潮ひかる/雑感

演劇(舞台)の技術や知識・公演案内や観劇レビュー

 


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祝!!30000人!!

2011-12-26 21:07:03 | 公演告知
来場者数累計30000IP突破!!
アクセス数だけだと76000を超えました!!


更新が滞っていてすみません(汗)
いつも観てくださってる皆様ホントにありがとうございます☆

今後も頑張りたいと思いますので、応援どうぞよろしくお願いします。

カレッタ汐留

2011-12-21 07:21:59 | 日記


この間、仕事のため日テレタワーへ行ってきました。

すると、近くにあるカレッタ汐留ですてきなイルミネーションを発見。

いやー、世の中、クリスマスなムードいっぱいですなあ。


ちなみに、ある時間になると光のショーみたく、音楽が流れて、光が色々と移り変わり、しゃぼんまででてきて、それが雪が舞ってるみたいに見える。といいものでした。


もう終わったのかな?多分クリスマスまでやってるはずですが。


いいもの観ました。

三人姉妹のフライヤーの撮影日

2011-12-12 13:02:46 | 演劇活動
今日は三人姉妹のフライヤーの撮影日。

みんな個性的な衣装に身を包み、めっさ面白い撮影となりました。
どんな仕上がりになったのか…は、劇場に付いてからのお楽しみ☆

写真は三月公演終了後にもブログでアップしますね。


いまから移動で、夕方から三人姉妹4幕の稽古です。



撮影場所はJIYUGAOKA STUDIO

とても綺麗に撮ってくれるいいところです。宣材写真を撮る場所に困ったら、ご利用してみてはいかがでしょうか。おすすめです♪



営業時間 1000-1900
定休日 火曜日
住所 東京都目黒区自由が丘1-7-15
TEL 05055153912
MAIL jiyuugaoka@maruei-jp.com
WEB http:/www.jiyugaoka-studio.com

秘密の多い人間が魅力的。今回の課題はイニシアチブの取り方。

2011-12-11 15:53:29 | 演技技術
12/8木曜夜教室の今回の課題は無言劇。

設定は室内。
椅子に一人が座って音楽を聴いている。 (仮にAとする)
朝。
もう一人が手紙を持って入ってくる。 (仮にBとする)
BはAに手紙を渡す。Aは読むなり、喜ぶ。
気が付くと、Bが泣いている。
Aはおどおどし、手紙を放り出し、Bに近寄る。
Bは放り出された手紙を拾いにいき、もう一度Aに手紙を渡し去って行く。
Aは椅子に再び座り直し、室内はどうしょうもない絶望した空気に包まれる。


という内容でした。


これはタイトルを自分で考えなければいけなかったのですが、俺とあやのさんで決めた設定は『嵐』。
一人だけ嵐のコンサートチケットが当たったという設定でやりました(笑)
俺がAの側。あやのさんがB。


今回のポイントはどっちがイニシアチブを持つのかということ。


二人の人物のうち、より多くの情報を持った方にイニシアチブがあるというのだ。と同時に、イニシアチブを取った側が゛シテ゛となる。

゛シテ゛は芝居をコントロールしなければならず、手数はやらないかわりに、話の要所を抑えていくことをしなければならない。
゛ウケ゛の側は手数を駆使して話を面白くしなければならない。



あとは、互いの感情が交錯する場所。これをはっきりとさせる。
それは三カ所。
手紙を受け渡したとき。泣いている姿見られたとき。手紙を再度受け渡したとき。


今回の゛シテ゛は先に手紙を読んだ側。今回は、手紙を持ってきた時点で既にBは内容を知っているという設定にした。

話を動かしているシテ側は、手紙を受け取ったAが右往左往しているときに、Bは特別いろいろなことをする必要がない。主導権はシテ側にあるのだ。そして、ウケ側の表現が出尽くした後で新しい行動をとればいい。シテが間を長く取ることで、ウケ側が芝居をすることが可能になる訳だ。別の言い方をすれば芝居がしやすい。



