打球に追いつきワンヒットで止められてた当りだったかもしれないが
打球は、その河村が懸命に差し出すグラブの先を抜けて行った。

2点返されて5対4、なおも二死3塁のピンチだが逆転されたわけではない。
ここを凌げまば、流れはまた変わるかも・・・ しれない。

続く6番は当り損ねの緩い当り、ショートの正面へ転がったが鈴木がこれをファンブル
あれだけ堅守で、再三のピンチを救ってきた鈴木だったが余程の緊張があったのだろう。
ここ一番の場面で、上手の手から水が漏れてしまった。

同点となって二死1塁、7番の打球はライト定位置へのフライ
ところが・・・ 今度は河村が目測を誤った。
そのまま5~6歩前に出れば、楽々捕球出来てたのに・・・
何を勘違いしたのだろうか、逆風が吹いてるのに思い切りバックを始めた。
そして、振り向いて打球が飛んで来ないのを確認すると
猛然と前に突っ込むが・・・ もう後の祭り、定位置の5~6歩前にポトリと落ちた。

記録はライト前ヒット
でも・・・ これは記録には残らない痛恨のミスであることは間違いない。
そして、ここで河村から渡邊に交代することになる。

それでもまだ5対5で二死23塁、逆転されたわけじゃない。
若干ながら気落ちが否めない小松だったが、
ならば三振でと思ったのだろうが・・・ 今度はこれが小松の力みとなる。

指に引っかかり過ぎた変化球は、ホームベースを叩いて大きく跳ねる。
中腰でキャッチャー篠原が体を持ってくが、篠原の右肩を叩いて後方に転がる。

小躍りしながら3塁走者が戻って来て、とうとう逆転をゆるしてしまった。
タラレバを言えば、おそらく5対4で勝ってたかもしれない試合だと思うが
高校野球の恐ろしさを改めて確認することになってしまった。

得てして悪いことというものは、重なることが多いと思う。
よって、失点は結果であっていたしかたないが、
本当に強いチームだったら、相手が追いかけるのを諦めるぐらい
もっと早めに追加点を取り序盤中盤で突き放していると思う。

チャンスが全くなかったわけじゃない。6回裏の創価は二死23塁と攻めていた。
7番鷹家の当りは相手ショートを強襲したが、
実践の守備陣は、慌てず前に落としてから落ち着いて送球し追加点を阻んでいる。

逆転を許した7回裏も、一死満塁と攻めるが期待の3番小松はファーストへのファールフライ
さらに二死満塁から4番井上の時に、セカンドランナー渡邊が牽制で刺された。
勝負どころでは相手の方が落ち着いていた。ディフェンスの場面なのに攻めていた。

最終回も一死2塁とするが、9番安藤は三振、代打の馬込はレフトフライ
とうとう1点が重く届かなかった。

あえてもう一つ、タラレバを言わせてもらうと・・・ 1塁側スタンドからみれば
安藤のスイングは体が突っ込んだだけで、バットは半分もスイングしていない。
というか、ほんのちょっとピクッとして揺れただけ
それでも・・・ 主審の位置からは、あれがスイングに見えるのだろう。
残念だけど仕方ない。
逆の判定が出る場合もあるのだから・・・ それも含めて高校野球だと思うしかない。 

本当に残念な試合だったけど、振りかえるに本当に強いチームだったら
味方のミスを帳消しにする攻撃があるし、味方のミスを帳消しにする守備力がある。

だが・・・ 現時点の創価には、その両方が少し足りなかったと思う。
大変申し訳ないが、これが現時点での実力と認めざる得ない。

 
[写真左] 2回裏無死1塁、1番河村はしっかり腰を落として犠打を決めに行くが・・・ 
[写真右] 守備範囲が広いショート鈴木、右に左によく走りよく守ったが・・・


昨夏、近藤監督を迎え新チームとしてスタートして以来
厳しい練習に耐え、鍛えに鍛えたと思う。練習量では絶対に負けてないと思う。

だから、どんな打球でも絶対に恐れないし、エラーをするはずがない。
だから、どんなボールでも食らいついていく。絶対に打てるんだ。
そう思えるようになるよう、強い心を持ってほしいと願う。

