数日前の話になりまするが、久々に松岡美術館へお出かけしたのでございます。
どのくらい久々か調べてみたら、何と7年ぶりじゃった。
館内では5つの展覧会が開催中じゃが、2つだけ書きまする。
まずは、展示室5・6「レガシー 美を受け継ぐ モディリアーニ、シャガール、ピカソ、フジタ」
https://www.matsuoka-museum.jp/contents/8833/
(一部写真撮影可)
20世紀初頭のパリを彩った多様な表現を、松岡美術館のコレクションから39点で紹介。
構成は以下の通り。作品の一部もリスト順に載せまする。
【1:規範からの解放】
1~3章は展示室5で、こんな感じ。
・ポール・シニャック《オレンジを積んだ船、マルセイユ》1923年
・ルイ・ヴァルタ《黄色い背景と大きな花瓶》
・ラウル・デュフィ《信号所》1924年頃
【2:西洋の外側へ】
・エドゥアール・ヴュイヤール《ウジェーヌ・フレシネ夫人の肖像(習作)》1933-34年
【3:パリと日本人たち】
第二次世界大戦以前、最盛期にパリに渡った日本人は200人以上もいたそうな。
真っ先に頭に浮かぶのは藤田嗣治じゃが、藤田の3点は撮影不可で残念。
この展示室の床の間には、大好きな渡辺省亭が展示されておりました。
省亭の展示期間は8月12日までで、ギリギリセーフじゃった。
左)渡辺省亭《青梅に雀の図》1896(明治29)年
右)《鉄絵花生 宋胡録手》江戸時代 18世紀後半
【4:エコール・ド・パリ】
「エコール・ド・パリ」は、パリで活動した異邦人の芸術家たちを指す言葉。
4~6章は展示室6で、こんな感じじゃよ。
・モイーズ・キスリング《シルヴィー嬢》1927年
・モイーズ・キスリング《グレシー城の庭園》1949年
・アメデオ・モディリアーニ《若い女の胸像((マーサ嬢)》1916-17年頃
・モーリス・ユトリロ《モンマルトルのキュスティーヌ通り》1938年頃
【5:女性作家の登場】
シュザンヌ・ヴァラドンとマリー・ローランサンが紹介されておりまする。
・マリー・ローランサン《帽子をかぶった少女》1924年頃
・マリー・ローランサン《若い女》1937年
【6:パリから離れて】
この章は全て撮影不可じゃ。
・モーリス・ド・ヴラマンク《スノンシュ森の落日》1938年
血を吸ったような森が凄い。
・ポール・デルヴォー《オルフェウス》1956年
静まりかえった夜道(住宅街めいておる)を裸で歩くオルフェウス。
久々の松岡コレクション、観応えござりました。
出品リストに章ごとの解説も載っており、文字が大きくて見やすいのもありがたいのじゃった。
続いて、展示室4「唐三彩 古代中国のフィギュア」
https://www.matsuoka-museum.jp/contents/8827/
(写真撮影可)
唐時代、死者のお供として、唐三彩や加彩の従者や動物たちがお墓に入れられたのでございます。
そんな唐三彩や加彩のフィギュア36点が並んでおるが、公開されるのは6年ぶりじゃと。
会場はこんな感じ。
10点をリスト順に。
《三彩神王》
かような神王像は、お墓の守護神として墓門に安置されたとか。かっちょいい。
《三彩官人(一対)》
武官と文官。武官の冠が鳥でツボ。
《三彩商人》
鵞鳥を捕まえた商人かと思いきや、鵞鳥形の酒壺を持った異国のワイン商人じゃった。
死者はあの世でワインを飲んだくれるのかのぅ。
《加彩婦人》
当時の中国では、このようなふっくら体型が美人の典型だったのじゃ。
《黄釉加彩牛車》
牛車はあの世で必需品。
《三彩馬》
唐の王侯貴族にとって美しい名馬はステータスで、あの世にも連れてゆくのじゃ。
この三彩馬は、白いたてがみや馬具も美しい。
《三彩騎馬人物》
胡服で男装して乗馬を嗜む宮廷の女官。姿勢が良いのぅ。
《三彩馬》
頭部のメダル(杏葉)には蛙、革帯のメダルにはライオンが貼付。
《加彩白馬》
音楽に合わせて踊る訓練をされた舞馬。
玄宗皇帝の皇宮では、100頭以上の舞馬が飼育されていたそうな。
《三彩駱駝》
三彩の駱駝俑は、フタコブが多いそうな。
ちなみに楊貴妃は、駱駝のコブが好物だったとか。美味しいんじゃろうか・・・
死者の新たな世界の生活を支えたフィギュアたち、楽しゅうござりました。
キャプションも丁寧で、作品の裏側の写真があるのも良かったしの。
会期はどちらも10月13日まで。
その他、展示室1「古代エジプトの美術 平穏と幸せへの願い」では、わたくしの故郷のお友達、オシリスやホルスやバステトなどにも会えたし、展示室3「古代東洋彫刻」は、イケメンなガンダーラ仏もたくさんいらっしゃったし、展示室2などでは「西洋近現代彫刻」も観たのじゃが、全部書くとブログが終わらぬゆえ、またの機会に。
そそ、ロビーで以前は撮影OKだった大好きな《猫の給仕頭》(ジャコメッティ)は、撮影不可になっておりました(涙)
★本の話
小川洋子『おとぎ話の忘れ物』(ポプラ文庫)
プロローグと、有名な童話をモチーフにしたダークなおとぎ話が4話。
樋上公実子の絵が、全部カラーで40ページもあって嬉しい驚き。
物語が先かと思いきや、樋上公実子の絵をもとに物語が書かれたと知り、更に驚きじゃ。
忘れ物図書館が本当にあったら、ショップでスワンキャンディー〈湖の雫〉セットを買いとうござります。
★おまけ話
お盆期間中はお供のEの仕事が忙しく、18日までは展覧会にも行けませぬ。しくしく
来週はたくさん回りますぞ!