初めに・・・沢山の亡くなられた方の御冥福をお祈りいたします
被災された沢山の方々にお見舞い申し上げます
郁ちゃんのお母さんは1978年の宮城県沖地震を経験していて、郁ちゃんも郁ちゃんの妹も一緒に経験しているので、地震の恐怖は十分に知っています。
地震がくる度に怖がるお母さんを何十年と見てきた郁ちゃんの気持ちを考えると『すぐにでも会わせてあげないと』と思ったWailaniでした。
ガソリンも残り少ない・・・デジタル表示では『残り150km走行可能』。
でも停電なのでスタンドも閉鎖状態です。
『大丈夫っしょ』とソフィーやミカエルにお願いし仙台へ出発
停電しているので信号機も消えています。
でも、みんな譲り合いの心で少しずつですが進んでいきます。
国道48号線 関山峠は山形⇔仙台の生命線の1つなので、ここが通行止めになるとかなりヤバイんです。
幸い、本震・余震による土砂崩れなどは無く暗闇のトンネルを抜け宮城県へと入っていきます。
『余震・東根市』東日本大地震2011.wmv
仙台市も全域停電という情報をラジオで知り、地図をみて信号の少ない道を調べます。
ガソリンがギリギリなので渋滞は絶対避けなければいけません。
かと言って遠回り過ぎてもWailaniが帰れなくなります。
暖房も止め節約運転と急加速急発進を避けなければいけません・・・。
しかし仙台はアップダウンのある道が多く、選択を間違えば相当なガソリンを消費するハメになっちゃいます。
国道を避け横道に入りすぐに坂道がやってきました。
上り坂もアクセルを弱めにし、ゆっくり上がっていきます。
山道を抜け安心していると・・・裏道も大渋滞
『みんな同じ考えなんだなぁ~』と感心しながらすぐに別ルートを探します。
数キロの渋滞を見ながら車1台分の農道へと入っていき、アクセル弱めに進んで行くと再び山道が
ここまで来たら進むしかないんです
山道を抜けると泉区の幹線道路に出ました。
周囲はもう真っ暗。もちろん停電しているので車のライトだけが頼りになります。
いつもはなかなか入れてくれない仙台の人たちもこの日は違っていました。
我れ先にというのは無くみんな譲り合って事故も無く少しずつですが進んでいきます。
警察もいない交差点の中心で、ガソリンスタンドの人がボランティアで交通整理してました。
ちょっと感動しちゃいました。
コンビニにもスーパーにも行列ができていたんですが・・・閉店している店もありました。
海外であれば、閉店しているお店を破壊し略奪するんでしょうが・・・日本人は閉店していればあきらめて他のお店へ移動し、行列にはキチンと並び自分の順番が来るまで待っています。
被災してパニックになっているにも関わらず、譲り合いルールを守る日本人・・・。
まだまだ世の中捨てたもんじゃない
郁ちゃんの家に着いたのは18:30・・・お母さんと郁ちゃんの妹は無事でした
本当に良かった
停電しているので真っ暗なんですが、郁ちゃん&妹さんがWailaniの為になんとかガソリンを工面しようと近所中に訪問してくれました
灯油ポンプにホースを付けて郁ちゃんの車からガソリンを取り出そうとしてくれたり、暗く寒い中動いてくれました
結局、ガソリンは補充出来ませんでした。残りのガソリンで帰るしかありません。
でも、渋滞に1時間もハマるとガス欠になるのは避けられない状態です。
『泊まっていけば~』郁ちゃんが言いました。
家族3人分の、いろんなものを確保しながらこれから過ごさなきゃいけないのにもかかわらず
『泊まっていきなよ~』とお母さんも言ってくれたのです
なんかすごくありがたくて
ふと見上げた夜空は・・・Wailaniの家周辺と同じくらいにキレイに見えました
どれくらいの人がキレイな夜空を見たのかなぁ?
茶の間に上がるとロウソクが沢山燈ってあってとてもキレイでした
宮城県沖地震を体験している郁ちゃん家族は・・・キチンと色んな備蓄をしていました。
・カセットコンロ
・水
・ロウソク
・石油ストーブ
・食糧
・お風呂の水
・・・などなど、のほほんと生きてきて危機感の無いWailaniは凄く恥ずかしかったです。
夕食はカップラーメンやオカラや煮物や果物と、普通に食事を御馳走になっちゃいました。
お風呂の水もトイレを流すためのストックと、最悪飲み水にするためにいつも汲み置きしているとの事。
災害に対しての心構えを考えされられました。
この日は震度5前後の余震を体感しながら21:00前に就寝。
翌朝も、カセットコンロを使って炊いた朝ごはんをしっかり御馳走になっちゃったWailani。
凄く申しわけなかったのですが・・・お母さんに凄く感謝されちゃったんです。
『泊まってくれてありがとう』って。
Wailani&Yokoが一緒だったからすごく安心できたんですって~。
過去に怖い体験をしているし、女3人の家族なので男性がいるのが心強かったみたいです。
泊まって沢山ご馳走になったWailaniは恐縮でございますぅ~。
帰る時間になり、ふと見ると門柱がずれていました。
災害時こそ笑って過ごそ~
ちょっとしたホームステイをした感じで何となく別れが寂しかったな。
そんな郁ちゃん家族から『持って行きな~』とおにぎりまでいただいちゃいました
自分達も大変なのに、貴重な食料をこんなにもらったんです
もちろん大切にご馳走になりました
幹線道路の段差が!
かなり省エネ運転しながら山形県を目指します。
オハナの由美さんが帰り道沿いにいるので寄ろうとしたんですが、踏切の遮断機が降りっぱなしで行くことができませんでした。
途中、神町自衛隊の災害派遣部隊と沢山すれ違いました。
できるだけ沢山の人命を救って欲しいです
峠を越す前に給油ランプが点滅しちゃってかなり焦りました。
ガソリンスタンドは一部空いていたのですが数百メートルの渋滞ができていて、給油はあきらめ自宅へと向かいます。
最近マイブームの『あめや』さんが停電ながらも営業していたので寄ってみると・・・暗い中販売していました。
『少しでも食べられるものの提供を』という若奥さんの気持ちに感動しました
そして『これ持ってって~』と2個もらっちゃいました
なんか配給をもらいに行ったみたいになっちゃった
地震後、初めて帰宅。
些細な被害でした・・・感謝です。
命をいただけた事に感謝
沢山の人命が助かりますように
Wailani