1月18日深夜1時35分、千住東町交番の交差点。
我ら夫婦が帰る道すがら、人通りも車の往来もないとはいえ、赤信号の交番前をおぼつかない足取りで斜めに横断してくる一人の男。
この寒いのに上着も羽織らず、赤いネルシャツ1枚の姿で、スクランブルでもない交差点を斜めに歩いてくる。
歳の頃は20代の終わりか30代半ばくらい、身長160cmくらいの中肉中背、櫛も通していなそうな“おかっぱ”のような垢抜けない髪型で、明らかに酩酊していると思しきうつろな視線。
間違いなく“イケメン”ではなく、渋谷のハチ公前の交差点を渡っていたら、まったく気にも留めないその容貌。
だが、ここは千住、しかも深夜。
決定的におかしいのが、その左手に握られている木刀。
なぜ深夜に木刀
しっかり横目で観察しているオヤジの腕を、かあちゃんが強くつかむ。
偶然遭遇した、というだけの理由で殴りかかられてもさもありなんという状況。
痛いとは言いたくないが、首がギシギシいいそうなくらい、油切れのようなオヤジが、突然の襲撃をかわせるだろうか ?
脳裏に迎撃態勢をシュミレーションしながら、その物騒な木刀男との距離をひらいてゆく。
千鳥足とまではいかないが、うつろな表情でのろのろ道路を渡りきる木刀男。
しだいに距離が離れてゆく。
交番に警察官がいれば、間違いなく職務質問をかけられていただろう。
なにをどう言い繕ったって、この深夜に酔って木刀を片手に町を徘徊は、申し開きがたたないのは道理。
その男の行く先が気になる。
“もしもし”と呼び止める愚をおかすことはないが、この先陰惨な事件が起こるかもしれず、事件を未然に防ごうと思う正義の少年探偵の心はオヤジ世代に自然に培われてもいるのだ。
う~ん、気になる・・・・・
だが、もうすでに犯行を終えて引き上げるところかもしれないと、ぼそっとかあちゃんがつぶやく。
なぁにぃ・・・・、うぅぬ、だてに「人殺しドラマ」ばかり見てはおらんな。
そういうことも有り得る、な・・・・・。
千住警察は何をしておるんだ
そんなことだから「バーバーくん」のような男に、警察署の裏塀に立ちション便されても取り締まれないのだ。
後を付けたい衝動を押さえつけ、家路をたどったが、明日の朝の新聞や、ニュースやワイドショーから目が離せん。
何もないことが一番だが、もし陰惨なことが起きてしまったら胸が痛む。
でも、モザイク音声変えのインタビューには喜んで出ちゃうだろうなぁ・・・
俗物だなぁ・・・
気になるなぁ・・・・
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