里山コスモスブログ

ヤマボウシ & トキワヤマボウシ



冬芽は2枚2重の芽麟に包まれ、写真の花芽(混芽)は外側の芽麟2枚を脱ぎつつある
下:混芽の芽吹き 内側の芽麟2枚を押し広げて葉と総苞片および両性花の蕾が出てきた 





下1段:総苞片が淡緑色で披針形





ヤマボウシ (山法師 ミズキ科 ミズキ属 ヤマボウシBenthamidia亜属 学名Cornus kousa syn. Benthamidia kousa or japonica 落葉高木 花期5,6月果期8,9月) 和名は白い総苞片と中心の頭状花序を頭巾を被った山法師(延暦寺の僧兵)の頭に見立てたことに由来する。葉は対生、葉身は卵状楕円形、縁は全縁で波打つ。葉脈は縁に沿って湾曲する。花は花弁のような4枚の総苞片と中央部に頭状に集まった両性花で構成される。総苞片は先が細く尖る。総苞片の色は白色の他に淡紅色、濃紅色、白緑色などがある。両性花は萼筒から花弁4、雄蕊4が出て花柱が覗く。果実は萼筒が肥厚して相互に合着した集合果で、9月に赤く熟す。花柱が残っているため、果皮がザラザラしてやや固いが、それを除いて食べると美味い。花芽(花芽と葉芽の混芽)は2枚2重の芽麟(外側2枚は早期に脱落)に包まれ、芽麟は卵状で先が長く尖る。近縁種のハナミズキ(学名Benthamidia florida)の花芽は裸芽で芽麟がなく、総苞片に包まれた平べったい球形。果実は果柄に核果が4~8個つく。
属名Cornus ラテン語 cornu(角)に由来する。ミズキ属の西洋種Cornus sanguinea は材質が堅く、英名skewer wood(串刺木、剣の木)、或いは短剣、鋭く尖った物を意味するdogwood(犬の木ではない)と呼ばれる。日本では細く硬い枝先が団子を突き刺す棒に利用され、団子木と呼ぶ地方がある。
亜属名Benthamidia ジョージ・ベンサム(英 George Bentham 1800-1884)に因む。
種小名kousa  箱根地方の古い方言“クサ”のラテン字翻字と言われる。果実は瘡蓋(かさぶた・くさ)のように見えなくもない。
スエーデンの植物学者Carl Pehr Thunberg (1743~1828)は長崎のオランダ商館の医師として来日、1776年江戸に随行参府したが、この道中、箱根町を中心に800種余の植物を採集している。そのときに、ヤマボウシの箱根地方の呼び名をkousaと記録したのであろうか。(未検証) 

George Bentham (1800-1884) was an English botanist, characterized as "the premier systematic botanist of the nineteenth century". He had a remarkable linguistic aptitude. By the age of seven he could speak French, German and Russian, and he learned Swedish during a short residence in Sweden when little older.
ジョージ・ベンサムはイギリスの植物学者で、19世紀の系統的植物分類学者の第一人者と見做されている。彼は非凡な語学的才能を有し、7歳でフランス語、ドイツ語そしてロシア語を話すことができ、少し大きくなってスエーデンに短期滞在したときにスエーデン語も習得した。
ハナミズキ2013-04-13


トキワヤマボウシ (常緑山法師 ミズキ科 ミズキ属 ヤマボウシ亜属 常緑性 花期5,6月) 葉は常緑で濃い緑色をし光沢がある。冬期には赤褐色を帯びる。縁は全縁。冬芽(花芽)は芽麟がなく、小さな総苞片に球状の両性花が載っている。総苞片は白色でヤマボウシのように先が細く尖らない。両性花は花弁4、雄蕊4、雌蕊1。ヒマラヤヤマボウシとホンコンエンシスの系統があるようである。写真はどちらか不明。下から3段目の花がびっしりと咲いているのはホンコンエンシス“月光”か。


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