2004年に発表された論文によると、職場で受けるストレスのうち性格などの内面的な要素が原因となるものは、5年以上前の性格やストレス状態からも判別が可能とのこと。
また性格と学習スタイルに相関があることから、例えば学校の授業でどのようにふるまっていたかで、職に就いた時の振る舞いやストレスの受けようが判別できるとも主張している。
具体的には、「授業で習う知識に価値も意味も見出さないような姿勢」は誠実性の低さと知識に対する開放性の低さからなるものであり、そのような姿勢が構築される2つの性格傾向が職場で働いた時の生きづらさを引き立てるのだという。
仕事に対する学習意欲も行動意欲もないのに労働の義務が課せられる場所にいたら息苦しいよねと、やる気もないのに宿題ずっと課されてたら嫌になるよねと、そんなイメージだ。
ちなみに、今回の論文では他2つの学習態度に関するアレコレも取り上げられた。
1つが「授業を効率よく学びテストの点数を効率よく稼ごうとする姿勢」でああり、こちらは誠実性の高さと知識に対する開放性と関連する。
1つが「授業に出る知識を深く掘り下げて語られないところまで学ぼうとする姿勢」であり、こちらは誠実性の高さと知識に対する開放性と関連する。
どちらも授業で用いた戦略をそのまま職場に転用する傾向にあり、この2つの姿勢を構築する性格は職場でのストレスを強化しないか、もしくはストレスを乗り越える要因になるという。
学校と社会を分離して考えがちだが、学校での過ごし方が社会に出た後の身のなり様を予測することを、この研究以外にも複数観測されている。「あのときマジメに勉強しておけば……」という後悔は、こういった側面からも強化されているのだ。
注意点として、学習スタイルそのものがストレスに影響を与えているわけではない。学習スタイルを構築する性格が職場での振る舞いを決め、またストレスの受けようを変えるのだという。
ーーーまた、性格によるストレスの受けようと、職場が原因で発生するストレスに相関はないという。
関係性としては、職場が原因で発生するストレスが基礎数値となり、性格が数値に対する倍率となる、そんなイメージだ。
「この職場がブラックだから!」とか「お前の気の持ちようが!」とか醜く争ってないで、
ストレスの要因としてはどっちも考えられるから、労働基準監督署と心療内科をはしごしましょうね。
参考文献
IC McManus, A Keeling et al. (2004) Stress, burnout and doctors' attitudes to work are determined by personality and learning style: A twelve year longitudinal study of UK medical graduates.