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日銀の金融政策「据え置き」では不十分

2012-04-11 16:09:17 | 宗教と政治

日銀の金融政策「据え置き」では不十分

             

[HRPニュースファイル240]転載

2012年4月11日


日本銀行(以下日銀)は4月10日の金融政策決定会合で、金融政策の
現状維持を発表しました。唯一変化があったのは、成長分野に対して
の貸付強化だけです。貸し付け総額は120億ドル。
受付期間は2014年3月末までとすることを発表しています。

→ http://bit.ly/HuCCU4

同じく、日銀はデフレ脱却と経済成長を
「極めて重要であると認識している」と表明しています。

政府内でも、デフレ脱却のための閣僚会議を新設し、4月内には
日銀の白川総裁もオブザーバーとして参加する方向性を定めました。

政府と日銀は、表向きはデフレ脱却と金融緩和に向けた姿勢を
示したことは評価できます。ただ、結論としては、1%の物価上昇率を
達成するのに「現状維持」では不十分です。


◇なんと金融引き締めをしていた!

加えて、指摘しなければいけないのは、表向きの態度とは裏腹に、
日銀は通貨供給量を絞っていたことです。

4月3日に発表された市中に流通する現金と日銀当座預金で構成される
通貨供給量は3月、対前年同期比0.2%減と減少。

2008年8月以来3年半ぶりの減少に転じました
(2月の、11.3%増から大幅に縮小した)。


三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二所長
は、「まるで金融引き締めを実施したような収縮ぶりだ」と指摘
しています。

→ http://bit.ly/IkLB6L 同氏は、日銀が通貨供給量を増やさ
ないと、再度円高デフレが進行することに懸念を表明しています。


◇元日銀副総裁が苦言

日本経済研究センター理事長であり、元日銀副総裁の岩田一政氏も
更なる金融緩和を提言。具体的には、長期国債買い入れを増やす
などを実施し、2%の消費者物価指数の上昇が必要であることを指摘
(ただし2%は決して高くなく、不十分)。

もう一つ、岩田氏が注目すべき発言をしたのは「日銀券ルール」に
関するものです。日銀券ルールとは、長期国債保有額を日銀券発行額の
限度内に収めるものです。ただし、早稲田大学の若田部昌澄教授に
よれば、「経済学的な根拠はない」とされ、量的緩和を導入する時に、
いわば日銀が「勝手に」決めたものとして批判しています。


岩田氏は、「日銀券ルールは、経済が順調に成長しているとき通貨を
供給するための、いわば平時のルール。戦時のルールではない。

(中略)長期国債の買い入れを始めた2010年10月をもって
日銀券ルールは放棄された」とまで発言しています。

→ http://bit.ly/IdHt8Y

実質上「日銀券ルール」が放棄されているならば、岩田氏が指摘
するように長期国債買い切りオペを断行するべきであって、
「金融引き締め」をするべきではありません。


◇金融緩和のカギは「インフレ予想」と期待に働きかけること


金融政策には効果があります。

例えば、08年のリーマン・ショック時に米英の中央銀行が2倍以上
バランスシートを拡大し、デフレと景気悪化を食い止めたのは
金融緩和でした。
米英の景気回復は緩慢ですが、少なくともデフレは止めています。

FRBのバーナンキ議長をはじめ、世界の中央銀行が大量の株や証券など
購入をして通貨供給を増やしたのは、大恐慌や日本のバブル崩壊の
反省に基づいているからです。

言い換えれば、「不況から恐慌を食い止めるためには金融緩和が必要」
という共通認識が、中央銀行関係者には共有されているのです。


三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部主任研究員の
片岡剛士氏の研究によれば、昭和恐慌や米国の大恐慌からの経験は
次のようにまとめられます。

金融緩和→デフレ予想の払拭→資産価格上昇→資産が増えることでの
消費拡大や為替レートの円安による輸出企業の業績改善等→総需要の
増加→デフレ脱却→企業の借り入れ増による金融システムの復活。

詳細はこちら→ http://bit.ly/Hx4juD

つまり、上記のような過程を経て初めてデフレ脱却が可能となるのです。

現在の日銀の金融政策では規模が小さく、一過性の効果しかもたらし
ません(実際、日経平均株価は下がり始めている)。言い換えれば、
金融政策が効果を発揮するには一定の時間が必要だということ。
さらに言えば、人々がマイルドなインフレになるという期待が起こる
まで継続すべきです。

今後の課題としては、金融政策の目標達成責任を明確にすること。事実上
のインフレ目標を導入した以上、日銀法の改正も視野に入れた金融政策
の実効性を高める努力も必要となることでしょう。 

(文責:中野雄太)


執筆者:中野 雄太 (39)
幸福実現党静岡県本部幹事長
公式サイト:http://yutasteve.blog.fc2.com/

 

画像、http://yohkan.iza.ne.jp/blog/folder/274235/

 

 


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