創価大学の硬式野球部の指針にはこうある。
「 心で勝て、次に技で勝て、故に練習は実践、実践は練習 」と

まさに練習は実践、実践は練習である。
平常心で戦える心をもってこその技だと思う。
君たちは努力してるんだ。もっと自信を持ってほしい。

長い人生においては、越えなきゃならない壁の数は山ほどある。
それこそ山のような大きな壁もあるだろう。
人生における壁は、必ずしも結果の全てが上手くいくことはないが
壁に立ち向かう心に、壁を乗り越える因がある。

本当の勝負は夏だ。
下を向き、涙するような時間はない。
前を向き泥んこになって白球を追っかけてほしいし、しっかりバットを振ってほしい。
夏に向けて、心も技もひと回り成長してほしい。

頑張れ、創価 本当の勝負はこれからだから・・・

最後になるが今春の二試合を見て、ちょっと気になってたことがあるので一言だけ言わせてほしい。
バッテリーは、もう少し配球を工夫してほしい。

その理由は、今日の小松投手が11安打されたことにあり
個人的な思いだが、そんなに安打を打たれる投手ではないと思っているからである。

打たれた安打の7割方は、ファーストストライクのストレートではなかっただろうか?
若しくは強気でストレートを続けた場合ではなかろうか?
変化球は殆ど打たれていない。
打たれたボールの配球は、ほとんどこのパターンだったと思う。

つまり、初球若しくは3球目以内のストライクを取りに来るストレートか
ストレートで三振を取りに行ったボールが外れた次のストレートを打たれている。

ストレートを投げる配球が、相手のリズムと合っている場面が多い。
ヒットの殆どは決め打ちされてるような感じがして仕方ない。
初球の入り方を工夫し、無理に三振を取りに行かなければ・・・
小松投手は、そんなに打たれる投手ではない。 私はそう思っている。

もう10数年も前になるが、ある月刊誌で当時のエース大木投手の記事を読んだことがある。
力勝負の出来る速くて重いボール投げる投手に、
近藤監督は「力勝負で三振を取りに行くな。打たせて取れ。」と言ったとあった。

力勝負を極力避け、打たせて取ることに心がければ、
球数が減りスタミナも消耗しないし、野手のリズムも良くなる。
もっと内野ゴロを打たせることが出来るよう、バッテリーで配球を工夫してほしいと願う。

強気のストレートは、見ている側にビンビン伝わるが、でも・・・
それでも打たせて取る。いやいやバットを振らせる。
どん詰まりよりも、ついバットを出してしまった。引っ掛けてしまった。
気が付けば内野ゴロの山、個人的な願望だがそんなピッチングが見てみたい。

夏は、キャッチャー篠原の頭で勝つ。
良いんです。
それで良いんです。 頑張れ、創価バッテリー


1
表/実践 四球、犠打、三ゴ、三安、二ゴ
  裏/創価 右飛、一ゴ、四球、四球、左二1点、四球、左本4点、二ゴ
2 表/実践 二ゴ、左安、中飛、三振
  裏/創価 右安、投ゴロ併殺(犠打失敗1-6-3)、遊ゴ
3 表/実践 遊飛、三振、中本1点、中安、右安(後逸)1点、遊ゴ
  裏/創価 左飛、二直、遊ゴ
4 表/実践 捕邪飛、四球、左飛、一ゴ
  裏/創価 三振、二ゴ、三ゴ
5 表/実践 中安、三振、遊ゴ(6-4-3で2塁アウトで1塁へ暴投、折り返しの2塁も暴投)、右飛
  裏/創価 右飛、遊ゴ失、左邪飛、牽制死(1-3)
6 表/実践 遊ゴ、三ゴ、四球、三振
  裏/創価 遊飛、左安、右飛、右安、盗塁、遊ゴ
7 表/実践 二ゴ、遊安、四球、三振、右中間三2点、遊ゴ失1点、右安、暴投1点、三振
  裏/創価 死球、犠打失(2塁暴投)、投ゴ(犠打失敗1-5)、左安、一邪飛、牽制死(1-6
)
8 表/実践 二ゴ、三振、三振
  裏/創価 二飛、三振、三振
9 表/実践 左安、二ゴ、左安、二ゴ併殺
  裏/創価 死球、犠打、三振、左飛、試合終了

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