゛シテ゛をやる人間に必要なのは、アクションを起こす勇気。
自分が動くことで空気がかわるということに対する勇気。
この勇気のない人間は゛シテ゛にはなれない。


大事なのは組み合わせ。゛シテ゛のアイデアと゛ウケ゛のどれだけ芝居をよく見せられるかということ。



Bは手紙を渡す時点でイニシアチブがある。Bがどんな表情で手紙を渡すのかでAの行動は左右される。

今回の話の表現数だが、わかる範囲だけで言うと。


Aが椅子に座ってリズムを取りながら音楽を聴いている。Bがすでに封のきってある手紙を持って部屋に入ってくる。Bが膨れっ面で手紙を渡す。AはBの機嫌が悪いことが気になりいぶかしげにするも、手紙の内容を読むことにする。手紙をあけ。手紙を読み。内容を理解し。嵐のコンサートチケットがあたったことに喜び。おもわずガッツポーズするくらいの勢いで立ち上がろうとする。喜びの表情の中Bにほうこくしようとする。が、BとAの目が合ったとこで感情が交錯する。喜んでいるAと落ち込んでいるB。Bがあたっていなかったということを知りおろおろとするA。泣き出すB。手紙を放り出し、Bのもとへ駆け寄るA。無視するB。ひとしきりBの機嫌を伺うA。Bは突然手紙のもとへ駆け寄り拾い上げ怒りと悔しさの表情をみせつつAに手紙をわたし去っていく。AはBの背中を眺めつつ、こじらせてしまった人間関係に落ち込み、あたったチケットで一人楽しんでくるべきなのか、行くのをやめるべきなのか、仲直りをどうするのか、という悶々とした空気の中、ただ椅子に座り音楽を聴いている。


これだけを観ると、やはり、BがAを振り回している関係が成立する。


感情交錯ポイントは
1 Bが膨れっ面で手紙を渡す。AはBの機嫌が悪いことが気になりいぶかしげにするも、手紙の内容を読むことにする。
  AはBの機嫌が悪いことが気になりいぶかしげにする。
  BはAだけにチケットがあたりうらやましさと怒りがまじっている。
2 喜びの表情の中Bにほうこくしようとする。が、BとAの目が合ったとこで感情が交錯する。
  Aは喜びの表情の中Bにほうこくしようとする。
  Bは落ち込んでいる
3 Bは突然手紙のもとへ駆け寄り拾い上げ怒りと悔しさの表情をみせつつAに手紙をわたし去っていく。
  Aは機嫌を直してくれないBの突然行動にびっくりしている。
  Bはひとりで勝手にコンサート行けばいいじゃんと思っている。

あと、表現の数をみてみると、

シテ側。

Bがすでに封のきってある手紙を持って部屋に入ってくる。
Bが膨れっ面で手紙を渡す。
落ち込んでいるB
泣き出すB
無視するB
Bは突然手紙のもとへ駆け寄り拾い上げ怒りと悔しさの表情をみせつつAに手紙をわたし去っていく


ウケ側。

Aが椅子に座ってリズムを取りながら音楽を聴いている。
AはBの機嫌が悪いことが気になりいぶかしげにする。
手紙の内容を読むことにする。
手紙をあける。
手紙を読む。
内容を理解。
嵐のコンサートチケットがあたったことに喜ぶ。
おもわずガッツポーズするくらいの勢いで立ち上がろうとする。
喜びの表情の中Bにほうこくしようとする。
Bがあたっていなかったということを知りおろおろとするA。
手紙を放り出し、Bのもとへ駆け寄るA。
ひとしきりBの機嫌を伺うA。
AはBの背中を眺めつつ、こじらせてしまった人間関係に落ち込み、あたったチケットで一人楽しんでくるべきなのか、行くのをやめるべきなのか、仲直りをどうするのか、という悶々とした空気の中、ただ椅子に座り音楽を聴いている。


明らかに゛ウケ゛の手数の方が多い訳だ。


これが、先に手紙を読んだ側がAの方だと話がいろいろと変わってくる。
Bが手紙の内容を想像して、情報を先に知っているAの顔色をうかがって泣いたりおこったりする訳だ。
゛シテ゛と゛ウケ゛が逆転するんですね。


芝居では誰がイニシアチブをとるのか、また゛シテ゛となるのかが重要となる。
本当におもしろい講義でした。

______


上記が、今回、アクトの演出家の小西さんの教えてくれたこと。
ここからは俺の考察。


仮に゛シテ゛が現状のわかる行動をせずに、自分の気持ちだけを演技したとする。
そうするとお客さんが話の筋を追うことができずにパニックになる。
荒々しい感情だけを見せられて、結局何の話だったのかが分からなくなるのだ。


