誰か仕事にありつけた日はちょっと豪華に“TANDUAY” ラム酒です。
小瓶が15P、中瓶25P、ロングネック(750ml)45P位だったと思います。
此処の飲み方の基本は屋外道端、小さなテーブルを囲い、アイス、水、グラス2個を用意します。
飲み仲間は4人、大抵何時も同じメンバーですがそこに、ランダムでいろんな人が加わり6~7人になります。
年齢層も色々で下は16歳から上は65歳です。
中の一人がバーテン係になります。
まず“TANDUAY”を持ちボトルをひっくり返しビンのそこを平手で叩きます。
次にスクリューのキャップを回してあけます。
次にそのキャップにTANDUAYを注ぎテーブルにおきます。
なぜなのか判りません。キャップの中身は飲みません。
ボトルが小瓶のときは、キャップは開かずナイフで×印に穴を開けます
これは少しずつしか注げないようにしているようです。
まずアイスを割ります。
ビニール袋で凍らせたアイスは1Pでお店で売っています。
アイスを隣の家のブロック壁に叩きつけて割ります。
一つのグラスにアイスと水を入れます。
もう一つのグラスに氷を入れ40mlほど酒を注ぎ、バーテン係りが初めに飲みます。
右手に酒、左手に水をもち、酒は一気に飲み干し、
左手の水を少し飲みます。
二人目もバーテンは酒のグラスに同じ分量だけ酒を注ぎます。
時計回りで順番に同じグラスを使い皆、同じように飲みます。
これがゆっくりと延々と続きます。
飲みながら、色々な話をみんながしてくれます
近所の噂話、若い頃の武勇伝、山下の財宝の話、等
うそのような話でも本気で話してくれ皆も聞き入ります。
通りすがりの友人には「HOY!SHOT!」といって酒を勧めます。
丁重に断る者等色々ですが、
一杯飲んでいくのが呑み助の礼儀のようです。
お金も無くなり、飲みたらない場合は
買いに行きますが勿論“つけ”借金です。しかしこの近所で“つけ”は大変です。
近所の店はどこも“つけ”だらけなので売ってくれません、少し離れたつけのきく店で買ってきます。
フィリピン人は“つけ”で売ってくれない店をケチと言い出し
自分の借金は当然のように正当化します。
仕事が無いのだからお金は無い、お金が無ければ払えない、仕方ないだろう
といった感じです。
この“つけ”で潰れてしまうお店もかなりあるようで同情してしまいます。
ダバオは午後2時を過ぎるとお酒は販売できません。
2時を過ぎて酒がなくなるとお開きです。
明日も飲むぞと約束をして帰ります。
元警官、元軍人、一度も定職に付いたことの無いもの、
日雇い大工、学生、仲間は色々です。
身体にいい飲み方ではありません。
みんなが危ない、危険と言っていた地区ですが
3年間、何のトラブルも問題も無く平和に過ごせたのは
こんな生活をしていたからに違いないと思っています。
今はとてもこんな飲み方はできません
フィリピン人は肝炎、結核等の病気を持つ方が多いので
この飲み方は危険かもしれません。
此処での病気は大変です。
ご注意ください。
注)エンジョイ貧困は私の10年ほど前の話です。