2012年に発表された論文によると、美術分野において中途半端に知識を得た人はその中途半端な専門性(知識や経験)が判断基準となり、思うように判断できず、開き直って直観に頼ったほうがいい成績が得られることとなったのだそう。
これは「無知であればあるほど自分が無知であることに気づけない」ダニングクルーガー効果の一面を表すものである。
無知がゆえに自分の能力を正常に把握できず、無知からくる万能感に満たされ、無知による判断能力の乏しさに自他ともに苦しんでいく。
一番身近な例を挙げるとするならば「僕はものすごく原子力は強いんだ」かな。
直観をおすすめするのもどうかと思うが、少なくとも中途半端な知識で悩んだり迷惑をこうむったりするよりかは、いい結果が得られるらしいぞ。
もっとも、対象が中途半端な知識を持っていることに気づけるかどうかだが……。
ちなみに、全くの専門性を持っていない初心者や、専門性をしっかりと身に着けた専門家は、判断基準が専門性で狂うことはなかったそうだ。
ーーー補足。
判断基準や専門性をテーマにした研究は、その対象分野によって結果が大きく異なる。
くれぐれも、結果を混在しないよう。
参考文献
Koen A. Dijkstra,Joop van der Pligt et al. (2019) Deliberation Versus Intuition: Decomposing the Role of Expertise in Judgment and Decision Making.
朝日新聞DIGITAL 2011.3.16 首相「僕はすごく原子力に強い」 内閣特別顧問に語る