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中南米の対コロナ政策の特徴と傾向

中南米地域における新型コロナウイルス流行に対する政策の傾向と特徴について、そしてその国のお国柄が見える独自路線の例も挙げる。

中南米では厳しい外出制限を実施した国が多い。アルゼンチンは8か月もロックダウンが敷かれた。

ブラジルのボルソナロ大統領はコロナ軽視の大統領として知られ、ブラジルでは十分な対策が取られず深刻な感染拡大を招いた。州政府による外出自粛令が出された州もある。

中南米で特徴的なのが、性別による外出制限が一時期導入されたこと。
ペルーでは昨年4月、男性は月・水・金、女性は火・木・土が外出可能日、日曜は終日外出禁止(緊急時を除いて誰も外出してはならない)とされた。外出可能日でも自由に外出して良いというわけではなく、買い物、医療機関への受診、お金の引き出しなど生活に必要な外出のみが許され、許可された目的以外の外出は禁止。生活に必要なライフラインを除く多くの業種では仕事(通勤)も禁止された。男女別の外出制限は1週間で廃止された。
パナマではペルーとは逆に女性が月・水・金、男性が火・木・土に1日2時間以内の外出が可能とされた。買い物などは男女それぞれ指定された曜日に2時間以内に済ませなければならない。1週間で廃止されたペルーとは違って長期的に実施され、2度目、3度目のロックダウンでも導入された。
コロンビアの首都ボゴタでは昨年4月の外出制限で男性は奇数日、女性は偶数日に1日2時間以内の外出が可能とされた。

パナマでは男女別の外出制限措置に対してLGBTの人たちからの反発があった。男女別の外出可能日の設定は外出規制の方策として手っ取り早いもので、1週間のうち3日ごとまたは奇数日と偶数日で均等に分けている点で男女平等ではあるものの、LGBTにとってはデリケートな問題になったようだ。ペルーやコロンビアのボゴタではLGBTは自認する性による運用が認められた。
パナマでは感染拡大が深刻な時には完全外出禁止が土曜まで拡大され、女性の外出可能日が月・水・金の3日に対し男性は火・木の2日のみになり、男性には不利な結果に。

ウルグアイとコスタリカでは強制的な外出禁止は行われず自粛要請のみにとどまった。両国とも入国規制などの対策を早い段階から打ち出し、感染の抑え込みができている。コスタリカは軍隊を持たない非武装中立国、ウルグアイは清貧を貫いたムヒカ元大統領で知られ、中南米における民主主義の優等生らしい緩やかな対コロナ政策が取られた。

参考ウェブページ
新型コロナによる緊急事態宣言を4月26日まで再延長(ペルー) | ビジネス短信 - JETRO
パナマ、外出認める曜日を男女別に指定 新型ウイルス対策を強化 - AFPBB
ボゴタ市が性別による外出制限を導入、隔離措置を強化(コロンビア) | ビジネス短信 - JETRO

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