♪ オヤジは毎晩 金箔入りのお酒を飲んでいるから 翌朝にはきっと それは それは とても きれいな 黄金の女神様に出会えると思っているんやて ♫
♬ だけどもまだらボケの おばあちゃんが扉を開けたり 電気を消してしまうから 女神様はお出ましにならない ♫
悪夢第2章
店の隣りのビルが取り壊されている。
外壁を重機が剥ぎ取ると、真っ黒に焼け爛れた木造の下地が現れた。
埃がもうもうと上がり、見物人が口をおさえ、咳き込む。
それを見ていたオヤジも手で口を覆い、あの建物木造だったのか ? と、首をひねっていたら、
「マスター、なにしてるんですか ? 」
と、後ろから声をかけられた。
振り返ってみたら、日本天然党・総裁「ヨウコリン」が着飾って友達と立っていた。
「今日お店休みなんですねぇ」
と言われ、店の方に目をやると、なんと !! 数人の職人が今まさに玄関を壊して、柱を倒したところだった。
おいおいおいおいおいおい、おい、なにやってんだよ~~ !! と駆け寄ると、手際のいい職人はさっさと残骸をトラックに積み、さらに壁を壊し始めた。
店の中に入ると、奥に畳の座敷が作られ、かあちゃんと常連さんたちが寛いでいた。
座敷には布団が二組敷かれ、そのひとつには「アバター」の異星人のような青い皮膚の夫婦と、真ん中に赤ちゃんが寝ており、もうひとつの布団には「ユイたん」の「チチ」が寝ていた。
「ちょっとアンタ、なに寝てんだよ。妻と子は ? 」
「ああ、アケオメ。今日オレひとり」
かあちゃんに説明を求めようと、口をパクパクするが声が出ない。
すると、2階から「馬鹿旦那」の格好で降りてきた「ハマちゃん」が、
「あ~、いい湯だった」
と、脳天気な大声で言った。
なにっ !! 2階に風呂があるのか ????!!!!!
そういえば寛いでいる「シゲちゃん」や「ホリちゃん」や「サバ兄」も、その他の人もみんな浴衣を着ている。
ますます混乱して叫びそうになったとき、赤ちゃんが目を覚まし泣き出した。
「アバター」の夫婦が起き上がり、あやしながらオヤジに、
「どうも、お久しぶりです」
と、挨拶をした。
つられてこちらも挨拶したが、だれだか思い出せない。
しかし、赤ちゃんが2歳の女の子だということは、なぜかわかる。
その子が大きな目で、じつに大人びた声で話しかけてきたが、よくみるとその子の身長は140㎝もあり、外見はちっとも幼児じゃないが、2歳児だとわかっている。
「今までどこに行ってたの。この忙しいのに」
かあちゃんに、突然怒られた。
ちょっと待て、なんだこれは ?! 鉄板はすでに無く、カウンターは掘り炬燵式の和風な仕様に変えられ、その奥に個室ができ、お酒のラックまで設えてある。
なにっ ????!!!!! お風呂に入れる居酒屋に改装するんだと !!!
だれがそんなことをたのんだ !!
どこにそんな金もスペースもあるっちゅうんだ !!!
どこへ行ってたって ? そりゃ、隣りの工事を見ていたが、電話しようと思っても携帯がなかったのだ。
そこでハッとしてポケットをまさぐると、携帯とサイフを入れていた上着を着ていないことに気づいた。
ワシの上着、サイフ、携帯・・・・・っと、玄関の方を見ると、うず高く積まれた残材の上に、その上着が載っていた。
慌てて裸足のまま、土間 ? に飛び降り、上着を取ろうとするが、じつに手際のいい職人は、さっさと上着ごと残材をトラックに積んで走り去ってしまった。
返せ、戻せ、ワシのサイフと携帯~~~~~・・・・・・・
なぜに新年早々から、お金に縁がなかったり、お金が逃げてしまう夢ばかりみるのでしょうか・・・・・・・
それにしても、風呂に入れる居酒屋って 温泉宿に泊まりたい願望ですかい
いささか、お疲れなんでしょうかねぇ
最新の画像もっと見る
最近の「迷想雑記」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事