上:掌状or烏足跡状の葉(斑入り)
ミミガタテンナンショウ (耳形天南星 サトイモ科 テンナンショウ属 球根植物) 山野の林床に生える。地下に小さな球根がある。葉が展開する前に花茎を伸ばし奇妙な形をした花(苞-仏炎苞)を開く。仏炎苞は濃紫色で白い線が入る。和名の耳形は仏炎苞の下部の縁が耳たぶ状に広がっていることに由来、天南星の由来は不詳であるが、南の地平線近くに赤みがかって見えるりゅうこつ座α星カノープス(中国名寿星、南極老人星)を指すようである。葉は掌状または鳥足跡状の複葉で、葉柄の根元が葉鞘になって筒状の太い茎を形作る(偽茎)。仏炎苞に囲まれて棍棒状の付属体があり、その下方の筒部下部に肉穂花序(雌雄異株)がある。果実はおとぎの国の造作物のような妖しい雰囲気を漂わせる。マムシグサ等と酷似しており見分けは難しいが、仏炎苞下部の筒口の縁が耳たぶ状に広がって垂れていることからミミガタテンナンショウとしている。
仏炎苞:肉穂花序およびその上方の付属体(棍棒状)を包む苞が大型で、仏像の後背(縁に炎をかたどった飾り)に似ることからこの名前が付く。仏炎苞は葉が変形したもので、サトイモ科に特徴的な花の姿となっている。
ミミガタテンナンショウ 学名 Arisaema limbatum (or undulatifolium) var. ionostemma
マムシグサ 学名 Arisaema serratum
属名Arisaema サトイモ科のある属(Arum属)の名+(血・・・葉に血のような斑点がある)からくるという説。
種小名limbatum 辺縁、庇のある。undulatifolium 波打った葉の serratum 鋸歯のある。