チューブに繋がれてはいても、起き上がって多少動いてもいいとナースから言われてはいたが、点滴はまだしも、ビンテージワインみたいな深紅の血尿が溜まった袋をぶら下げてウロつくのは躊躇われる。
もうすぐビンテージワインの袋は取れますよとナースに言われたので、それまで我慢することにした。
同じ病室には、ビンテージワインを製造している患者が少なくともあと2人はいるわけで、それを考えただけでイヤ~な陰湿なインキンみたいな気分になる。
嗚呼、早くイヤ~な陰湿なインキンみたいなビンテージワイン製造業者から脱したい ‼︎
そればかりを考え、ジッとiPhoneのデジタル表示を見つめていた。
やがて屈辱的な処置は拍子抜けするほど呆気無く取り払われ、半分だけ自由を取り戻したので、階下のコンビニへ行って何かよさそうなものでも見繕ってくるかと考えているところへ、かあちゃんが面会に来てしまった。
こんなことなら事前に気がついて、「投げちゃん」か「むっちゃん」にお願いすればよかったと思ったが後の祭り。
どっちみちこんな状態では何をしてもあんまり説得力もないし、早く良くなることが一番だと気持ちを切り替える。
恥ずかしながらこの日は、オヤジとかあちゃんの35回目の結婚記念日だったのだ。
まあ今までだって特別何をどうしたとか、改まってお祝いなんぞしたことはなく、せいぜい上手いものでも食べることぐらいだったから、その後の越後湯沢のマラソン、退院、かあちゃんの不調、店の再開などにまぎれてそれで済んだような感じだった。
ところが、持つべきものは娘。
再開2日目の夜、みんなが一足先に店を出たあと「投げちゃん」が「はい、これ」と言って手渡してくれたのは、「ノ・ミカタ・デコ」という箱に入ったアミノ酸サプリメントだった。
その箱の中にはさらに小箱が5箱入っていて、驚くことにパッケージにはモグマークと35という数字に加えて、オヤジとかあちゃんの顔写真がハートで囲われていたのだ😀
嗚呼、嗚呼、感激😂
本人たちが忘れていたのに、実の娘でもない「投げちゃん」が覚えていてくれたなんて🙏
ありがとう、ホントにありがたき幸せでございます🙇
これは来るべき日にオヤジが晴れて飲めるようになったら、思う存分いっちゃってくださいという彼女からの応援メッセージだと受け取りました。
そうなりゃ今からその日を想定して、夜景の綺麗なオシャレなホテルのBARの窓際の席なんぞをリザーブしちゃったりして、彼女をエスコートして恩返しの乾杯🎊なんてぇことを・・・。
「ムダにポジティブなオジサンだな😧 」
「投げちゃん」に しらっ とした目で見られてしまった😝
けれど、娘のいるお宅はこういう素敵なサプライズがあるんだろうな。
いいなぁ,
ま、幸い店をしたおかげで外ムスメヤ外マゴに恵まれて、オマケにヤカラで調子コキな外ムスコにも出会えて、多分おなじ歳のオジサンオバサンよりも老け込むことはなく、賑やかで楽しい生活をおくれているんじゃないだろうか。
だから改めて、マゴが大きくなるまで、ムスコやムスメが嫁をもらい嫁にいくまでは、元気でいなくてはと思うのだ。
ありがとう「投げちゃん」😘
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