Tepper MBA Diary

カーネギーメロン大学(Tepper School)でMBAの勉強をしている「Kei」の学生生活を綴ります。

嬉しい出来事

2006-02-20 06:54:52 | Weblog
今日、ささやかながら嬉しい出来事があった。

Corporate Finance(企業金融)という授業の宿題を仕上げるために、チームミーティングをしている時のことだった。

私が次のような冗談を言った。
「数人の学生が、先生にお願いしたんだって。『就職活動の面接が立て込んでいるので、宿題の提出期限を遅らせてほしい』と。そしたら、先生はこう答えたんだ。『もちろん構わないよ。点数は半分になるけどね。』」

みんなの笑いを誘うことはできたんだけれど、チームメンバーの一人、Brianが次のように切り替えしてきた。
「誰だ、そんなことをお願いする奴は。Kei(私)のように英語が母国語でない学生でもちゃんと期限に間に合わせるように努力しているのに、英語がNativeの学生が、そんなお願いをするなんて、もっての外だ。」

私が何よりも嬉しかったのは、彼が私をいい例として使ってくれたことだ。(もちろん、お世辞も入っているとは思うが。。。)

私は、特にこのチームでは貢献できない自分に常に負い目を感じつつやってきた。
このチームは、私以外は英語がネイティブの学生ばかりだ。MBAではよくある話だが、日本人がこういうチームに入ると貢献するのはかなり難しい。言語の壁があって、ミーティング中の深い議論に食い込むことが難しいからだ。

そこで、日本人として貢献するためには、積極的にミーティングの日程調整を買って出たり、他のメンバーが欲しいと思う資料を先回りして作っておいたりするのが一つの手だ。(数量分析で貢献するのも手だが、今回のチームメンバーは皆、私以上に数量分析が得意なので、この手は使えない。)

今日が最後のミーティングだったので、思い切って議論のたたき台となる資料を作って出したところ、それがかなり認められたようだ。体調不良だったので、宿題の論文を読むだけにしようと思ったけれども、頑張ってたたき台の資料を作って本当に良かったと思う。

ちなみに、たたき台を作るのも勇気がいる。「的外れのたたき台だったらどうしよう」とか、「誤字・脱字があって下手な英語がさらにばれたらどうしよう」とかいう不安がつきまとう。

でも、相手の立場に立って、何が必要なのかをよく理解すれば、案外貢献するのは簡単なのかもしれない。

相手が欲しいものを提供できた自分と、自分を評価してくれた同僚の言葉に勇気付けられた一日だった。

※ちなみに、今回の宿題は私の仕事(人事)に関するもので、興味深いトピックだ。Executive Compensationを組み立てる際に、「ゲーム理論」の考え方を取り入れることの大切さと、また、その限界を扱う課題だ。「ゲーム理論」をよく理解するのは難しいけれど、現実のビジネスへ幅広く適用できる考え方なので、是非マスターしたいものだ。

(作成時間:30分、うーん。かかりすぎ)

悩める日々

2006-02-14 10:45:07 | Weblog
ここ数日、何故か勉強に集中できない。というのも、新しくPresidentになったABAの運営のことが頭から離れないからだ。

少しもめたが、空席になっていた役員の席もうまく決まった。予算要求もほぼ完成している。特に大きな問題があるわけではないのだが、何か落ち着かない。

おそらく、「新しくPresidentになったのだから、新しい価値を生み出さなければ」という気持ちが先走っているのだろう。

メンバーのニーズとクラブが提供するサービスのミスマッチを解消することで、大きな価値が生み出されることは目に見えているのだが、「焦り」の気持ちがとても大きい。(機会があれば、後日このブログで、Tepperで学んでいるマーケティング(Segmentation-Targeting-Positioning)の考え方を用いた、新しいクラブのValue Positioningを書いてみたいと思う。最近はこのことばかり考えている。)

ふと、昔お世話になった上司の話を思い出した。彼が始めて管理職になってチームを任されたとき、「早く成果を出さなければ」という思いに駆られたそうだ。彼は部下に完全に仕事を任せることができず、失敗しないようにすべて先回りして部下達を助けていたそうだ。

しかし、ある時、彼は恩師(彼の上司)の言葉で気付いた。いつまでも先回りして部下を助けているようでは、チームの意味が無い。チームのメンバー一人ひとりが成長して、自ら成果を出せるようにすることが、チームとしての力を高めていくのだと。それ以来、彼は部下に仕事を任せて、先回りしたい気持ちを押し殺すように努力したそうだ。そしてついに、部下が成長し、自ら成果を出し始めるようになった時、今までにない達成感・嬉しさを感じたそうだ。彼は言っていた。「自分が成功したときよりも、成長した部下が成功した時の方が100倍嬉しい。」

今の私はどうだろうか。彼の体験談を聞いていたので、他のメンバーへの過度な干渉は避けるようにしている。でも、逆に自分の思いを伝え切れていないようにも感じる。何よりも、今の状況を楽しめていない自分がいる。

ここは、腰を据えて、落ち着いて取り組んでみようではないか。新しいABAは今始まったばかりだ。まだ先は長い。ルームメイトの一人、Philipもよき相談相手になってくれている。(彼は私より5歳ほど年上で、本当に経験豊かだ。)ぼちぼちやろうではないか。

(作成時間:15分、次回はビジネススクールらしく、ロジカルな話を書きたい。)

Presidentに当選!

