宇田川榕菴(うだがわ・ようあん)は江戸時代後期の津山藩(岡山県津山市)藩医で日本の蘭学者。日本における近代化学の確立に多大な貢献を果たした。
代々津山藩医の家柄であった宇田川家は江戸時代、蘭学の中心的存在の名家として知られ、養父である宇田川玄真、また玄真の養父である宇田川玄随、榕菴の養子である宇田川興斎も蘭学者、洋学者として有名。
榕菴は当時の日本にまだ存在しなかった言葉(学術用語)に新しい造語を作って翻訳した。酸素、水素、窒素、炭素、白金といった元素名や元素、酸化、還元、溶解、分析といった化学用語、細胞、属といった生物学用語は榕菴が作ったものである。
そのほかにも「珈琲」という字も榕菴によるものである。徳川御家門筆頭の津山藩主・松平家の藩医で蘭学の名門・宇田川家の嫡子という立場でオランダ商館長と面談した際に、初めて飲んだコーヒーに興味を持ち、コーヒーに関する論文を書き、父・玄真が榕菴の考えとして当時のコーヒーの味を伝えていることから、「珈琲」の字は津山藩発祥とされている。
父子の逸話として、慕っていた父・玄真の養生のために、榕菴は津山近辺の温泉の効能(泉質)を調べており、これが日本で初めて行われた温泉の泉質調査であったといわれている。
墓所は津山松平家の菩提寺で家臣であった宇田川家代々が眠る泰安寺(津山市西寺町)。榕菴の命日には墓前に珈琲が供えられている。
湘南珈琲ギャラリーのリーフの中に「珈琲」の漢字を考えたのは津山藩士で蘭学者の宇田川榕菴であると紹介されている。
「SHONAN 珈琲ギャラリーは、藤沢にあるコーヒー専門店でコーヒー豆が生鮮食品であると言う事をモットーとして常に新鮮で煎りたてのコーヒー豆を、お届けします。」と高島屋のHPで紹介されている。
「珈琲」の字が津山藩発祥であることは、だれもが知るところである。
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