上:ヤマホトトギス(自生) 茎頂部に花序、花被片は基部から強く反り返る。折れ曲がる部分を中心にやや大きな紫斑紋
下:シロバナヤマジノホトトギス(自生) 花被片が平開状でヤマホホトギスのように基部から反り返らない。葉腋に1,2輪花をつける。
下は栽培種で種別は不詳
葉基部が茎を抱く
ホトトギス (ユリ科 ホトトギス属 花期夏~秋) 和名は、花にある斑紋が鳥のホトトギス(杜鵑)にある胸の斑紋に似ている事に由来。葉は互生、葉身は長い楕円形で基部が茎を抱く。花被は6片で、外花被片が幅広で内花被片が細い。外花被片外側基部にふぐり袋状凸出物(距)がつく。太い花糸6が輪列して筒状に立ち上がり、水平方向に広がる。輪列した花糸の内側に細長い子房がある。この子房から花柱が出て、花糸の上方で水平方向に曲がり先(柱頭)が2裂する。花糸の先に葯が I 字状or T字状につき、花柱/柱頭は扁平で2裂し、多数の腺毛状突起がついている。花糸、花柱にも紫斑紋がつき、葯室まで紫斑紋がついているものもある。
ヤマホトトギス(自生種)は 花序をつけ、花被片は基部寄りで強く折れ曲がるのが特徴で、この部分などにやや大きな丸く濃い紫紋が入る。雄蕊は花糸6が輪列して高く立ち上がり、水平に折れ曲がって先に葯をつける。花糸は黄白色で葯は黄色、花柱/柱頭にも紫斑紋が見られた。立ち上がって水平方向に曲がった花糸と花柱は噴水をイメージさせる。林縁の陰地で稀に見られる。
ヤマジノホトトギスは葉腋に1,2個の花をつけ、花被片はほぼ平開で反り返らないのが特徴。花被片、花糸、花柱が白一色の品種がある。
属名Tricyrtis 三+凸出物 外花被片外側基部にふぐり袋状凸出物があることを指す。
ホトトギスTricyrtis hirta hirti有毛の、hirta粗い 茎などに粗毛があることを指すのであろう。
ヤマホトトギスTricyrtis macropoda Macro-podaは長い/太い軸の意味
ヤマジノホトトギスTricyrtis affinis Affinisは(多種と)酷似したの意味
シロバナヤマジノホトトギスTricyrtis affinis form. albida