Pianta Natante(工房浮草)の日記

オリジナルアクセサリーを作ったり売ったりする
作家ひとりのお店での
日々の出来事を徒然と...

依頼の思いをくみ取るコト

2019-06-16 | 作者のつぶやき
先日納めた特注(オーダーメイド)のペアネックレス。
ピンクシルバーとスターリングシルバー(Silver925)のコンビ

「やっぱり、頼んでよかった」
お客様はそう言って、早速つけて帰って行かれました。



ご依頼の第一声は「クロスのペンダントが欲しい!」
あぁ、場合によっては断ろう。とまずは思った。
店主には、宗教感がない。
日本人でそれはそんなに珍しいことではないかなぁ、と思っている。
でも、信仰の対象となる形をむやみに作ることは気が進まない。
そうしたら、ご依頼主様はクリスチャンとのこと、
そりゃ問題ない、一転、お受けすることに!

今まで、市販のクロスを購入しようかといろいろ見たけど、
ピンとこなかったからオーダーの相談にみえたそうで。
次の条件が「他にはないもの」
事前に当店のホームページをみてくださり、
【結びリング】の形をペンダントにならないかなぁ、
そんなイメージで。



・ピンク色と銀色のコンビで
・2個の結び目がメインで
・下にクロスが揺れる感じで
・レディースとメンズでサイズ差をつけて
・チェーンは、後ろの止め金具が前に回ってきちゃうのはイヤだ
etc...
細かな条件と希望を聞いて、
その場でイラストを描き、
イメージを膨らましてもらい、
正式にご注文をいただいたのだが。。。

制作が始まり、実際にシルバーを使ってサンプル作業などして、
銀という材質で、実現可能な形と不可能な形。
立体になってみて初めて見える、美しい形とそうではない形。
アクセサリーとして、使いやすいバランスとそうではないバランス。
デザイン画と段々離れていく現実の形の間で、
「これでいいのか?」店主の気持ちは揺れながら、
時間もかかって、それでもモノは仕上がった。

お受取りの際、いっそ、あのデザイン画は見せないでおこうかしら?とかも思って。
すると、
「あのとき描いてもらったイラストよりステキ!」
あぁ、ホッとした。
言い訳はすまいと思っていたが、
この形に着地した経緯をお話してみた。

お二人ともつけてみて、
鏡見て、お互いの姿もみて、
「やっぱり頼んでよかった」
って、言ってもらえて
まず、ホッとして、
あとから、じんわりうれしくなって。

お客様が求める条件を踏まえた上で、
自分のキレイと思える形を追求し、仕上げるコトが、
認めてもらえた。
少しだけ、制作者として成長できたのかも。

これからも
決して油断せず、おごらず、
でも、自分の思うキレイな形を信じて
作ってゆきたい。



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