1989年に発表された論文によると、人間は自分の周囲にいる人たちの特性を互いに交換しあう特性があることが確認できたそうだ。
心理学ではこの現象のことを『伝染の法則』という。
共感能力を媒介し、自他の性格や経験から得られた特性などはそばにいる限り継続して交換される。
なにか特別な感情を持ち合わせる必要はない。『そばにいてくれること』という特別を忘れていても、問題なく要素は交換される。
嫌悪感や道徳への関心といった行動・制動の仕様もこの時に交換され、そして強化されることからこの法則は民族性をかたどる要素の1つとしても認識されている。「日本人は魚を生で食べる」とかがいい例だな。
郷に入っては郷に従えを地で行く、生存本能の一種だ。
よく「最も身近な知人5人を足して5で割って、求めだされた要素は自分である」といわれるのはこのため。この発言はあながち間違いではない。
この法則のいいところは、近くにいるだけで特性が伝搬すること。
この法則の悪いところは、近くにいるだけで特性が伝搬すること。
どうとでも語れてしまうんだ。どうとでも。
参考文献
Paul Rozin, Carol Nemeroff et al (1989) Operation of the sympathetic magical law of contagion in interpersonal attitudes among Americans.