冬の海辺に桃とモモ
桃につーんてされて満面の笑みのモモ。
ふたりでおんなじおねえさん座りでパチリ。
だっこされて嬉しそうに笑ってる桃。
砂に名前とか書いちゃう天然乙女なモモ。
10年前と同じ笑顔で桃のリードを持つモモ。
スウェットにウールチェックのガウンコート。
肩口や袖に砂をつけて、カメラに向かって笑う松本君。
海は、余計なものを流して自分をきれいにしてくれる場所。
そうコメントしている。
一欠片の陰も無い
お日様をたくさん浴びた洗いざらしの木綿みたいな笑顔に
心がぽわんてあったかくなりました。
ありがと。
そして、松本君がラジオで今まで読んだ中で一番面白かった本だと言っていた
『赤めだか』(立川談春:著)を読んだ。
冒頭で、弟子入り志願の17才の少年に談志が言う。
忠臣蔵は四十七士の美談が有名だ。
けれど赤穂藩には三百からの家臣がいた。
つまり、うまくいくわけないと逃げてしまったヤツ等が沢山いた。
四十七士は江戸で拍手采を受けてスポットライトを浴びたけど
逃げたヤツ等は辛い思いをしたはずだ。
落語は、その逃げたヤツ等が主人公なんだ。
人間は、だめって時でもつい寝ちゃうし、つい飲んじゃう。
努力して皆が偉くなれるなれるなら苦労はない。
偉くなれないヤツ等が寄席にくるんだ。
『落語とは、人間の業の肯定だ。』@立川談志
この件を読んでいるうちに、いつのまにやら私は談春の隣で正座をし、師匠の言葉を聴いていた。
この本を分類するならばエッセーになるのだろうけれど
奥行きのある人情噺であり、最高のシチュエーションコメティであり
とても上質な短編小説だった。
落語家というのは、言葉を紡ぎ演じることを生業としているのだと感動した。
すげーな落語って。
立川談志って何者?
しゃくりあげるほどボロ泣きし、腹筋が攣るほど笑いながら一晩で読んでしまった。
師匠の常人では理解しがたい思考はある種哲学として完成していて
そんな人の傍で教えを乞うというのは、どれほどの心持だろうか?と考えた。
読みながら、談春(ぼく)にシンクロし、師匠が出てくると心臓がドキドキし
師匠の言葉を一語一句聞き漏らすまいと緊張し、褒めらると嬉しくて涙が出た。
表題になっている『赤めだか』。
本を読み終えて、このタイトルの意味を理解すると
談春さんの落語、仲間、師匠への思いと、師匠の存在の凄さに改めて泣けた。
本当に素晴らしい1冊。
松本君に感謝
この本を読んで、松本君はきっと色んな事を感じただろう。
それが、とても嬉しい