あと1年はやると思っていた。
代打なら、まだじゅうぶんいけるんじゃ?・・・と。
寝耳に水だった、阪神タイガース・金本知憲の引退。
10日くらい前から考え始め、ほんの3日前に決断したという。
きのうの引退会見。
小久保や田口の会見では泣けなかったが(涙はあっても、どこか晴れやかだった)、
金本の涙にはグッときた。
「ファンというか、弱くなった時に支えてくれた人たちには、恩義に思います」。
涙を必死にこらえ、声をしぼり出す。
”恩義”に思う・・・実にアニキらしい言葉である。
1)「アニキへの詫び状」
実をいうと、そんなに好きな選手ではなかった。
金本にしても新井にしても・・・ ようは”生え抜き”の選手が好きなのだ。
金本についてはそれだけではなく、別の思いもあった。
彼はカープで前田(智)と同僚だった。
先にブレイクしたのは、年下の前田だった。
遅れて金本も頭角をあらわし、ともに主軸となり、緒方と3人で外野を守った。
前田と金本は間違いなくライバルだった。ともに走・攻・守3拍子揃っていて、
名前も「前田智徳=とものり」「金本知憲=ともあき」と似ている。
が、女性に人気があるのは前田さんのほうだった。
「彼(前田)はカッコイイですからねぇ」。
何かの雑誌で金本が言ったコメントを今も鮮明に覚えている。
前田が”若大将”なら、金本は”青大将”。そんな役回りだった。(そういえばアニキは田中邦衛に似ている)
その後、金本がどれだけ広島で活躍してもこの構図は変わらなかったように思う。
そんなこんなで・・・前田さんのライバルである金本を素直な気持ちでは
応援できなかったのだ。
「ごめんよ、アニキ」。
申しわけない。こんなにすばらしい選手なのに。
今回の会見であらためてそれを思い知った。遅い・・・でも、今気づいてよかった。
2)「会見から、学ぶことがある」
今回の会見で、いくつか学ぶことがあった。
まず、野球について。
金本は「選手生活で最も誇りに思うこと」を問われ、
2度のリーグ優勝でもなく、1492試合連続フルイニング出場の世界記録でもなく、
2001年に樹立した、
「1002打席連続 無併殺打」の日本記録を挙げた。
知らなんだ、そんな記録。
言ってみれば、凡打に終わっても必死で1塁に駆け込み、
チャンスを一つでも残しておく、というもの。
今回、金本が挙げなければ、脚光を浴びることのない記録である。
そしてもう一つ。人生について、仕事について、学んだことがある。
それは、
「10歳から野球をはじめて、7割・8割がしんどいことで、2割・3割の喜び、
充実感しかなかった。でもその2割・3割をずっと追い続けてきた。
そんな野球人生だった」。
ああ、なんということだ。そこまで苦しみの連続だったとは・・・。
7割・8割がしんどいこと。それはどの仕事にも言えるのではないだろうか。
仕事はもちろん、子育てにも。
そして人生においても言えることかも。
金本はそんな真情を素直に、最後の最後に吐露してくれた。
これを心にしかと留め、我々は生きて・・・生きてゆかねばならぬのだ。
3)「暗黒時代の幕開け?」
アニキ金本のおかげで2回もリーグ優勝ができた阪神。
きのうの会見が妙に悲しかったのは、これで阪神の「ええ時代」が終わった、
そんな気がしたから。
今後、若い選手たちの鑑、お手本はいるのだろうか?
阪神ファンの将来への不安はますます大きくなった。
代打なら、まだじゅうぶんいけるんじゃ?・・・と。
寝耳に水だった、阪神タイガース・金本知憲の引退。
10日くらい前から考え始め、ほんの3日前に決断したという。
きのうの引退会見。
小久保や田口の会見では泣けなかったが(涙はあっても、どこか晴れやかだった)、
金本の涙にはグッときた。
「ファンというか、弱くなった時に支えてくれた人たちには、恩義に思います」。
涙を必死にこらえ、声をしぼり出す。
”恩義”に思う・・・実にアニキらしい言葉である。
1)「アニキへの詫び状」
実をいうと、そんなに好きな選手ではなかった。
金本にしても新井にしても・・・ ようは”生え抜き”の選手が好きなのだ。
金本についてはそれだけではなく、別の思いもあった。
彼はカープで前田(智)と同僚だった。
先にブレイクしたのは、年下の前田だった。
遅れて金本も頭角をあらわし、ともに主軸となり、緒方と3人で外野を守った。
前田と金本は間違いなくライバルだった。ともに走・攻・守3拍子揃っていて、
名前も「前田智徳=とものり」「金本知憲=ともあき」と似ている。
が、女性に人気があるのは前田さんのほうだった。
「彼(前田)はカッコイイですからねぇ」。
何かの雑誌で金本が言ったコメントを今も鮮明に覚えている。
前田が”若大将”なら、金本は”青大将”。そんな役回りだった。(そういえばアニキは田中邦衛に似ている)
その後、金本がどれだけ広島で活躍してもこの構図は変わらなかったように思う。
そんなこんなで・・・前田さんのライバルである金本を素直な気持ちでは
応援できなかったのだ。
「ごめんよ、アニキ」。
申しわけない。こんなにすばらしい選手なのに。
今回の会見であらためてそれを思い知った。遅い・・・でも、今気づいてよかった。
2)「会見から、学ぶことがある」
今回の会見で、いくつか学ぶことがあった。
まず、野球について。
金本は「選手生活で最も誇りに思うこと」を問われ、
2度のリーグ優勝でもなく、1492試合連続フルイニング出場の世界記録でもなく、
2001年に樹立した、
「1002打席連続 無併殺打」の日本記録を挙げた。
知らなんだ、そんな記録。
言ってみれば、凡打に終わっても必死で1塁に駆け込み、
チャンスを一つでも残しておく、というもの。
今回、金本が挙げなければ、脚光を浴びることのない記録である。
そしてもう一つ。人生について、仕事について、学んだことがある。
それは、
「10歳から野球をはじめて、7割・8割がしんどいことで、2割・3割の喜び、
充実感しかなかった。でもその2割・3割をずっと追い続けてきた。
そんな野球人生だった」。
ああ、なんということだ。そこまで苦しみの連続だったとは・・・。
7割・8割がしんどいこと。それはどの仕事にも言えるのではないだろうか。
仕事はもちろん、子育てにも。
そして人生においても言えることかも。
金本はそんな真情を素直に、最後の最後に吐露してくれた。
これを心にしかと留め、我々は生きて・・・生きてゆかねばならぬのだ。
3)「暗黒時代の幕開け?」
アニキ金本のおかげで2回もリーグ優勝ができた阪神。
きのうの会見が妙に悲しかったのは、これで阪神の「ええ時代」が終わった、
そんな気がしたから。
今後、若い選手たちの鑑、お手本はいるのだろうか?
阪神ファンの将来への不安はますます大きくなった。