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ばりん3g

HIKAKINさんとコムドットさんの、登録者数の得方の違い。

2005年に発表された論文によると、着飾りや流行への乗っかり、そして過剰なまでの攻撃性をあらわにする人は、同年代もしくは周囲からの評価を得るための彼らなりの策であることが示唆された。

具体的には、今回の研究で『社会的人気』と『合意的人気』という2つの人気を構築するための要素が判明したという。

社会的人気は協調性と共感能力が高く表れ、また攻撃性が低い人に発生する人気であり、周りからは対人関係をきちんとこなすしっかり者として評価される傾向にある。社会的人気は性格を起因に自然発生するので、対象が人気を得たいという目的を持たずとも、評価が与えられるようになる。

合意的人気はユーモアや攻撃性が高く、流行の服を着ている人に発生する人気であり、周りからは欲望や羨望に触発されて生まれる漠然とした『良い』評価を得る傾向にある。合意的人気は人為的な発生が可能であり、対象が評価を得たいという明確な目的のもと発生させることができ、結果的に評価を回収できるようになる。

……YouTuberで表現するのであれば、HIKAKINさんとコムドットさんの登録者数の得方の違いである。HIKAKINさんはあふれ出る人柄の良さも相まって登録者数1000万人を達成でき、コムドットさんはわざと攻撃的な動画を連発することで登録者数を一気に獲得できた。この違いだ。

面白いのが、この手法も要素も違う2つの人気の得方で発生する周囲の評価は、どちらも『良い』ものであるというところだ。人柄の良さで集まる人気も、身なりと挑発で集める人気も、周囲からは同じ人気者として扱われる傾向にあるというのだ。

 

なお、ときどき流行を極端に嫌い、また同意的人気を得るものを極端に嫌う人がいるのは、同意的人気を得たものからの粗雑なあしらいを受け、評価的条件付けで流行ものも一緒に嫌うようになったから、という推測が立った。

 

ーーー私には、ファッションに気遣い流行に目がなく、やたら人にちょっかいを出す知人がいるのだが、

先日、偶然にもその知人を評価していた人と対面した。

その人は知人を「いい人ですよ」と一言で評価した。それ以上の言及はなかった。

まぁ、そんなものだろう。

 

 

参考文献

Eddy H. De Bruyn,Dymphna C. Van Den Boom (2005) Interpersonal Behavior, Peer Popularity, and Self-esteem in Early Adolescence.


論文を参考にいろいろ喋るブログです。

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