映画「亡国のイージス」のラストのCGが気にいらないという。
原作と映画の“時間”のちがいは、まあしょうがないという。
けれど、「アスカ・ラングレー」のフィギアはぜひ欲しいともいう。
あんたは、ワガママだという。
俺ももう若くないから、帰るという。
上野、午前0時を回った、最終すれすれの時刻。
3軒の店をはしごした、壊れる寸前のおっさんふたり。
K氏は、小林克也ばりの眼鏡で、ポケットチーフを覗かせるジャケット、プラダかなにか、オヤジには計り知れない、ピカピカに磨かれた靴を履き、有害を訴える広告が、せっかくのデザインを台無しにするマルホロをくゆらせ、空のグラスにマッコリを注げと差し出す。
それにしても、粉ものを扱うオヤジが、その旨さにおかわりするほどのチヂミを出す、この店の名前も知らない。
たらふく芋焼酎を飲んだのに、まだ飲み足りなくて、メチャ辛いカクテキにむせびながら、激論を戦わせる始末に負えないおっさんふたり。
韓国語が飛び交い、異国の有線が流れる店内。
もうそろそろお開きだ。
彼の決意は固い。
横浜で再び、亡国の民にならなければよいがと、若干心配するオヤジを尻目に、店を出てすたすたとJRに向かう足取りは、まあ大丈夫か。
こうして、久々のK氏とのバトルが終わった。
「もう、若くないのだから」
その言葉に一言もないオヤジだった。
「俺を悪魔に仕立てたのは、お前の陰謀だ」
という疑惑を指摘された。
帰りの最終電車に乗ったものの、鬱屈した思いで北千住を通り越し、乗車券は松戸までの片道切符となり、タクシーで痛い目をみる羽目になったのである。
懲りないおっさんたちは、そろって反省期を通り過ぎ、肉体と精神の衰えに抗うように、屁理屈をこね回しながら生き続けている。
よし、再び言葉を交わしたときから、時が動き始めるのだ。
友よ、また会おう。
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