仮に゛ウケ゛が自分の気持ちを表現せずに、現状の説明だけをしようとする。
そうすると、意図せず゛シテ゛が入れ替わってしまい、本来の゛シテ゛が死に体になって舞台上に必要のない人物になってしまう。
感情が見えず、全く面白い物ではなくなる。


普段、エチュードなどをする中で、何もしないのに主役を持っていってしまう役者がいる。
色々な案を出して、色々なことをやっている側の人間が、何もしない人間の周りをぐるぐる回っているように見えるのだ。
何もしない人間は冷ややかに周りの人たちを観ているだけ。
なぜかエチュード終了後に注目されるのは何もしなかった人間なのだ。


その原因は、何もしなかった人間の側に、お客が想像する゛情報゛が握られる形になるからだ。
いろいろなことをして注目されない人間は、説明がすぎている。お客さんがその人間に対して、ほしい゛情報゛が隠されていない。これでは、お客さんは皆情報過多の人間よりも、次の行動を期待して、何もしていない人間に注目するというハメになってしまう。


エチュードをしていて、シーンの主導権を握ろうと思ったら、秘密を持つこと゛情報゛を隠し持つことが大事になる。゛シテ゛になるかどうかはこれで決まる。


例えば、男女関係でいえば、先に好きだと行った方が゛ウケ゛になる。言われた側の人間の言動に先に気持ちを伝えてしまった人間が振り回される訳だ。逆に、好きだといいつつも、浮気など隠し事の多い男がいたとする。女性は情報を多く持っている人間に振り回され、今度はなぜか好きと言われた方の女性が゛ウケ゛に回る。


秘密の多い人間が魅力的というのはこういう法則に則ったものなのかもしれませんね。




今回の課題はイニシアチブの取り方。

面白い講義でした。

『日本の問題』を中野ザ・ポケットで観てきた

2011-12-01 10:53:09 | 観劇レビュー



日本の問題は数多い。

政治、経済、地震、原発、年金、TPP、ヤクザ、風俗、国民のモラル低下

どれも耳が痛いほど良く聞く。


『日本の問題』は
それらの問題を題材に、演劇という形でなにか一つ問題の解決をしようという試みだった。



僕が観たのは、Aチーム。


感じたのは、日本の問題は皆が共有している大きな問題だということ。
芝居を見るまでもなく、それら全てが問題であることを知っている。
その上で、演劇でないと表現できない物を探す作業だ。

なので、問題を提起されるだけでは、同じ日本人なら、「そんなことわかってるよ」
となる。

解決できないから、みんな困っているのだ。


その中でも、一つの問題解決を見せてくれたのは、
2作目のMrs.fictions『天使なんかじゃないもんで』

ヤクザの二人と、女の子の話。
役者三人による会話劇、終止笑いの絶えない三人のやり取りが、お客の心を掴んでいた。



どうも、この作品、他の人の感想では、日本の問題が題材になっていないじゃないか?
という意見が出るほど、日本の問題と言う物についてほとんど触れていない。
これは、コンセプトに反するのでは?と思いがちになるのだが、
これを観劇した人は忘れてはいけない。


登場人物達は救われていたということ。


ヤクザ、風俗、地震、原発などの問題を抱え、
ただ、暗く悲しい死への週末を受け入れるしかないという三人の話。

しかし、
覚悟を決めていた三人が、偶然知り合ったことで、
人とのふれあい、ぬくもり、やさしさを些細なやり取りの中から三人は覚える。




このあと死んでしまうという避けられない未来と対峙する三人。
どうしようもない絶望の中で、
去り際にはなす、ヤクザの言葉。「人間って死ぬとどうなるのかな」

返事を返す女の子。

この言葉、いや、やり取り全体を通して、
この作品は、日本の問題を救うはできなかったけど
登場人物の三人の心は救われたんです。
名言のような名言は一切出てこないけど、
それでも、一つ一つのやり取りには、なにか大事な物を感じさせてくれる暖かい物がありました。




この作品は、

大きな事象にばかり目を向けるのではなくて、
ほんとに小さな、一個人の心(日本の問題)を救ってみせることで、
この物語は成立しているのだと思いました


結局、人を救えるのは、神でも国でもなくて、人、なのかも知れませんね。


楽しい観劇でした。ありがとうございました。