2006-02-10 11:46:28 | Weblog
Tepper Schoolにはいろいろなクラブがあります。大きく分けて、Consulting Club, Hedge Fund Clubなどの、仕事に直結するBusiness系のクラブと、Wine Club, Golf Club, South Asisan Business Associationなどの文科系クラブ。

今日は、文科系クラブに属する、Asian Business Association (ABA)の新役員の選挙がありました。私はPresident(ABAのトップ)に立候補していました。対立候補がいましたが、当選することができました。英語もそれほど得意でない私が、約50人のメンバーがいるクラブの部長に選ばれたのは、本当に感無量です。

このクラブには、日本、韓国、中国、台湾、タイ、インドネシアなどの主に(インド以外の)アジア出身の学生と、アジアに興味があるアジア以外の国の学生が加入しています。前回のブログで書いたように、アジアの国々の学生と同居しているお陰で、ダイバーシティーを示すことができたのと、韓国・台湾人の学生の多数派をおさえていたので、勝つことができたのだと思います。

驚いたのは、「Presidentに立候補していてPresentationするので見に来てね」とお願いしたら、ほとんどみんなが「Keiに投票するよ」と言ってくれたことでした。さすがにダイレクトに投票をお願いする訳にはいかないので、見に来てほしいとだけ伝えたのですが、「君に投票するよ」と言ってくれたのは、本当に嬉しかったです。

アジアの国々で働いていたことのあるアメリカ人のJoeからは、次のようなお祝いのメールをもらいました。お世辞もかなり入っていると思いますが、でもとても嬉しかったです。

----
Hi Kei (errr, Mr. President),

I wanted to thank you for inviting me to come to the ABA meeting today. Your speech was truly excellent! You have a very natural public speaking style. I have to remind myself that English is a second language for you because you carry yourself so well in front of an audience in English. Great job. I was happy to see that you won and wish you the best as President.

Anyway, I enjoyed working with you last Fall in optimization and hope that we can find time to work together again in the future. All the best, Joe
----

今日、共に選ばれた新しい役員たちと協力して、ABAの価値を上げていかねばと、改めて思う次第です。

(作成時間:20分)

ルームメイト

2006-02-09 15:06:59 | Weblog
そう言えば、ルームメイトの写真をまだ掲載したことがありませんでした。
写真の左から順に、Yoon (韓国出身)、私、Rohan(インド出身)、Philip(台湾出身)です。
彼らの紹介はまた、追々掲載します。

(作成時間3分)

Steelers 優勝!

2006-02-06 13:26:03 | Weblog
突然前回から話題が変わりますが、ピッツバーグの町が大変なことになっています。みんな町に繰り出して、歓声をあがています。車はクラクションを鳴らしながら走ってますし、鍋を打ち鳴らしている人もいます。

ピッツバーグのアメフトのチーム、"Steelers"がSuper Bowlで優勝したのです。Super Bowlへの出場は10年ぶり、優勝はなんと26年ぶりだそうです。

今日(2月5日)のSuper Bowlの1週間ほど前から、町は大盛り上がりでした。至る所にSteelersの応援旗などが掲げられ、なんと道路上の電光掲示板には"Go Steelers!"の文字が。日本で言うと、大阪市の道路の電光掲示板に「阪神タイガース頑張れ!」と表示されているようなもので、とうてい考えられないことです。
それほど、アメフトは地元の人々とチームが密着しています。

明日はピッツバーグのすべての学校が2時間授業を遅らせて始めることを決めたそうで、私の通うTepper Schoolはどうなるのか、興味津々です。

こんなタイミングでピッツバーグにいることはまずないと、ルームメートのPhilipに誘われて、町に繰り出してみました。

(写真:私と一緒に町に繰り出したルームメイトのPhilip )

(作成時間10分)

人間形成

2006-02-04 12:58:27 | Weblog
突然ですが、久しぶりにブログを更新します。また、日本語に切り替えます。

これまで、時間が無かったのと、英語で書くことが重荷になっていて、すっかり更新が滞ってしまいました。また、三日坊主になるかもしれませんが、頑張って続けてみたいと思います。

さて、久しぶりにブログを書こうと思った理由は、自分にとって非常に意味のあることに気付いたからです。

最近、どうも自分の行動・考え方が薄っぺらい感じがしていました。なるべく視野を広く持つようにこころがけ、ビジネスの実務書、仕事のやり方・考え方を(ある意味劇的に)向上させる本も読みましたが、自分はどこまで物事の本質をつかんでいるのだろうか、という疑問が頭から離れませんでした。

妻と議論していて気付いたのは、「人間形成」でした。何かというと、人間の厚みというものは、決して理論や頭の回転の速さだけで決まるのではないということでした。とても貧しい生活を送ってきて、苦労して一財を成し遂げた人は、1円の重みを本当によく理解しているように、その人の体験とその折々で感じたこと、判断したこと、挫折したこと、嬉しかったこと、感動したことなどが折り重なって人間の厚みを作っているのではないでしょうか。そうした体験を積み重ねてきた人の意思決定や判断には重みがあります。もちろん、屈折した体験が正しくない判断を招くこともありますが、「体験」と「理論・方法論」とはある意味、全く違うもののように思います。

体験は自分で積み重ねていくしかないですが、それを加速するものとして、「本」があります。私は昔からあまり本を読まない方で、本を読むとしても実務書に限られてます。でも、本来私が読むべき本は、様々な人がその場その場で感じたこと、判断したことをVividに捉えることができる本だと思いました。「罪と罰」「竜馬が行く」「雪国」、、、何でもいいですが、興味の持てるものから、とにかく(実務書以外の)本を読んでみようかなと思っています。

方法論ばかり勉強して、自分は何かアンバランスになっているな、と感じていたようです。英語で言うと、「My gut tells me...」というところでしょうか。

(作成時間:40分 (かかりすぎ))